~魔王襲来~
のじゃロリの髪の色を翠に修正しました、申し訳ありません
sideのじゃロリ
ワシは約300人の冒険者と100人の騎士と北門の外で隊列を組んだ。
前衛が剣を使う騎士・冒険者で後衛が弓を使う騎士・冒険者、魔法を放つ冒険者である。
敵は800体もの魔物、ワシが本気を出さぬ限り抑えることはできぬだろう。
ワシは無属性魔法【ラウド】で声を拡声しながら叫ぶ。
「おぬしらぁ!この町を守るために力を貸しとくれぇぇぇぇぇ!」
「おぉぉぉぉぉぉぉぉ!」「俺たちの町をぶっ壊させるわけにはいかねぇぜ!」「今日行く予定だった娼館を休館にしやがってぇぇぇぇぇぇl!ゆるさねぇぇぇぇぇぇ!」「コロスコロスコロスコロスコロスゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!」
「もうすぐこの町にスタンピードがくる!だが死に急ぐような真似をするな!命に変えられるモンはない!」
「やったるぜぇぇぇぇ!」「HSHSHSHSHSHSHSHS」「娼館…………マイエデン」「コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」
士気は上々、あとはスタンピードを待つだけだの···うむ······奴が来ていないようだがの…奴がいたら…少しは心強いん
じゃがの···魔法は光属性しか使えないみたいじゃがの···範囲殲滅には向かないがの···きてくれんかのう
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10分後ついにスタンピードの魔物たちが姿を表した。
大量の蜘蛛が地を這いこちらに向かっていた。魔物は蜘蛛しかおらず、その一匹一匹がビック・スパイダーであった。その中に3匹一回り大きい蜘蛛がいる。
「あれは···エルダー・スパイダーではないか···」
不味い、非常に不味い。ただでさえBランク魔物であるビック・スパイダーそれが約800体もいるのだ。それに加えてビックですスパイダーを率いているのは3体のエルダー・スパイダー。
絶望的だ。これまでのスタンピードはせいぜいEランク魔物が300匹程度だった。今回は数も質も段違いである。
「······使うしかないの···【水極大魔法】を···」
【水極大魔法】それはワシが使える1番威力が高い魔法。
そして範囲攻撃魔法。
ワシが水王と呼ばれるようになった所以も【水極大魔法】じゃ。
しかし【水極大魔法】には問題点がある。まず一つワシの魔力を90%近く使用する事。
ワシが【水極大魔法】を使った後にはせいぜい【ウォーターエクスプロージョン】1発ぐらいしか打てんじゃろう。
だがこのままでは町が人々が借り尽くされてしまう。せめてワシがエルダー・スパイダーだけでも倒して仕舞わないと。
ワシは覚悟を決めた。
魔物の軍勢はここから1km程。今撃つしかない。この魔法は仲間にも多大な被害を及ぼしうる魔法じゃからな。
「今から【水極大魔法】を使う!まだ攻撃はするな!ワシが【水極大魔法】を使ってから全軍攻撃開始じゃ!」
「【水極大魔法】···使うしかないのか」「ギルマスの魔法ならクソ蜘蛛もイチコロだぜ!」「コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
ワシは詠唱を開始する。
「我────水を司りしもの────礎に水の精────我が欲するは水の極地────顕現せよ水の王!【水王顕現】!!!」
それは災厄の権化だった。
大量の水────いや海と言っても過言ではない量の水が魔物達を覆っていく、多くの魔物は津波の衝撃によって身体を粉砕され死亡。
それを辛うじて生き残ったエルダー・スパイダーは激流に飲み込まれ窒息死する。
それは一方的な殺戮だった。
────うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!!!!────
興奮する騎士達と冒険者達。
じゃが、まだ魔物は残っている。範囲外にいた、ビック・スパイダー約50匹がまだこちらに向かってきていた。
────おかしい、これまでのスタンピードでは魔物の半数以上を倒したら魔物は戦意を失い、逃走を始めるのだが。今回のスタンピードは他のスタンピードとは様子が違う。
まだ何かいる────そんな気がしてならなかった。
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side???
我の軍勢を1発の魔法で壊滅とは、あの街にも強者がいたものだな。
だがあれほどの魔法を使ったのだ、魔力の消耗は激しい、この魔法を発動させた者はもはや十分に魔法を打てないだろう。
ならここで我がその者を討ち取り、敵の軍勢の指揮を下げることにしよう。
遂に人間を蹂躙する時が来たのだ────
存分に楽しませてくれよ────人間────
彼は知らない、この町には彼を遥かに超える『化け物』がいることを────
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sideのじゃロリ
ワシは感じた、強大な魔力を。
「注意せよ!強大な魔力がこちらに向かっている!」
それは姿を表した。
エルダー・スパイダーよりも遥かに大きなその黒い身体。
それはこれまでに見たことが無いほどの巨大な蜘蛛だった。
「···こいつは···まずいのう···ワシ死ぬかもしれんのう」
ワシは死を覚悟した、しかしこの後ろに町が、民が、人々の笑顔があるんだ。
ギルマスとして引くわけにはいかない。
残りの魔力を総動員して何としてでも倒さなければ···。
愚策かもしれぬがワシはこの町が好きじゃ。
命に変えても守ってみせる。
「我────水を司りしものっ!────礎に水のっ精────我が欲するは水の極地────顕現せよっ水の王!【水王顕現】!!!」
ワシは魔力枯渇の中【水極大魔法】を放った。
身体の力が抜ける、身体から魔力が無くなったのだ。
町を掛けた【水極大魔法】の激流は巨大蜘蛛に向かっていく。
────が
巨大蜘蛛は高く跳躍し、その激流を避けてしまった。
巨大蜘蛛は着地する、着地の衝撃で地面が割れた。
『フム···マダコノマホウヲツカエルトハナ···タイシタモノダ』
────馬鹿なッ魔物が話せるだとっ!
『ワレハカツテコレヨリチイサナクモダッタ、シカシ、ワガドウホウヲクイツイニ『魔王』ヘトショウカシタ!キサマラノイノチハココマデダ、マズハコノマホウヲウッタモノヲコロストシヨウ』
動けないワシの身体に巨大蜘蛛が迫る。
「逃げろっ、にげっ、るんじゃ!」
騎士や冒険者は動けない、目の前にいる圧倒的な強者の殺気が彼らを拘束しているのだ。
『デハ、シヌガヨイ。』
巨大蜘蛛の脚がこちらに迫る。
世界がスローモーションに見えた。
────せめて婿の一つぐらい取っとくべきじゃったな
迫る脚、それを阻む1人の男がいた。
ガギンっ!
『ナンダト?』
「よぉ、魔王さん、俺が相手だぜ?」
救世主の登場だった。
【水王顕現】はのじゃロリが付けた名前です。




