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お腹がいっぱいになった那乃は「ふぃ〜」と大きく息を吐くと、その場に倒れ込みそうになる。そして自分のポケットにあるナイフの違和感に気付いた


 「あ…」

 『那乃?どうしました?』


 白親は空になった籠を出した時と同じ様に手の中に消すと、那乃の様子を伺う


 「あの〜ここにくる途中に、お亡くなりになった方がいたんですけど…」

 『?亡くなる?しかしここは虚ろ森。人が勝手に入ってくる事はまずないのですが…」

 『ウツロモリ?」


 何だか良くわからない言葉に那乃の言葉も片言になる


 『簡単に言うと通常は我の力が作用していて森の中に入る事も出来ないんですが…」

 『…?』

 

 那乃は自分も入ったし、確かにお亡くなりになってた骸さんも人型だったと頭が疑問でいっぱいになったので素直に白親に疑問をぶつけた。


 「…何であたしは入れたのかな?それに骸さんも人だったよ?」

 『異世界の人の那乃には我の力が作用しないんです。それとその骸も…異世界の迷い人でしょうかね…」


 その時那乃は自分が持っていたナイフに付いた紋章を思い出し、白親に慌ててナイフを見せた

 

 「これ!その骸さんが持ってたの!身元が確認出来ればと思って…ちょっと拝借してきました…」

 

 そのナイフを目にした途端、白親の表情が凍った


 『これ…は』

 「え…もしかしてハクの知ってる人?」

 『…ええ。その者は誰かわかりませんが、この紋章は…今から行くバルヒェット公国の公爵家の紋章です』

 

 那乃の顔がみるみる青くなってくる。


 「…あたし、いけない事した?」

 『いえ、これは公爵家から昔盗まれた家宝。きっとその骸は盗人でしょう』

 「あ…そうなんだ。じゃあ…これ返しに行かないと」

 『そうですね。これがここにあるという事は少し急いだ方がいいかもしれません』

 「そうなの?」


 何だかやっかいな拾い物をしてしまったと那乃は頭を抱えたくなったが、落とし物は本人に返すか交番へがモットーの国からやってきたのだから、持ち主がわかったのなら返しにいかねば!と那乃はぎゅっと手に力を入れた

 

 「では…、早速行きましょうか』


 白親はそう言うと出会った時の白蛇の姿になった。そして那乃が驚いている間に、彼女の手から後頭部に向かって進みそこにあったフードに入って落ち着いた


 『これはいい袋ですね。那乃の世界の人間は皆このような物を常に持っているのですか?』

 

 那乃は白親の問いに苦笑を浮かべた


 「ハクの入ってるのはフードって言って、頭に被る帽子なのよ」

 『ほ〜これを被るのですか…』

 

 どうやらこの世界にはフード付きの服はないらしく、フードのある服が好きな那乃は少しがっかりして俯くとそこに見えるナイフを見て叫んだ


 「あぁ〜〜〜〜っ!!!」

 『那乃どうしたのです?』

 「どうしよう…これ…家宝とか言わなかった?」

 「えぇ。公爵家の家宝です」

 

 那乃の頭の中に散々家宝ナイフを使ってその辺りの草をなぎ払ったのを思い出す


 「めちゃくちゃ使っちゃった…っていうかナイフ…草の汁いっぱいついてますけど…」

 『……』


 白親の返事が無いので那乃がパニックになる 


 「はっハクぅぅぅ〜」

 『くっくっく。大丈夫ですよ。そのナイフの重要なのは柄と鞘の部分ですから、ナイフ自体が切れようが切れまいが関係ありません』

 「よ…よかったぁ〜」


 そう言うと那乃はへたり込んだ。


 『さて、ではモリーに乗って早く城へ向かいましょう」

 『らじゃぅ!』


 那乃はモリーの背にまたがると首をしっかりと掴んだ。するとふわっと身体が浮く感覚がし、ぎゅっと目を閉じた。

久々Promiseです。次回は城でのお話しと言っておきながら…ふふナイフの話を入れ忘れてた〜〜!!という事で城は次回です!ほんとです!!

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