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女神の恋人  作者: おうどん(きしめん)
第9章【転移者】
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~婚約者として~

会談が終わり、翌日の昼。最近、地球にずっといるが、そろそろギールが恋しくなってきた。隣でテレビを見て笑っているアマテラスを見る。


「一回ギールに帰ってもいいか?そろそろシューン達にも会いたいし」

「…まぁ確かに一回帰った方がいいかもしれないわね。私も今回の事で結構政務が溜まっちゃたから」


実際、アマテラスはここ数日に全く仕事をこなしていない。それだけでも処理に数日はかかるが、地球に来てからのこれまでの騒動で相当仕事が溜まっている。今から神界に帰ると、一週間程仕事詰めになるだろう。


「じゃあ明日にしましょう?私、今帰っちゃうと一週間位仕事になっちゃうもの」

「まぁ、アマテラスがそういうなら」

「なら私が料理を作ってあげるわ!」


いきなり何を言っているのか。アマテラスが料理…、できるのか?正直出来る風に見えない。


「…私、そんな風に見られていたのね」

「…あ!心読んだな?」

「良いわよ!見てなさい。私の料理でぎゃふんといわせてやるんだから!」


そう言って台所に向かって行ってしまった。



………

……



しばらくすると、台所方面から、母さんとアマテラスの声が響いてくる。


「…わ、分から……すよ!」

「ほら、そんなんじゃ…………よ?」

「…うぅ…頑……ます」


何だろう物凄く不安になってきた。でも母さんが見てるなら大丈夫…かな?



………

……



待つこと数十分。アマテラスが台所から姿を現す。


「じゅ、準備ができたからテーブルに座りなさい!」

「お、おう」


言われるがままにテーブルに座る。


「はい、これ。食べなさい」


アマテラスが目の前に持ってきたのはハンバーグ。少し焦げてるかな?


「ハンバーグだな」

「えぇ、その、肉をこねて焼くだけだと思ったから選んだのだけど思ったより大変だったわ」

「あぁ、じゃあいただきます」

「さ、冷めないうちに食べなさい?」


箸を持ち、ハンバーグを切り分け口に運ぶ。


「ど、どうなの?」


アマテラスは、顔を背け頬を赤らめる。


「うん、おいしい」

「…ほ、本当に?」

「うん、見た目は少し焦げてるけど十分おいしい」

「…そ、そう。なら良かったわ」


アマテラスは相当喜んでいるのか、しきりに髪を触ったり、うろうろしたり。


「ほら、アマテラスも」


メイジはアマテラスにハンバーグをつまんだ箸を差し出す。


「あーん」

「むぐ」






そんなこんなでアマテラスが作ったハンバーグを食べ終わった後。


「さぁ白状しなさい」

「な、何かしら?」

「アマテラスが何の意味もなく料理をするなんてありえないからな」

「むぅ」


アマテラスは俯いてしまった。


「分かったわよ。………………その、ね?私はこの地球でメイジの婚約者だって正式に大々的に公表しちゃったわけじゃない?」

「うん」

「だからね?その……婚約者なんだから家事ぐらいはできるようにならないとって思って」

「アマテラス…」

「べ、別に。将来私が料理出来なかったら困ると思ったからよ!」

「ありがとな?」

「……別にいいわよ」


アマテラスは逃げるように台所へ消えてしまった。

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