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拉致られました!

何だか頭がぼんやりする。

視界もハッキリしないし微睡みの中にいる様だ。

しかし声が聞こえてくる。



「失敗か。覇王の継承の儀で引き継げないのなら、もう此奴に用はないな」


……どう言う意味だろう?

失敗?覇王?継承の儀?何の話しだろう。

急に視界がクリアになる。

ゾッとする瞳、突き刺さる視線、目の前に冷たい表情の男女がいた。そう、私をゴミを見る様な目をしている。

……えぇ、関わりたくない人種ですね。

初対面で私が彼等に感じる印象を底辺まで下げた男女は二人で何か話をしている。

どうやら、失敗とかもう役に立たないとか処分だとか私に対しての言葉のようだ。

……いやいや、これって拉致されて何かの実験のモルモットにされたの?

ちょっと怖いんですけど。

私ひょっとしたらピンチじゃないのかな?頭がボーっとして身体が動かないし、もしや身体が動かなくなる薬でもやられたのかもしれない。



「待って下さい。旦那様、奥様。それはご自身の娘に対してあんまりでございます。どうか処分だけは考え直しくださいませ」



ナイスです!

何か私が殺される流れの話しだったけどメイド服の女性のおかげでストップ出来た。

ん?あれ?今メイドさんがあの男女が旦那様と奥様と言って私の事を娘と言ったよね?

……おっかしいね。私のお父さんは頭の後退と戦うナイスガイだけどこんな無表情イケメンではないし、お母さんはもう横に増えるのを諦めた主婦でありモデルみたいな美人ではない。

どうやら、私は夢の中にいるようだね。もう一眠りしたら目が覚めますかね?



「既に魂が壊れている。修復も不可能だ。もう此奴は廃人であり、生きる屍だ。仮に人格と言うモノが備わっても出来損ないに何が出来る?この四鬼一族に生かす利点がない」



私は既に廃人らしい。いや、意識もあるし、ただ身体が動かないだけで凄い言われようだ。



「でしたら詩音様は女性です。子を作り、その子供をまた養子にすれば良いのです。それでしたら生かす価値はあると思われます」



メイドさんは私を庇うように立ち話し始める。



「出来損ないの子供は出来損ないだろう。私達と同じ血だと言うのに全く価値が無いのだからそこまでする必要性がない。だがお前は良く働いてくれた。そんなにこの出来損ないに生かしたいのならお前にくれてやる。お前が最後までコレの面倒を見たいのならな。それと出来損ないでも四鬼の血だ。血族の漏洩は四鬼一族を敵に回すと思え」



「分かりました。では私が詩音様を引き取らせて頂きます」



「そうだな。廃嫡にするにも四鬼の名位は名乗るのを許してやろう。出来損ないだから名がないと使えないだろう?ソレを使いたがる物好きが居るとは思えないがな」



「忌々しいながら私に似ているから、煩悩で生きている者達なら釣れるかも知れないわね」



……この流れって私の貞操のピンチ⁉︎私知らないうちに売買されているよ!

どうしよう!何も出来ないまま私は売られちゃうの?天井のシミを数えなきゃいけないの⁉︎

それに四鬼詩音って私の名前はじゃない!……あれ?私の名前って何だっけ?

いや、四鬼詩音って聞き覚えがある。



私が好きだった物語に出てきた登場人物だよね?

ゲームやアニメ、漫画にもなったしブレークしたのでしっかりと記憶に残っている。


目の前の人達も思い出してきた。

……そうだ。両親を殺して目の前で庇ってくれているメイドさんも殺して只の殺戮者となったのが四鬼詩音だ。


つまり、今の私と言う事だ。


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