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八十八. 雷ノ磁砲

 奏がやってきたのは青色の大きな石があった先ほどの部屋。青色の眩い光が部屋を照らしている。

 目的はもちろん大きな石が関係していた。これが、鍵になるかもしれないのだ。

 奏はあの戦いを思い出した。火山との戦いを。たまたま拾った銀を技に変換することによって勝利を手にした。銅よりも強い矢が発生した。

 よくよく考えると鉱石で失敗したことがないのだ。銅もミスリルも銀も、どれもがそれぞれの力を放っていた。ということは――


「――これだって」


 と、天井についている青色の石を見上げた。

 これだって、鉱石かもしれないのだ。取らないよりは取る方が絶対に価値がある。

「シルバーアーチェリー!」

 銀色の矢で青い石を破壊し、地面へと落下させた。そしてそれをチューニングハンマーで叩き、適当な大きさにする。指輪にはめ、親指に装着する。これで完成である。

「よし!」

 奏は再び戦闘が繰り広げられる場所へと向かった――。


 ◇◆◇


 視界が真っ赤に染まる。血ではなく、炎で。

 雛流は炎の塔に閉じ込められ、全身が火傷するような状況下にいた。仮に生きていたとしても、紅蓮を倒すことは本当に困難だ。

 やがて炎は消され、地面にバタリと倒れる。ピクピクと手は動くが、言うことを聞く、というような状態ではなかった。握るのが精一杯、というのが見るだけで分かってしまう。

 最後の一発くらいは撃てるかもしれない。でも外せば終わり。それに、雷球銃では一撃で仕留められる気がしない。

 本当に終わりを表しているような状況。

 紅蓮は既に踵を返し、バーロンの戦闘に加わろうとしている。雛流に警戒していない絶好のチャンス。そのチャンスを無駄にするわけにはいかない。

 バーロンの戦闘の方も決して有利とは言えなかった。見た感じでは明らかに矢筈が押している。だが、その雷ノ鳥群には大きな雷の力を使う。矢筈は顔に大量の汗を浮かべていた。もう限界なのだろう。

 須永もガラスを突破できずにいる。明らかなピンチ状況。


 その時、矢筈と雛流の目が合った。そしてお互いに限界を訴えかける。


 そして、雛流はあることを思い出した。

 自分が苦労して身に付けた雷球銃。なぜ身につけたか。その理由は――一人で戦う力が欲しかったから。矢筈に迷惑をかけないようにするため。しかし、その雷球銃と、矢筈の力を借りて放つ電磁砲では、圧倒手的に電磁砲の方が威力が高い。

 ならば、ツインガンに込める電気の力が大きいほど、力は増量するのではないか?


 その考えを察したのか、矢筈は雷ノ鳥群の鳥を雛流の方へ向って飛ばせた。そして大きな雷を放つ。雛流のツインガンは大きな電気を纏い、バチバチというのが自分の鼓動のようによく聞こえた。

 それを紅蓮に銃口を向ける。雛流は心の中で呟いた。チェックメイトと――。


雷ノ磁砲(らいのじほう)!」


 一筋の光線が紅蓮に突き刺さる。予想通り、紅蓮は全く反応しなかった。絶対に攻撃をしないと思っていた雛流が攻撃をする。躱せるはずもなかった。


 紅蓮の腹部は真っ赤に染まり、その場で倒れた。ピクリとも動かない。だが呼吸はしている。

 雛流の勝利が確定した瞬間だった。

雛流決着です!

次回はガラス割りとバーロンの方をやります!

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