私と貴女だけの世界
大好きなヤンデレ少女が出ます。
しかも、百合です。
よければ、読んでください。
―今日も夢で見た。あの子のこと。
私は髪をかきあげてため息をつく。
あんなに印象に残っているのに、昨日も今日も記憶に残るのは、長い黒髪の中の赤いメッシュ。
月ばかり彼女は眺めている。
少しは、私の方を見てくれてもいいのに。
今日で付き合って何日目?今日話したのは何回?
回数ばかり数えている。
「恋愛なんて、所詮一人が嫌な者が生み出したことよ。」
じゃあ、貴女は何で私と付き合っているの、朱穂?
―ジリリリリ…。
半分壊れ気味の目覚まし時計が私をたたき起した。
まぁ、私の脳も壊れているけど。
脳も、心もショート寸前。
今すぐ壊れてしまいそう。
時刻は午前5時。
死んでしまいそうなほど熱い太陽。
窓を見ると、朱穂がいた。
早すぎだよ…。でも、朱穂だからいいけど。
「早く、早く学校に行こう。」
朱穂は大声で叫ぶ。非常識だよ…。
でも、朱穂だからやっぱり良いや。
「ねえねえねえ、今日も誰も居ないね。みんな朝起きるの早いんだねえ?」
「朱穂、それ違うよ。朝早いからみんな寝てるんだよ。」
私が教えてあげると、朱穂は首を傾げた。
「そうなの?」
「そうだよ。」
馬鹿だなあ。
でも、朱穂だから。そんな朱穂もとびきり可愛い。壊しちゃいたいくらいに。
朱穂は今日も艶やかな黒髪に赤いメッシュをいれて、耳には十字型のピアスをしている。制服のスカートも短くて、思い切り校則違反だ。
白い肌に、整った顔立ち。折れそうに細い体躯。
全てが夢のように綺麗で、綺麗で、綺麗だ。
「ねえねえねえ、真理亜?ねえねえねえ。」
「聞こえてるよ。なあに、朱穂。」
「うん。あのね、世界では正しいことがあるんだよね?それなのに、この世界はずいぶんと汚れているんだねえ。なんだか可笑しいねえ。」
「うん。そうだね。」
朱穂は嬉しかったのかはにかむ。
「ねえねえねえ、今日もあいついるのかなぁ。」
あいつ―とは朱穂の嫌いな男装女子である。
朱穂は「真理亜以外は嫌い」という。素晴らしいことだ。
心が壊れた朱穂は、私以外誰も見ない。誰にも懐かない。
壊れたときに、私がそう教育したからだ。
「私以外を敵だと思いなさい。」「私以外は貴女を苦しめるのよ。」
私がそう教育した。だから朱穂は私以外が嫌いだ。
私達はずうっと一緒。もう離さない。
…ねえ、朱穂?
貴女は私以外、見ないよねぇ?
怖かったら申し訳ないです。
すみません。