表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/14

現状確認

四鬼詩音とは?


知っている者はこう言うだろう。



歩く災害、復讐者、殺戮者、壊れた存在、悲劇の成れの果て



様々な言葉を当てはめる事が出来る。所謂……悪の存在。

そこに理由はなく、ただ物語を引っ掻き回すだけの存在だ。


しかし、違った見た方もある。

その物語で四鬼詩音と言う存在は登場人物をより魅せる為に必要とされた存在。


見せ場作りや物語の進行に四鬼詩音は現れ、登場人物の為に戦う。


しかし、どの角度から見ても四鬼詩音と言う存在は悲劇に踊らされた人物だ。


何故なら、物語の始まる前から本人の人格は退場しているのに生きる屍となって、ただ世界に復讐する為だけに動き回っているだけだからだ。

魂を壊されて残ったのは苦痛、無念、妬み、怨み、憎悪、負の感情のみであり、四鬼詩音と言う名の亡霊が生まれた。


四鬼詩音の最後は平穏な学園の中で登場人物達に微笑みかけ白い画面へフェイドアウトして行く描写にその物語に惹かれた者は涙した人は少なくないはずだ。何故、詩音が登場人物達に執着したのか?それを連想させるのに十分なシナリオだった。


本当ならそんな物語もあったのではないかと詩音に惹かれる者も多く、詩音のifの日常を書く者も中には居た。


さて、先ほどは覇王継承の儀と言われもピンと来なかったが思い出してからは覇王継承の儀が何か理解した。そして、この世界・・には魔法がある事も。


覇王継承の儀とは覇王の魂を己の器に移す儀式だ。

勿論、そんな事は出来る訳がない。何故なら覇王の魂というモノは既に消えているからだ。

なら何を継承しているかと言うと記憶だ。

覇王の記憶を魂に刻み込み覇王の魂に昇格させる儀式である。

それは成功するはずもなく魂が壊れ心も壊れ生きる屍になるだけだ。

そう設定・・である。

故に必ず四鬼詩音はこの物語において、ただ無心に殺戮をするだけの復讐者になる。


そうなるはずだ。そうなるはずだったが、しかし、私がいる。


これは転生と言うより憑依に近いのかも知れない。

私に覇王と呼ばれた少年の記憶もある。そして、四鬼詩音と呼ばれた少女の無念な感情が少しだけ残っている。彼女の存在を認識出来ないのを見ると彼女の魂は既に消えてしまったのだろう。


私の記憶は平和な世界で事件に巻き込まれず魔法も存在しない日常を過ごしてきた高校生だ。

途中で記憶が途絶えているのを考えると事故にあったのか分からないが死に繋がる出来事があったのではと冷静に考える。


意識が覚醒してまた生きれるのなら私は詩音としてこの魔法が存在する世界を楽しみたい。


詩音の様に復讐と殺戮に生きて終わるのは真っ平ご免だ。

詩音が引っ掻き回さなくても物語は回る。

なら私は傍観者として学園生活を楽しもう。


それにしても、強くなる為に努力した事もない私に詩音の強さと覇王と呼ばれた少年の経験があるのはどうしよぅ……


……コレってチートって奴だよね?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ