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九十六. 一話で三ヶ月飛んで冬

「いや~、もう冬だね~」

「…………」

 いつもの登下校の道を水裟と八千代が歩いている。この会話からも分かる通り、世間は冬を迎えていた。

 この町はそこそこの都会なので雪の量は少ないが、寒さはやはりある。

 いや、そんなことは当たり前なのだ。常識中の常識。ただおかしいのは――。


「――ついこの間まで文化祭してなかった?」


 水裟がその疑問を口に出す。それに八千代は笑顔で答えるのだった。


「時間の流れは不思議なんだよ」

「不思議すぎるだろ!」


 とりあえず、水裟が何と言おうと今は冬なのだ。寒い寒い、冬なのだ。


 ☆


 十二月下旬。もうすぐクリスマスという時期。それにクラスも沸いていた。「イルミネーションはとても綺麗よね」「お前の方が綺麗だよ」「やだ、けんちゃんったら」なんて会話も聞こえてくる。とりあえず一発殴っておきたいカップルだ。


 そんな会話で賑わう中、水裟たちはと言えば――。


「クリスマスパーティーしよう!」


 やはりこうなる。色々と周りに流されやすい八千代が提案した。それもメンバーは天国護廷7面々と水裟、天等王だという。なんだか打ち上げみたいにも感じる水裟だが、一応口には出さない。

「いいね! クリスマスパーティー!」

 案外乗ったのは奏。それに続いて雛流も「いいんじゃない?」と賛成方向だ。

 水裟もこれは全然嫌に感じない。確かに人と戯れるのは苦手な性格だが、こんな知り合いだけのパーティーは意外と大丈夫だったりする。人見知りの典型的パターンだ。

「といっても、クリスマスパーティーって何するもんなの?」

 水裟がふと思った疑問を問うた。クリスマスのお楽しみと言ったら、サンタさんからのプレゼントくらいなはず。少なくとも水裟はそう思う。まさかみんなでサンタさんを待つとか……なんてことも考えた。サンタさんの都合も考えるべきだろとかも思ったり――。

「クリスマスパーティーってチキン食ったらいいんじゃね?」

 横から聞いていた大牙が野獣な回答をする。それっぽいと思ってしまう水裟もいたが、八千代はぶんぶんと首を振って答えた。

「クリスマスパーティーはみんなとわいわい食事したり遊んだりするんだよ!」

「……忘年会?」

「違う! 水裟は世間にもう少し興味持ちなさい!」

「世間なのか? これ」

「と……とにかくしようよ! ほら、最近は炎石とか、そこからの文化祭で疲れたでしょ? たまには遊ぼうよ」

 まぁ、八千代にしては良い意見なのではないだろうか、と水裟は思い、コクンと頷いておいた。

 それに続いて雛流、奏、大牙、矢筈、冬菜といった面々も頷く。須永はニヤリと口角を上げている。とりあえずボコボコにしておく必要がありそうだ。


「じゃあ明後日、天国のテラスでやろう!」


 その後も誰が何を買ってくるかなどを話し合い、一日にしてクリスマスパーティーの計画が完了したのだった。

急ですいませんm(__)m

どうしても十二月までやることがなかったのでこうなってしまいました。


さぁ、百話まであと四話です! ぜひお付き合いください!

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