~会談~
テスト···辛い。
という事で翌日。朝、家の前にはいわゆる『黒塗りの高級車』が止まっている。
そして周りには多くのマスコミや見物人が。最近落ち着いたと思ったけど。これはまた数日煩くなりそうだ。
うわぁ···ここを通るのか···。警察が通り道は確保しているみたいだけど出た瞬間フラッシュの嵐だろうなぁ。
「メイジは堂々としていなさいよね!なんせ『神』の私の婚約者なのだから!」
「いやぁ···それはちょっと難しいなぁ」
「そんなに怖いならスキル使えばいいじゃない。精神安定系の」
「それもそうだな」
スキルを使うと驚く程平静を取り戻せた。スキルってやっぱ最高やな。
「よし、なら行くか」
「ええ」
アマテラスと腕を組む。
『お二人が出てきました!』
フラッシュの嵐。目がチカチカする。警察が止めているが近くまでマイクが向けられる。
『今回の会談について意気込みを一言!』『天照大神様は外国に訪れるご予定はありますか!?』
圧が、圧が凄い。必死さが分かる。
アマテラスは無言で笑顔を振りまいている。
「天照大神様、有村名人様」
俺達は何も答えず、車に乗り込んだ。
「私『神特別対策本部』所属の海林九郎と申します」
彼は頭の方が寂しい方だった。なんか物凄く苦労してそうだ。
車によって移動を始めた。
·········
······
···
俺は今、東方秀樹首相と対面している。しかし、あくまでも俺は仲介役。基本的に話すのはアマテラスになる。
「お初にお目にかかります。日本国首相の東方秀樹です」
「『神』である天照大神よ」
二人は握手をし、その姿をマスコミが撮る。ほえーいつもテレビで見てる光景を生で見ることになるなんて。
「そして有村名人様も」
お、俺もなのか。
首相と握手する。というか俺の時も撮るのか。やっぱり恥ずかしいわこれ。
·········
······
···
「それで、本日はなんの要件ですか?」
「そうよ?あ、メイジを雇いたいとかそういうのは受け付けないからね?」
「いいえ、私としましては天照大神様が本当に『神』であるのかの確証が欲しいのです」
「···まぁ私の世界の子のいう事だものね。いいわ、とりあえず人には出来ないような力を見せましょう」
「出来ればやり過ぎないようにね」
「そうねー、なら。ほい。」
「???」
「窓の外を見てちょうだい?」
皆は窓の外を見た。
『え!!?』『はぁ!!?』『地球!!?』
窓の外に広がっていた光景は青い地球。
···ここ宇宙だー!!!?
「ちょ、ちょっとアマテラス。や、やりすぎじゃないか?」
「大丈夫よ。こういうのは常識では考えられない突飛な事をしないと頭の固い人達は理解しないのよ」
それにしても···。
「なんで重力があるんだ?」
「あら、無重力にしてみる?」
すると足がいきなり床から離れた。
『う、うわああああああ』『う、浮いてる!』
首相は官僚は信じられないといった様子だった。
オチは無いです。