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サバイバルゲーム その2

一部不快な場面があります

那乃はまず自分の身体の負傷具合を確かめた。多少の無理が出来るのか出来ないのかによって今後の自分の行動が決まって来るからで、幸い身体は打撲が少しだけらしく、馬車に乗ってる間に出来ていた痣も薄くなっていた。


 「よし、これなら何とかなる!」


 こういう時はパニックになるのが一番死ぬ確率が高くなるとテレビで言ってた事を思い出し那乃は落ち着こうと深呼吸を繰り返す。あくまで冷静にと自分に言い聞かせる。まず水場を探す為にする事、彼女の前には改めて見ると森というより密林という方が正しい場所。頭上を見上げても空も見えず閉塞感が漂う。ただ密林特有の湿度の高さは無いみたいで…「生粋の日本人っ子で、一度も海外なんて言った事ないんだから、密林を経験した事はないじゃんっ!」と自分に突っ込みを入れ、「はははっ」と笑う。


 「……」

 「こほんっ!とりあえず水…と、なら川ですな」


 元の世界の常識が通じるかはわかんないけど、にわか仕込みの知識で何とかこの窮地を乗り切るしかないと思う。「よし」と自分に力づけると杖を片手に那乃は歩き出した

 最初は歩きやすかった道も、下るにつれ段々と下生えが多くなり歩きにくくなってくる。杖で低木をなぎ払いながら下っていく。


 「映像で見てたのをリアルに体験するなんてありえない!しかも…その番組の人元特殊部隊の人だったし…あたし単なる女子高生だし…」


 ただ今はその番組に感謝するばかりなのだから、テレビッ子も捨てたもんじゃないと那乃は思う。テレビの彼が言っていた、こういう密林では大型生物より小さな虫や、蛇なんかが命取りになるとその言葉を覚えていて、それに注意しながら進んでいく。



 かれこれ1時間ぐらいとにかく下って下ってしたのだが、まだ川のせせらぎらしい音も聞こえないので、那乃は昼食を取る事にした。地面の枯れ草の下などは蛇などの格好の隠れがなので、杖で地面の枯れ葉や草を綺麗に掃除してから座った。ポケットに入れてあった固パンと水を取り出すと那乃は少しずつ食べる。

 満たされるほど食べれるわけではないが、異世界で野生の実などはさすがに怖くて食べれないので、この少ない食料にも感謝する。


 「しんっど…」


 那乃が少しでも楽な体勢を取ろうと手を後についた瞬間に柔らかい物が手が触れ、「きゃっあ!!」と慌てて手を引っ込めた。


 「…布?」


 那乃は地面から一部が出ている触れた物を見てみると、それはどうみても布だった。


 「何で布?」


 その瞬間に思い当たった事にぞわっと背筋に何かが走る。


 「…人には会いたいけど、骸さんには会いたくないんですけど…」


 那乃は一度は無視しようとも思ったが、自分の軽装備の不安もあって何か必要な物を骸さんが持ってるかもしれないから…


 「背に腹は変えられない…」


 そういうと両手を合わせ祈りを捧げた後、その布の周りを丁寧に杖で掘り始めた。そしてやはり骸さんらしき者が見つかったが、悲鳴をあげずに済んだのはその骸がだいぶ時が経っているのか、すでに本体はなく、かなり痛んだ服と鞄が見つかっただけだったからだった。

サバイバルの参考はほんとにディスカバリーチャンネルというところで放送されている『man vs wild』という作品を参考に書いてます。

ちなみに…ゲテモノを食したりと結構グロい映像も多々ですけど…芸人なんかがそういうのを食すのと違い、ほんとに生きるための必死さが出ててあまり私は気にならないです。

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