閑話~学校パロディ4~
俺は今日この日から『非リア充』組から睨まれ、肩身が狭い今日この頃。俺は『転入生組』に振りまわされていた。
「ほら、メイジ。あ~んするのじゃ!」
どう見ても高校生には見えない美少女(美幼女?)から手作りの弁当を食べさせられている。
昨日だったら昼休みも大量の転入生達に囲まれていたが、今日は何故か1人。
美少女ウォールが消えて嬉しいのだが、一人なら一人で二人きりで何か···その、言葉に表せないけどモヤモヤする。
「なぁ、こんなことして恥ずかしくないのか?」
「む?昨日から目の前で色々しとったではないか。じゃから今更じゃよ」
やっぱりアルケーさんの語尾はちょっとおかしいと言っちゃアレだけど特殊だ。
「アルケーさんってどうしてそんな語尾なの?」
「お、おぬし、結構はっきり言うのう」
「あ、いや。嫌ならいいんだ」
「いや、そう大したことでもないから大丈夫じゃ。それに···の。妾の事をもっとメイジに知ってほしいからの···」
「そ、そう」
アルケーさんの家は何と世界三大財閥と言われているスタンフォード家の一人娘。小さいころから両親は仕事に追われ、いつも家には居なかった。それもあって実家でいつも面倒を見ていてくれていたのがアルケーさんの使用人。その使用人が日本人でその使用人から日本語を教えて貰っていたらしい。
「···で、そのおばあちゃんがの口調が今の妾と同じで、妾もそれにつられて···という訳じゃな」
「おばあちゃんか···」
「うむ、いつも妾の面倒を見てくれた第二のおばあちゃんじゃの···」
「え?じゃあそのおばあちゃんも『妾』って言ってたのか?」
先程からアルケーさんの一人称は妾である。それならおばあちゃんの一人称が妾···凄い人なのかな。
「ん?『妾』は身分が高い者が使うと聞いたから使っているのだぞ?」
「あ···そ、そうなのか」
何故だろう。そこに突っ込んではいけないという謎の力を感じる。主に現在キーボードをカタカタ叩いている人の力を。
「さっきの続きをするのじゃ!このまま話し込んでいたら妾の専用時間が終わってしまうのじゃ!ほれ!あ~ん!」
「い、いや恥ずかしいからいいよ」
ここは教室の中。今の光景を恨みがましそうに睨んでくる人たちもいるのだ。
「む、なら先程乙女の秘密を聞き出した罰として。ほら、諦めて食べるのじゃ!あ~ん!」
恥ずかしさで食べた卵焼きの味は全く分からなかった。