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女神の恋人  作者: おうどん(きしめん)
第1章【冒険者生活】
12/368

~それから~

あれから4日が経ちずっと


起きる

飯食う

散歩する

昼飯食べる

帰る

寝る

拷問の6時間


のループを続けていた。


冒険者ギルドは先日の『スタンピード』の後処理に付きっきりであったため、殆どクエストが受けられない状況だったのである。

それが今日やっとクエストが通常運行再開するらしいので。

冒険者ギルドによることにした。


冒険者ギルドの中は相変わらず騒がしく、いつも通りに運行していた。


ふと、こちらを見ている戦士っぽい服装をしている冒険者とそのパーティが言った。


「おい!『英雄』様じゃねぇか!」「マジか、『英雄』様だって?」「おいおい!金たんまり稼いだんだろ?奢ってくれよー!」「コロサレルゥ!!」


「後でな、まだ金は一アルすら受け取ってねぇんだ。」


「ヒュー!太っ腹ぁ!」「流石『英雄』様!懐も英雄並だぜ!」

「おい!今日は『英雄』様の奢りだぜぇ!」「ノムノムノムノムノムノムゥ!!!!」


ウオオオオオオオォォォォォ────!


うるさい奴らだ。

早く金を渡して退散するに限る。


俺はハスタさんのいる受付に向かった。


「おはようございます。先日のスタンピードについてお話が···」


「メイジさんっ!!!ありがとうございますっ!この町を救ってくれて!私達ギルド職員としてお礼を言わせてもらいます。ありがとうございます!」


「「「「「「ありがとうございます!」」」」」」


冒険者の対応をしていなかったギルド職員から一斉に頭を下げられた。

ものすごい恥ずかしい。

1発蹴っただけで『英雄』か、いい時代だな。


「俺はでかい蜘蛛を1発蹴っただけですよ、他の蜘蛛たちはギルドマスターが倒したじゃないですか。」


「それでも!あなたがあの巨大蜘蛛を倒してくれなかったら、この町はあの蜘蛛1匹に滅ぼされて居たでしょう。」


「あー、分かった礼は受け取っておく。ギルマスの所に案内してくれ。」


「はい!ご案内しますね。」


俺はギルマスの部屋に案内してもらった。

案内の途中ハスタさんからこんな事を言ってきた。


「私、メイジさんの専属受付嬢になりましたので、今後ともよろしくお願いしますね!」


はにかむ笑顔で言った。

うさ耳もピョコピョコ動いている。

凄く触りたい衝動に駆られる。


「うん、よろしくお願いします。」


さっきからうさ耳にしか目がいかない。

あぁぁぁぁぁぁ触りたいぃ。


「···触りたいですか?」


「へ?いやそんなことは···」


「嘘つかないでください。さっきから私の耳をガン見してるじゃないですか。」


バレてーら。

流石にガン見しすぎたな。


「ふふっ、今はダメですよ、お互いのことをもっと良く知ってからです。」


話しているとギルマスの部屋に着いた。

うん、ハスタさんは大人の女性って感じだな。

アメリアさんやアルケーにない魅力を感じる。

しかし、何か隠しているような気がするような···


ハスタさんがドアをノックする。


「ギルドマスター、メイジさんをお連れしました。」


「っ!来たか、入るのじゃ。」


扉が開かれる。

そこには目の下にクマができたのじゃロリ1号だった。


「ちょっと待ってくれ···この仕事だけ終わらせる···」


「大丈夫か?目の下にクマが出来てるぞ?」


「三日前から徹夜じゃからな、じゃがもうすぐ終わる、あと1回の徹夜で終わるのじゃ···」


やべぇよ、やはり後始末とか書類が大量に溜まっていたようだ。

うーん、一応俺もスタンピードに関わっていたからな。

せめて、体力でも回復されてやろう。


「おい、ギルマス、今から回復魔法掛けてやるからじっとしとけ。」


「おぉ···お主確か【光属性魔法】使えたな···頼む···実際もう眠りそうなのじゃ···」


「あいあい、【パーフェクトヒール】」


のじゃロリの身体の上に魔法陣が現れ、のじゃロリの身体を上からすり抜ける。

みるみる、のじゃロリの顔色は良くなっていき、クマも消えた。


「お?···おお!これは【パーフェクトヒール】じゃな!始めて見たのじゃ!疲労も眠気も吹っ飛んだのじゃ!」


「精神的な疲労は取れてないから仕事が終わったら休めよ?」


「うん···感謝する。」


なんか凄い大人しくなった気がする。

まぁ?一応俺は命の恩人な訳だから普通っちゃ普通か。


「それで?当然俺にも報酬はあるんだろ?」


「あぁ···あるぞ、町を救ってくれたのじゃ、報酬金は8,000,000アル(800万)じゃ」


おぉ800万円か、これで暫く金の心配はしなくていいな。


「そしてあの巨大蜘蛛の素材なのじゃがな···」


「うん?あれは冒険者ギルドが買い取ってくれるんだろ?幾らだ?」


「それなんじゃがな、あれは国が買取りたいと言ってきたんじゃ。さしずめ、国の研究機関に持ち込まれるんじゃな。」


国が?適正な価格で買い取ってくれるなら問題は無いが。


「国が提示してきた価格は800,000,000(8億)アルなんじゃ。」


「ふぁっ!?」


8億?多すぎて実感が湧かないんですが。

てかこんなに貰っても使い道なんて無いぞ。

せいぜい家でも買うくらいだが。

さすが国、想像していた桁が違う。


「して、この額で良いか?」


「この額でも多過ぎると思いますが、大丈夫です。」


「支払いなんじゃがな、額が額何でな、支払いに時間がかかるんじゃ、800万アルは今すぐ払えるんじゃが、8億アルは王都で受け取ってほしい。」


えぇ···めんどくさいな···


「勿論、時間を掛ければここで受け取ることも出来るが、今度『四種族祭』が王都で開催される。そこで受け取って、祭りを楽しむのも良かろう。」


『四種族祭』か···マナさんが言ってたやつだな、女神様が降りてこられる様だし、参加しようとは思ってたから、丁度いいな。


「分かりました、四種族祭の時に受け取ります。」


「うむ、受け取りは王に謁見してその場で受け取るから、頑張れよ?」


うへぇめんどくさいな。


「俺、作法とか全く分からないんですけど、大丈夫ですかね。」


「大丈夫じゃろう、今の王は平民にも寛大だと聞く。」


よかった、でもこういうのって、周りの貴族がめっちゃウザイパターンな気がする。


「あ、あとお主、後で教会に行っておくのじゃ。昨日から毎日、お主を探して神官がやって来ておる。大変だのう『加護持ち』は。」


俺が加護持ちだと知っているということは、教会は俺の事を特定していると言うことか、めんどくさいな。

俺には信仰心なんてないんだけどな。

教祖なんて知らないし、てか教会行かなくても毎日女神様達と会ってるし。

でもこれで教会に目をつけられるのは『処理』が面倒なことになりそうだ。

俺は教会所属するつもりなんてないがな。


「はぁ···めんどくさいな、もう行く意味ないんだがな。」


「ん?お主加護持ちじゃろう?加護持ちは定期的に教会に行かないとどんどん加護が薄れていくと聞いたことがある···」


なんだと?マジか、それなら俺の加護もどんどん弱まって人間に戻って行くのか···、ビバ人間、俺は人間に戻るんだ。


『メイジさんは加護では無くて寵愛なので、劣化なんてありませんので安心して下さいね?』


···何となく分かってた。

俺はもう人間は15%しか無いみたいだし、スキルに【全能】とかあるし、殆ど神みたいなもんか、バイバイ人間。


「俺は加護が強いので行く必要が無いらしいです。」


「なんじゃと?そんなの聞いたことないがの···まぁいいわい、お主については全て規格外だと思っておく。」


「はぁ、成りたくてこんなに強くなってる訳では無いんですがね。まぁ、教会には今日行きますよ。」


「うむ。それでお主、食事の件だが?それは四種族祭の時にどうじゃ?ワシも、『水王』として王宮に呼ばれていてな。」


「分かった、高くなくていいから美味いのを頼む。」


「うむ···分かったのじゃ···」


俺は800万アルを渡され、冒険者ギルドを出る···前に酒場の職員に10万アルを渡しておいた。

冒険者は「10万アルあれば好き放題飲み食い出来るぜ!」と叫んでいた。


そして俺は冒険者ギルドを出て教会に向かっていた。


『デートですか!?ずるいです!私もしたいです!』


『ワシもじゃ!こうなったらワシも四種族祭に出てデートしてやるのじゃ!』


俺の彼女達が騒いでいる。

創造神が地上に降りるなんて大丈夫なのだろうか。


『ワシが降りるのは、四種族祭ではじめてじゃの。』


うわー心読んだろこの神。

プライバシーなんてあったもんじゃない。


『フンッ、ワシは創造神じゃからな全能なんじゃ。』


『私は心読めますけど、メイジさんが嫌がりそうなので、読んでないだけですからね!』


アメリア、あなたって人は···天使だ。惚れ直したよ。

てか全能なら俺も持ってるから俺も心読めるってことか。

なかなか酷いスキルだな。


町を歩いていると、多くの住人や冒険者達がこちらを見て、感謝を述べてくる。

やっぱり、感謝されるってのは気持ちがいいな。


中にはこちらを見てキャーキャー言ってくる、女性もいる。

なぜ顔バレしているのか···どうしてだ···


その答えは教会にあった。


教会には、俺の名前と似顔絵が書かれたポスターのようなものが貼ってあった。





────来たれ、『聖者』────


この者は、この町を救った『英雄』です。

この者は女神の加護を持っており、我ら、

五神教の『聖者』であるでしょう。





···な···ん···だ···と···?




俺はこんな羞恥プレイをされていたのか。

もうダメだ、こんなの目立たずに生活するなんて不可能じゃないか。

さようなら俺の平穏生活。



俺は意を決して教会に入る。




中は前日入った時と同じだったが、俺が入った瞬間、神官達がこちらを見て、祈り出したり、1人の神官が奥に入って行ったりしていた。


あぁ···これは酷い。

速攻ここから逃げ出したい。


そんな時、奥からあの司教と呼ばれていた人が出てきた。


「ほっほっほっ、久しぶりじゃのう、『英雄』様。」


「知らん、早く要件を言え、俺に向かって祈るとか怖すぎるだろ、今すぐ止めさせろ。」


「まぁまぁ、お主は女神に愛されている者なんじゃぞ?それはまるで『神の使徒』様じゃからな。崇めるのも仕方が無い事じゃ。」


『神の使徒』?俺って『神の使徒』なのか?

教えてアメえもん!


『アメえもん?いえ、貴方は亜神(デミゴット)なので神の使徒より格は上です。てか女神と恋人ですから、権力だけなら神ですね。』


ありがとうアメえもん!


「俺は『神の使徒』ではありませんよ。」


「でも神様と話したことはあるのじゃろう?」


「え?普通の加護持ちの人って神様と話せないんですか?」


「普通の加護持ちは一方的に神託が降りるだけじゃな、会話したなんて『聖女』でしか聞いたことないわい。その『聖女』も、会話したのは1回限りで、加護を授けられた時だけらしいがの。」


マジか、やっぱり寵愛って凄いんだな。


『寵愛は直接触れないと授けられませんからね、今のところ寵愛を持っているのはメイジさんだけですよ。』


良かったアメリアさんが他の人にキスしているのを想像してしまった。マジ良かった。


『心配しなくてももう寵愛は挙げられませんよ?寵愛を受けることが出来る人は世界に1人しか存在出来ません。』


マジか俺が死ぬまで寵愛授けるの無理なのか、良かった本当に良かった。

アメリアがほかの人に寵愛授けるのを見てられないからな。


『ちなみに、メイジさんの寿命は『存在しない』です。』


俺不死なのか?やっぱり人外だった。


「···女神様との話は終わりましたか?」


ふぁっ!?バレてたやばいやばい。


「えぇ···何のことですかね···?」


「今、女神様と話しておられたのか」「やはり神の使徒」「私もいつか、女神様と会話を···」


「お主の加護は恐らく(極)ってとこかの。やれやれ、化けもんじゃわい。」


ごめんなさい、(極)じゃないです、それより上です。


「さて、ここで立ち話もなんじゃ、応接室へ行くぞい。」


俺は司教さんに連れられて、応接室へ向かう。

そこで神官さんに、緊張した顔でお茶を入れられた。


「さて、早速本題なんじゃが、お主にはこの町代表として、

『女神祭』に出場して欲しいんじゃ。」


「女神祭って何ですか?」


聞くと、女神祭というのは、四種族祭の中で行われる祭りらしい。

内容は、町の代表者が降りてきた女神と会食をする、というものだ。

参加出来るのは町で1番加護が強いものだけらしく、この町では俺らしい。


「分かった、参加しましょう。」


理由は単純明快、アメリアやアルケー、マナさんやウラヌスさん、アフラクさん、マアトさんと会えるからだ。

それ以上の意味は無い、この教会の為に行く訳では無い、断じて。


「ありがたい、これで今回の女神祭は安泰じゃな、うちの教会の株が上がりそうじゃな。」


応接室でそんな話をしていたその時、勢いよく開かれる。


「おい!某が女神祭に出ると言っておろうに!なぜ某以外のものが出る!某は女神と会ったこともあるんですぞ!」


黒髪の青年が入ってきた。

こいつは『トモヤ』だ。

忌々しくも俺のアメリアの事を脅しやがったクズだ、アメリアの恨み、晴らしてやる。

しかしどうやって痛ぶろうか、なるべく苦しむのがいいな。





こうして俺は、トモヤへの報復を決行する事にした。



トモヤが死ぬと、魂の処理として、アメリアがトモヤと、会話しないといけないので、半殺しにする事にした。byメイジ

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