~デート(世界の運命かかってます)part2~
パスタ店を出てからもソウちゃんと手を繋いで歩いてきた。更には右肩に撓垂れ掛るように腕に抱き着き、手を絡ませてくる。
「そ、ソウちゃん?どうしたんだ?いきなり?」
「えへへ···駄目でしたか?」
ソウちゃんは上目遣いで目線を合わせてくる。ぐぬぬ、かわいい。
「いや、いきなりでびっくりしただけだ」
「えへへ、駄目だったら神様権限使ってたかもしれないです」
「えっ···」
·········
······
···
王都をぶらぶらしたいとのソウちゃんの希望から、事前にサーチしていた王都で景色がいい場所への道を歩く。次第に太陽も落ち周りは薄暗くなっていく。俺が今向かっているのは王都を囲む城壁の上だ。普通なら上ることが出来ないがスキルを使えば一瞬で上ることができるだろう。
「ここですか?」
「うん、この上だ」
スキルを使い、城壁の上に転移する。
「わあっ」
「おお」
地球のように舗装されていない地平線の向こうに太陽が沈む。この世界も太陽は一つで輝いている。確か地球ではアマテラスが太陽の神だったなぁ。
─────こっちの世界の太陽も私だからね!
何か聞こえた気がするがムード的に黙っておこう。
「マスター、私、言いたい事があるんです」
ソウちゃんが俺の右腕から離れる。
「なんだ急に」
「えーっと、これは私が話してはいけない最重要案件だったんですが···」
─────やっぱりバラすのね、私だってそうするわ!
─────だから妾は反対だったんじゃ!
─────メイジさんならまぁそうなりますよねぇ
─────兄貴なら当然ですぜ!
─────メイジ···zZZ(惚)
─────ありゃあ全能神様完全に落ちてるじゃねぇか
続いて聞きなれた声がバンバン聞こえるが再度スルーだ。
「マスター···改め特異点メイジ 創造神・邪神そして私は あなたを利用 しようとしていました」
り、利用?
「そ、それはどういう···」
「マスター、私は全能神と呼ばれているように全能です。マスターのスキルにも『全能』がありますがそれはスキルの中でのモノ。本来なら加護は通常の人なら受け取れる上限があります。それは私が設定した器と呼ばれる魂の上限値です。しかしマスターには魂の上限値がないのです。これは部下?的な立ち位置の創造神からの報告で分かりました。なぜマスターが日本に出現したのか、原因を探るためにマスターがある程度成長するまで創造神に指示して監視しました。しかし監視して得られた情報は『目茶苦茶イケメンなのじゃ!』ぐらい。今ならはっきり分かりますね!そしてマスターが生まれた原因を探るためにどうしようか悩んでいたところ、マスターが通っている高校の生徒たちへの転移予定がありました。それは最近直接出現する魔王への対策です。そこでそれを利用し、マスターへの接触を図ることにしました。そしてあれよあれよと女神や創造神達が恋人になって行くではありませんか私は驚きました。私は以前マスターの情報を真似て二つの擬似特異点を作成しました。エクスカリバーとグリモカリバーです。その二つもマスターに引き寄せられました。そして実際にスキルの一つとして接触した私はある一つの事に気が付きました。『マスターを掃除屋として利用する事』です。当時の私はバカですね。」
じょ、情報量が多すぎる!
「えっと···つまり今は利用しようとしていないって事か?」
「はい、もう、当時の私は次々と出てきた問題に苦悩していたのでしょうね。マスターに会ってからこんな事アホな計画は止めることにしました。」
ソウちゃんと始めて会った日だな。
「でもその時点でその計画を止めたなら言う必要がないじゃないか」
「それはですね···マスターに隠し事をしている自分に自己嫌悪したからです」
「···」
「更にもう一つ大きな大きな理由があります」
「···その理由は?」
「更に大きな計画が実行し始めたからです」
「···それはなんだ?」
「···言わなきゃダメですか?」
「そりゃあ言ってほしいが」
「···本当にですか?」
「あぁ頼む」
さっきの計画より大きな計画なんて相当やばい奴じゃないか?聞いとかなきゃまずい気がする。というか気になる。
「マスターはイジワルですね。わかりました。私の一世一代の告白。聞いてください!」
「···ん?告白?それはどういう」
「計画名は!『マスターとイチャラブ大作戦』です!」
···え?
シリアスなんて一話も続きませんでした。ちゃんちゃん。
メルトリリスちゃんを狙います。頑張ろう。物欲センサー先輩オナシャス!見逃してください!




