~早すぎだろ~
「では!いってらっしゃいませ!」
門番に驚かれ門番一同に見送られながら門に入る。身分が分からないこの子を連れていてもSランク冒険者という事で、信用されてしまった。
街に入ると、それはもう白い白い。建物が殆ど白く、眼前には白、白、白。街を歩いている天使達は皆金髪で、背中の羽根の大きさもそれぞれだ。しかし、天使が殆どだが、その中にはちらほらと獣人族や、人族、魔人族の姿も見える。
「そういえば名前を聞いてなかったな」
「···言わなきゃだめですか?」
「まぁ呼ぶとき困るからね、出来れば」
「···ちょっと待って」
そうして彼?彼女?はうつむいてしまった。そうしてしばらくたった後。
「コウイ···」
「コウイ?」
「うん、それが名前」
「失礼だが性別を教えてもらえないか?」
「性別···じゃあ女の子で」
「じゃあって···もうめんどくさいからいいや。じゃあ行くぞコウイ」
「···はい」
そうして、天使の街を歩きゆく。天使達は美男美女が多いと聞いたが、本当の様だ。アニメのモブが不自然にイケメンな光景が目の前に広がっている。
まぁ、ロゼたちの方が可愛いけどね!
「じゃあとりあえずお小遣い渡すから欲しい物があったら買っていいぞ」
「わーいなのです!臨時収入なのです!」
「···メイジに···」
「おおきに」
「毎回私はいらないと何回も仰っているのですが」
「···私も?」
「ん?もちろんだ」
コウイは自分が貰えるとは思ってなかったようだ。
「当たり前だ、好きなもの買っていいぞ?生憎金には困っていないからな」
「そう、それならありがたくいただきます」
コウイはぺこりとお辞儀をし、渡したお金をフードのポケットにしまった、なんかしぐさが可愛い。
そのまま繁華街らしき所に入っていく。天使族には美人が多いせいか人族の時よりは視線が痛くない。幾らか気楽だ。
「視線を感じます、なんでです?」
「あぁ、それは皆が可愛いからだな」
こんなことを平然と言えてしまった。昔の俺だったらもだえているだろう。スキルに精神力増加でもあるのだろうか。
「ん、それには同意します。ここにいる全員容貌が凄いですから。なんか対抗意識が芽生えてきました」
「···え?」
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side ???
ふっふっふ、これをこうして、ふっふっふ。あの特別な僕を放っておいて正解だったわ。むっふっふ、さて。早く作業して────。
今日投稿されてないことに気づいてびっくりしました(´;ω;`)。申し訳ありません。