~主人公に憧れた者~
祝!百話!やったぜ。まさかここまで続くと思いませんでした!ありがとうございます!
「えーそれでは、クラス対抗試験。森林実践試験を開始します。先程説明しました通り、一クラスに二人の教師が監視がついており、今回はSランク冒険者も護衛についておりますので、万が一は無いでしょう」
クラス対抗試験、当日。俺達は王都近郊の森に来ていた。俺達が担当するのはこの森全体の警護だ。あまり強い魔物は排除するか弱らせたりする役目だ。生徒たちは森を20分ほど進んだ所で一泊二日を生徒たちで過ごしてもらう。試験を採点する教師が一クラスに二人着く。
「メイジの言う通りにしたらみんなどんどんスキル覚えていったからのぅ。二年のエリートコースは大丈夫じゃろう」
「そうだなぁ、俺はエリートコース以外のコースにも教えたかったなぁ、時間的に二年のエリートコースしか教えることが出来なかったからなぁ」
「とりあえずこの試験が終わったら教えればいいんじゃないかの、まだまだ期間もあるしのぅ」
「そうだなぁ終わったらやってみるか」
俺はシューンを抱え、飛翔する。上空からの方が敵を索敵しやすいと思ったからである。だが俺はここで今更という閃きをした。
「『サーチ』つかえばいいんじゃん」
これにより俺達の仕事は激減した。ウィンドウに少し大きい反応があったら弱らせに行く、という仕事以外しなくなった。という事で今はシューンとお茶会をしている。なんとも優雅なものだ。
「のう、ワシ達はこんなことをしててもかまわないのかのぅ?」
「まぁここにいても俺がスキルで何とかなるし」
俺達は森の中にある湖畔にテーブルを置きお茶を楽しんだ。
·········
······
···
───────────────────────────────────────────────
side???
俺は一般的な男子高校生だった。ただ一つ言えるのはTHE平凡だったこと。地球では多分普通に暮らしていた。これには理由がある。ネット小説で見た平凡系主人公って奴だ。俺が知った平凡系主人公は成績も容姿も性格も平凡というものだ。それでいて美少女にモテる、何という事だ。当時の俺は歓喜した、平凡にしているだけで美少女にモテるなんて。
しかし現実は甘くなかった。平凡な主人公がモテるなんて二次元の世界のみ。現実は二次元みたいに甘くないのだ。しかしここで折れるほど俺はガラスのハートでもない。高校は諦め、大学でイメチェンしようと思っていた矢先。
あの事件が起きた。『異世界転移』だ。まさか本当に異世界が存在してるとは思ってもみなかった。という事はこれは異世界転移系主人公か!?
女神様にスキルを貰い、いざ異世界へ!お約束通り女神さまは可愛かったよ。いくつかの作品には女神さまがついてくるって奴もあったけどそれは無かったみたいだ。
そうなると奴隷ハーレムか!?と思ったら奴隷制度はナシ。悲しいなぁ。
良し、いったん美少女は置いておいて内政チートだ!何かしら地球のモノを普及させたりして稼ぐぞ!
しくった···遅かった···他の転移者が軒並みやってた···、俺の知識じゃあ特筆するものなんて作れないしなぁ···。
ふっふっふ···異世界と言ったら冒険者ギルドじゃないか!美人な受付嬢がいるはずだ!
なんでや···なんでや···。普通に登録する所まではうまく行ったのにそのあとはてんで駄目だ。うさ耳の超絶かわいい見た目ドストライクな受付嬢を諦めるわけにはいけねぇ!
あ、駄目すか、そんなゴミを見る目で見ないで下さい···。
ふっふっふ、次は完璧だ!二次元と言ったら学園!この世界にも学園は当然あった。そりゃ異世界だからね。幸い俺が貰ったスキルも大分コツがつかめてきたし、学生か教師として紛れ込むことにしよう。
行けるぞ!学生としては無理だったが教師として配属されることになった!何でも俺の魔法が一般的なレベルを逸脱しているらしい、流石チートだぜ、女神様あざす、今度夢に出てきた時にキスしてあげてもいいすよ!
ごめんなさい!いたいいたいいたい!殴らないでください!だ、第一まだ未遂だろ!『メイジさんの同郷だから半殺しですまして上げます!』だって?ど、どういぶべらっ!
女神様に男の影があったことに少々ショックを覚えていた。成程、女神様はヒロインじゃなかったのか。とりあえず明日から学園での授業が始まる。ふっふっふ、俺の主人公力で学園の美少女たちを軒並みゲットだぜ!
かなCーです。誰も俺に振り向かなかった。それに『こんな先生で大丈夫なの?』って言われたよ!チクショウ!だがしかし!まだだ!まだ終わらんよ!これは授業が神的に面白ければワンちゃんある!
なんで?俺はモテないの?努力はしたはず。顔がいけないのか?異世界の女子なんて少し優しくすればコロっと落ちるチョロインだと思ったのに···。フフフフフフフフフフフ···こうなったら異世界R-18モノでよくあるヤリ堕としを実行するしか無いのか···?いや、ここまで来たらやるしかない。まず準備が必要だな。とりあえず怪我って事で···。