閑話~学校パロディ8~
昼。午前の授業が終わった瞬間、アメリアさんに連れられて食堂の窓際二人席を確保した。アメリアさん曰く『二人席じゃないといけないのです!』との事。
「えへへ、奢りですよね?今取り消しとかは無しですからね?」
「お礼だし、沙汰にすることは無いよ。安心してくれ」
「じゃあ…こちらをお願いします」
うちの学校の食堂は券売機でお金を払う。俺は殆ど毎日弁当だったため、食堂はそこまで利用したことが無かったが、アメリアさんが指をさした場所の商品は明らかに異質さを放っていた。
『デラックスカップルセット』 1200円
「…なにこれ」
「これ、物凄くおいしそうなんですけど量が多くてですね。名人さんと二人なら食べきれるじゃないかと思って…」
券売機の隣に『デラックスカップルセット』についての広告があった。
『デラックスカップルセット! ”恋人”だけが購入可能。 二人で食べさせあったりしてみよう!
※交渉によっては同棲カップルも可』
「…これ、恋人だけって…」
「でもこれ、見た目も可愛いですしおいしそうですし…私、好きな人名人さんですし…」
「…分かった、これにしよう。」
「良いんですか!!?」
「あぁ、まぁお礼だし」
「ありがとうございます!」
嬉しそうに俺の手を引き、食堂のおばちゃんたちに渡す。
「じゃあ、恋人の証拠を見せてね」
「証拠ですか?」
「ええ、前に明らかに恋人じゃない子たちがきた事があるのよ。これは恋人以外には作ってあげられないのよ。そんなに難しいことじゃないわ、女の子の方から男の子の頬にキスでもしてくれたら十分だから」
『キ、キス!?』
驚きで二人同時に叫んでしまった。