~あっさり正体バレ~
天使の町で観光してから数日。部屋の中でくつろいでいると。なんだか何時もと違う視線を感じる気がする。それはなんかこう···ドス黒い···って感じの···?
────うへへ
ゾクゾクッ!?これだ!この視線だ!【サーチ】!
【対象は感知されませんでした】
な、なんなんだ?気配はあるのにスキルで感知できないなんて怖すぎる!助けて!
『マスター!私の事を呼びましたか!?呼びましたね!?』
ここで頼もしすぎる恋人の登場である。ソウちゃんなら相談しても信頼だってあるし何より頼もしすぎる!俺は最近視線を感じる事などをソウちゃんに話した。
『ふむふむ、事情は分かりました。私に任せて下さい!恋人としてストーカーは許せません!』
ありがとうソウちゃん!
『えへん!マスター!分かりましたよ!』
速っ!マジか!
『犯人と知り合いの人をそこに転移しましたので話を聞いてみてください!』
「いてっ!」
すると部屋の中に聞いたことがある声が。
「ハスター?」
「いててっ────メイジ!」
すぐに抱き着かれ、胸に顔をうずめてくるハスター。
「うーん。全能神もいいことするねぇ。こーんなご褒美を用意してくれるんだからさ!」
「ハスター、そのままでいいから答えてくれるか?」
「ん?なーに?愛の告白?」
「いや、実は────
かくかくしかじか いあいあくとぅるふ
────ってことなんだよ」
「む!まさか、あいつら、メイジを独占しようとしているのか!?」
「ハスター、あいつらって誰なんだ」
この感じだとハスターと同じ旧支配者だろう。ハスターが邪神の職に就いたのも邪神並みの力を持つという事。旧支配者たちは大きな力を持つことは間違いないだろう。
「勿論我の元同胞!『ニャルラトホテプ』と『クトゥルフ』に決まっていよう!」
決まってるって、俺はこの前まで旧支配者なんて影も形も知らなかったんだぞ?
「なぁ、その二人について教えてもらえるか?」
「む、メイジはあやつらに興味があるのか!?」
「まぁ、何かずっと監視されてるっぽいし」
「簡単に言うとニャルラトホテプが『夢見がちなこじらせ処女』クトゥルフが『恋を知らない系ヒロイン』だ!」
ひどい、なんとなくニャルラトホテプが可哀そうな人だという事は分かった。
「俺はなんでそんな人たちから監視されてんだろうな···」
「む?勿論我が接触して完全にメイジの虜になったからだぞ?」
「それは言い切るんだね···」
「当たり前だろう!どうして我がこの神界に戻ってきたと思う!?メイジがいるからだぞ!」
「そ、そうか···」
「メイジが居なくなったら我は死んで輪廻転生でメイジの近くで生まれるようにするからな!」
·········愛が重い···。