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chapter4 自宅での非日常

初めてで久しぶりの学園は波乱万丈(?)なものだった。まあ家は平穏無事だからな・・・てかそうであってくれ。

玄関が見えてきた。普通なら勢いよく扉を開けてただいまの一声でもかけるべきなのだろうが俺のところは少し違う。実は俺の両親は海外で働いており、実質1人暮らしをしていたのである。まあミサキの登場によって1人ではなくなったのだが。

―っておい。まだ認めたわけじゃないぞ。―

んまぁぼやいても仕方ないし入るか。ガチャリと。

「・・・・おかえりなさいませ。ご主人様。」

扉を閉める。家を間違えたのだろうか。いや、しかし鍵が開いたのだから間違いようがない。ここは俺の家だ。・・・空耳かな?もう一度開けてみよう。ガチャリと。

「・・・・おかえりなさいませ。ご主人様。」

見事なまでのメイドがそこにいた。しかもなんだろうね?頭にはネコミミがついている。・・・ネコミミメイド?

仮にも俺はオタクだ。こんなシチュエーション今まで体験したことはない。思い切り、「萌えぇぇぇ!」って叫びたいね。でも近所迷惑だしやめておくか。

―その前にやっておくべきことがある。

「えーと、どちら様?」

これを聞いておかないと話が進まないだろう。ていうか常識人の反応だ。

「私です、ツクヨミです。」

ネコミミメイドが答えた。ツクヨミっていうと・・・だぁ!やっぱギャルゲじゃねぇか!

「えーと、どちら様のツクヨミ様ですか?」

「はい。ハルキ様のツクヨミ様です。今後ともご奉仕させていただきたく、誠に勝手ながらDVD-ROMのソフトウェアの世界より参上いたしました。」

・・・なに?ゲームの世界から登場したってか?これはお前の仕業かミサキさん?

「あの・・・普段から欲求不満なのがわかりまして。どうしたら欲求を満たされるのかを勝手に読心させていただきました。」

あんたは宇宙人でもありESPでもあるのかい。そのうち空中浮遊とか精神操作なんかも見せてくれるのか?

「空中浮遊ならお安い御用ですけど、他者に対する精神操作はお見せできません。可能ではあるんですけど、宇宙倫理違反で、最長50年間も宇宙刑務所にぶち込まれることになっちゃうので・・・」

さらりといいやがった。しかも空中に浮きながら。改めて見るとすげぇなおい。俺はこんな非常識な奴と親族になっちまったのか。ありえない。ためしに頬をつねってみても、

「痛いな。」

とまあ夢ではないらしい。・・・かったるいなぁ。これが夢オチなら今回で最終回にできるのに。くそったれ。

「さっきから何ぶつぶついってるんです?」

お前がきにすることじゃねえよ。単なる俺のぼやきだ。

「御主人様、夕食のご用意ができました。」

ああ、忘れる所だった。せっかく登場したのに一行で役目を終えるなんて悲しい事この上ないからな。ところで夕食ってどんなのだ?

「プログラムの中でしかつくった事はないのですが、お口にあうでしょうか?」

どういうことだろうね。机にはテーブルクロスが敷かれていて、その上には所狭しと豪華な料理が並んでいた。豚の丸焼きまであるよ。これはフカヒレスープかな。


・・・・とここでひとつ疑問が浮んだ。やはり聞いておくべきなのだろうが、少し怖い。答えを知ってしまうと、それで納得してしまいそうだからだ。

「あの〜、ツクヨミさん?」

「何でございましょうか、ご主人様?」

「・・・・これだけの食材何処で手に入れたの?っていうか食費は?」

「はい。一度パソコンを立ち上げまして、そこから取り出させていただきました。ですので食費というよりは電気代が少々かかっております。」

・・・やっぱりね。ツクヨミさんがプログラムな存在だから、やっぱり料理もプログラムか。・・・食べられるのかな?手をつけようとしてすり抜けたりしないかな?

―あっ、実体だ。・・・しかも味ついてるよこれ。マジ美味いよ。俺1人で食べきれないけどね。

「だったら私も食べていいですますかマサトさん?」

いいぞ、勝手につまんで。ていうか全部食べてくれ。お前ならそれくらいできそうだ。

「でしたらでしたら、全部いただきま〜す。」

するとミサキは片手を振りかざした。そして何かを呟いたかと思うと、その次の瞬間にはテーブルごと料理が消えていた。こいつは空気から物体を創造できたが、消失もできたんだな。てかテーブルまで消すなコラ。

「あっ、マズっちゃいました。明日までには戻しておきますんで、どうぞご勘弁くださいませです。」

わかったから、なるべく早く戻してくれ。机がなけりゃ勉強できん。


しかしまあ、なんでもありな宇宙人、病弱でロリな転校生、C言語から発生したネコミミメイド。つい昨日まで退屈だった俺の日常は何処へといってしまったのかね?まあ退屈な日常だったからいいんだけど。

「C言語じゃないです。BASICです。」

とツクヨミさんがつっこんでくれたのは俺が寝る前のことだった。

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