~可愛いは正義~
コウイがフードを取る。俺は不思議とその様子に目を取られる。フードの中から飛び出してきたのは黄色く長い髪だった。声は中性的だったが、顔は女性らしく、ロゼ達にも勝るとも劣らない程だった。
(···また美少女かぁ、心臓に悪いなぁ···)
「どうですか?私も負けてはないでしょう?」
「あ、あぁそうだな」
「満足しました、行きましょう」
「お、おう」
天使たちの街並みを歩きゆく。活気はアステラと変わらないが売っているものが白い白い。ホワイトチョコレートや綿あめらしき物、白身魚の串焼きなどだ。
「おっそこの別嬪さんたち!白飴なんかどうだい?」
屋台のおじさんが俺達の方を向いて綿あめのようなものを紹介してくる。
「綿飴なのですー、食べるのです!」
「1つもらうわね」
グリモとエクスは綿飴を購入し食べている。
「あれは何なんですか?」
コウイは二人が食べている綿飴を見つめている。
「これは砂糖を溶かしてああいう風に雲みたいにしてるだよ」
「砂糖ってことは甘いんですか?」
「あぁ、口の中ですぐ溶けて美味いぞ?さっきあげたお小遣いで買ってみたらどうだ?」
「はい。興味があります」
コウイも綿飴を購入したようだ。やっぱり皆にお小遣いを渡して正解だったな。コウイは何かこの世界に疎そうな雰囲気あるし、仲間外れはよくないしね。
「···甘い···」
コウイはそうやって綿飴を勢いよく食べ始めた。綿飴を三人並んでベンチに座って食べている。微笑ましい。これだけで観光に来た甲斐がある。
·········
······
···
それからというものコウイは甘いものがあれば見境なしに購入し、食べていた。俺のあげたお小遣いはどんどんなくなり、途中で尽きてしまった。
「···無くなった···」
「···」
負けた、負けてしまった。お小遣いが入っていた袋を悲しそうに見つめているコウイに負け、追加のお小遣いを与えてしまった。勿論、グリモ達にも追加で渡したが。
今の気持ちを一言で例えるならこうだろう。
『可愛いは正義』
「さて、俺らはホテルを予約してるけどコウイはどうだ?」
「私は大丈夫、今日はありがとうございます。···とても楽しかったです」
「そりゃよかった。明日はどうする?明日は一度冒険者ギルドに行ってからもっかい観光する予定だけど来るか?」
「···行きます。任務もあるから」
「コウイちゃんと明日も観光できるのです!?わーい!なのです!」
一日まわっている中でグリモ エクス コウイのロリ3トップは良く話していた。微笑ましくてSAN値回復した気がする。
「あぁ、良かったな明日はお小遣いも多めに渡すからたらふく食っていいぞ。太りすぎない程度にな」
「···私、体重に変化しないので」
「そりゃすごいな」
「···では」
コウイは夜の街に消えていった。トテテテって感じでかわいい。
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side ???
フフフフフフ···、もう少しで終わるぞ。逢瀬を、逢瀬を···!あの感じだと押せば行けるなぁ。さて、そろそろ帰ってくるから···。