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九十九. 核

物語も終盤に向かっています。

なのに新出単語炸裂。しっかり覚えましょう!

……覚えてください。お願いします。

ちなみに書いたら少なすぎたので、本当にちょっとした二部構成です。

「おかしいと思うんだ……」

 両手で紙を持ち、わなわなと震えながら八千代は言った。

 初詣で受検がもうすぐだということに気づいた八千代は、何度も水裟にしがみつき、やっとのことで教えてもらえることになった。ということで水裟は嫌々八千代の家にやってきている。

「……何が?」

 大体その意味が理解できている水裟は、いつものだるそうな声で聞いた。


「こんな薄っぺらい紙で人生を決めるなんておかしいと思うんだ。だってそうでしょ? 足し算と引き算と掛け算と割り算が出来れば問題ないよ!」

 なんてことを言いながら数学の模試を差し出す八千代。それを見る前に、受けているなら何故試験が近づいていることに気づかなかったのか不思議だった水裟だった。

 その試験用紙には赤色のチェックマークがたくさんついていて、志望校は再検討になっている。それもそのはず、第一志望校に東京大学を選んでいる。そこまで日本は落ちぶれていない。

「というかさ、八千代」

「何さ! 天才の和月水裟!」

「就職という選択肢はないのか?」

 しばしの沈黙。

「さすが水裟! やっぱ天才だな!」

「普通にその選択肢はあっただろう」


 影月高校は進学にも就職にもそれなりに対応しており、幅広いのが特徴でもある。別に、進学しなきゃ! と思わなくてもいいのだ。

「私、就職するよ! 何だ~、人生簡単♪」

「そう、頑張れ」

 こんな奴雇うところあるのか? などの疑問を抱きながら水裟は自分の家へ帰っていった。


 ☆

 ★

 ☆


 白い翼を広げ、天国へとやって来た矢筈。直々に天等王から呼び出されたのが理由で、矢筈は集合場所となっていた図書館へと歩を進めた。


 図書館に着くと既に天等王はいて、たくさんの資料を机の上に広げていた。

「ああ、来たか」

「すいません、待たせてしまいましたか?」

「いや、こっちもいろいろ資料を取り出していたから。問題ないよ」

「そうですか」


 そのことを確認すると矢筈は天等王の向かい側に座り、机に肘をついて呼び出した理由を問うた。

「地獄の目論見についてだ」

「地獄の……ですか」

「ああ、炎石のときの報告がどうも気になってな。世界を手に入れるために水氷輪を奪う」

「しかし、水氷輪は回復能力を主とする道具ですし、世界を手に入れるほどの力はないと思いますが?」

「誰もがそう思っとった。無論、わしもだが。先日、魂の墓で海梨と会話をした際、資料の在り処を聞いてな。それでやっと判明した。地獄が水氷輪を欲しがる理由を」

「もちろん、戦闘に関して回復が必要、ではないですよね?」

「ああ。地獄が水氷輪を必要とするのは、世界を闇で染めるためだと推測した」


 天等王が持っていた資料に書いてあるのは水氷輪の特徴、性質。そして、天国、地獄、炎石、海極について書いてあるもの。

 その資料に書かれているのは《核》というものについてだ。天国を初め、他三つの世界には核というものが存在する。いわゆる、その世界の心臓だ。

 核によって世界は強くもなり弱くもなる。その最も強くなるのに必要なのが水氷輪。

 水氷輪には結構な力があり、世界を手に入れるには十分なのである。

 その核に水氷輪をはじめとする大きな力をはめることによって、自分の世界の力を放つことが出来、自分の世界を手にすることが出来るのだ。


「……そうなると負けられない戦いですよね」

「ああ。とりあえず一番天国に居るお前に話しておいた。あとで水裟たちに伝えておいてくれ」

「分かりました」


 そう言って矢筈は地上へと舞い降りていった。


 地獄戦まで、あと二カ月。

次回はついに百話です!

だらだらやり続けて、ついに三桁に突入します!

……まぁ、漢字表記なのであまり三桁っていう感じがしませんが^^;

次回もよろしくお願いします!

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