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chapter7 お約束・・・

俺はひきこもりなんだ。できることならばずっと家にいていたいんだよ。・・ということで今日は早退させてもらうぞ。

これって端から見れば愛の告白を受けているって状況だよな?まあ、告白であることには違いないのだが・・・


ことの発端は確か3限の授業が終わった後だ。かったるくなって無断早退(良い子のみんなはしないでね)を図ろうと下駄箱を開けたときだ。

「あの・・・ちょっと屋上に来て欲しいんだけど・・・」

という文面の手紙が入っていたんだな。差出人はあの病弱娘・ミハルさんだった。

時間指定はなかったが俺はとりあえず屋上にわずかな不安感と何かに対しての期待感を胸に上がった。


〜「マサトくん。この前はありがとう。あの時に・・・あなたのことが好きになったの!」〜


なんて展開を期待しながら階段をかけあがる。この扉の奥に彼女がいるのか・・・

ええい。何緊張してるんだ俺。そんな展開あるわけないじゃないか。どこでそんなフラグがたった?少なくともミハルルートに進むような選択肢を選んだ憶えはないぞ。まずは息を整えて・・・扉を開ける、と。


扉を開けると、いつから待っていたんだろうね、ミハルがいた。

「あっ、マサトくん、来てくれたんだね。」

そりゃな。俺は手紙をよこされてまで無視するような冷酷な人種じゃないからな。それよか、大丈夫なのか?かなり風がきついぞ?

「ありがと。今日はこれでも調子がいいほうなの・・・けほっ、けほっ」

咳はしているようだが、以前のように吐血まではしないようなので、一安心。さあ、早速だが本題にはいろうか。まず下駄箱に手紙を入れるということ。その次に屋上に呼び出すということ。数々のゲームを攻略してきた俺には、これは愛の告白のアプローチにしかとれないのだ。だが待てよ、そんないきなり好きになられるようなこともしてないし、だいたい俺はそんなにルックスがいいほうではない。どちらかと言えば中の下あたりじゃないか?

「さっきから何ぶつぶついってるの?」

おっと、すまん。なんでもない。もてない男のぼやきさ。気にするな。

「あのね、実は・・・・いや、やっぱり言わないほうが・・・」

「・・・」

「・・・でも、やっぱりいったほうがいいのかな・・・」

どんな内容でも構わないから早く教えてくれ。気になる。

「・・・うん。やっぱり教えておいたほうがいいんだよね。」

・・・・え?それって・・・まあそうだよな。ミハルが俺のことを好きなんじゃなくて、他の誰かが俺のことを好きで・・・ってそれもねぇだろ。

「あの・・・どこからいえばいいのか自分でもわからないんですけど・・・けほっ、ごほっ!・・・・でも全部信じてくださいね?」

いきなり上目遣いでこちらを窺われる。そんな、照れるじゃないか。

「あのですね・・・・マサトくんのところには、宇宙人がいるんですよね?」


「・・・・はい?」

俺は思わず素っ頓狂な声をあげてしまった。なんでこの娘がミサキのことを知ってるんだ?

「この弓状列島の情勢及びそれに棲息する高次知能生命体の行動パターンの観測対象としてマサトくんのもとに宇宙人が1人派遣されていると思います。」

・・・・はい。まさしくその通りです。・・・ってことは貴方も宇宙人のお仲間ですか?

「いえ、私は貴方達のいうところの精神生命体、幽霊ですかね。この世界での生物達の調整役を担っってま・・げふっ!」

またしても俺はものすごい告白を受けてしまったものだね。つまり病弱で転校してきた女の子は幽霊ですと。でまた俺とその宇宙人とはなんの関係があるんだ?

「詳しく説明すると長くなるので簡略化して説明しますね。貴方達が生きていて、貴方達がこの世とよぶこの世界と、あの世とよぶ異世界間では、絶えず精神生命体の渡航が行われています。つまり、この世での肉体が死に至ると、それに宿っていた精神生命体はあの世へと渡航し、あの世でまた生活を送るので・・・っくしゅん。すいません。・・・そしてあの世で天寿を真っ当した精神生命体はまたこの世へと渡航し、新たな生命として誕生するのです。仏教でいうところの輪廻転生ですね。そしてその数は常に一定でないといけません。この世での生命の数とあの世での生命の数は均衡を保っていないといけないのですよ。それが・・・」

「すまん、ちょっと待ってくれ。・・・じゃあ何か、お前はあの世から誰かがこっちに渡ってきたりするときには誰かを殺したりしているのか?」

「・・・いえ、直接殺すわけではありません。何ていえばいいですかね・・・ほら、例えば毎日毎日飲酒したり喫煙したりする人がいるじゃないですか。大抵そういう人は自らの意思で禁酒禁煙をするんですけど、止めない人もいるわけですよ。そういう人に対して、細胞を少しいじくらせて頂いて天寿は真っ当できてないかもしれませんけど少し早くあの世に渡ってもらうことにしてるんです。あの世にはお酒も煙草もありませんから。」

なんてこったい。つまる話、こいつの気まぐれで人が死ぬわけだ。・・・あまりいじめたりはしないほうがいいんだろうな。

「ああ、ご心配なく。たまに健康体な人や誰からも愛される人が突然死するなんて場合がありますけど、それは私の管轄じゃないので。他の人がその役割を担っていて、上からの命令でその人の運命係数を少し変えてあの世へいってもらうんです。私じゃありませんから。」

あなたじゃないのはわかったから、その他の人っていうのが誰かっていうのを教えていただけるとこちらとしては非常にありがたいんですがね。

「・・・・わかりません。・・・ごめんなさい。」

まあそういうだろうと思ったけどさ。

「ああ、すまんすまん。んで、俺とあの宇宙人と君の仕事にどういう関係があるんだって?」

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