~リアルSAN値チェック~
「うげげげ、全能神様にバレてしまったようね...」
全能神にバレてしまってはどうしようもない。ならば全能神様がメイジに伝えるよりも先に放送すればいいだけよね!
「さーて、張り切っていくわよ」
意気揚々と作ったばかりのチャンネルで生放送を開始した。
「はいどうも~! ってこれじゃパクリよね? どうもこんにちは!....って名前を伝えていなかったわね。 ちゃんと動画を見て知っているから大丈夫よ! 私の名前は天照大神。 あ、言っておくけど設定じゃないからね!」
新手の動画配信者と歓喜している者や、拍子抜けしたような残念なコメントが流れる。
「あら、そんな残念なコメントが流れているのね?因みに天照大神っていうのはマジもんの神の事だからね?」
『それなら神らしい事をしてみてよ!』『可愛い!』
可愛い女の子が相手のせいか他の配信者が相手より丁寧な口調になっているコメント。殆どの視聴者は設定を守るためにそういっていると思っていた。
アレを見るまでは。
「じゃあ今から世界中の電波ジャックしてこの放送流す事にするわね?」
そう言った瞬間、その言葉の通り。世界中の全ての電波がジャックされた。
「ふぅ、あーあー。聞こえますか?世界中の皆さん。あ、因みに今聞いてるあなたがわかる言葉に翻訳されてると思うけど大丈夫かしらね?...大丈夫そうね。私は天照大神。神よ。一応この世界では日本の神ってことになってるわ。....まだ信じられないの?なら今からこの映像を見ているすべての人を宙に浮かすから見てなさい」
その後、アマテラスは現実では考えられないようなことを実践して見せた。
『夢なのか?』『神よ』『oh my god』『Jesus!』『何故今出てきたのですか?』
完全に視聴者は信じ切ったようだ。世界中で阿鼻叫喚。発狂する者まで出てきた。
「さて、私が神と分かったところで。私にとって今回のメインイベントです。私の恋人を発表します」
『こ、恋人···』『Boyfriend···』『Jesus!』
これによりアマテラスの美貌に心奪われていた者は肩を落とす。
────待あてえええええええええええ!!!!
彼にとって最悪のタイミング、彼女にとって最高のタイミングで乱入者が現れた。