七十. 光の斬撃と闇の大剣
七十話達成です!
だらだらやり続けてもうなn(ry
これからもよろしくお願いします。
八千代の秘策を聞き、ニッと口を吊り上げて冬菜は悠斗に向き合った。先程から力いっぱい持っている双剣。それに加わる力が弱まっていく。それは勝つ確率が少しでも増えた、という安心感からかもしれない。
「行くぜぇ~! 私のスペシャルステージだ!」
八千代はそう言うと地面にビー短をつけ、ゆっくりと陸上のスタートの構えを取る。いつもはたらんと垂れている目を、キッ、と鋭くして、八千代はスタートを切った。
スタートしてからは地面にビー短をつけたまま、光の如く走る。50m走10,9というびっくりするタイムの保持者である八千代が、今では何よりも早く見える。
ビー短と地面との摩擦で、じわじわと斬撃が出来上がっていく。それが最大になったところでその斬撃を発射する。発射場所は悠斗の目の前。
「必殺! 光撃斬!」
太陽のような光を持った衝撃波が悠斗を襲う。どんなに遅い攻撃でも、発射口が目の前だとさすがに誰も避けることは出来ない。悠斗は光撃斬の餌食となってしまった。
かなりの威力を持っていたため、悠斗も地面に膝をついてしまった。
しかし、八千代たちの攻撃は終わらない。八千代の新技で、反射的に悠斗は意識を八千代へと変えていた。一人ノーマークになることも忘れて。
「黒暗定紋二刀流剣」
真っ黒な、片手剣というよりは大剣に近い大きな剣が二本。言うなれば、攻撃力を上げる技だ。通常の双剣よりも、大きさ、威力は大きくなるのに、スピードや重さは変わらないという優れた技なのだ。悠斗の見せた僅かな隙を、冬菜は見逃さずに突く。その圧倒的な威力に、ついに悠斗は血を流してしまった。赤く染まった血が、冬菜の頬に飛び散る。
悠斗はかなり苦しそうに立ち上がった。地面につけていた膝を、何トンもある鉄球を持ち上げるかのように、ゆっくりと持ち上げた。
「……なかなかやるじゃないか。天国護廷7」
「はっは~ん。まいったか! 八千代様の力に恐れ入ったか!」
「その銀髪の方」
「私じゃないのかよ!?」
「ああ。お前のはかわしきれなかっただけで、威力はそんなにたいしたことない」
「八つ裂きにしたろか!?」
そんな会話も面倒くさくなったのか、悠斗は昆を、ビッ! と八千代たちのほうに向けた。
「昆で八つ裂きには出来ないが、全身あざだらけにしてやるよ」
そういって悠斗は技を発動させた――。
◇ ◆ ◇
その頃水裟は、炎石の最奥に連れて行かれていた。
水裟は周りの風景から理解した。ここは牢屋だ、と。
鎖で手を繋がれ、身動きが取れない。
水裟には意識が残っていなかった。あの紅蓮という男に連れて行かれたことは覚えている。おそらく睡眠薬か何かを飲まされたのだろう。
更に分かることがある。水氷輪をつけている右手首に傷がついている。ということは、一度外そうと試みたのだろう。だが、地獄と同様に外れなかった。
今は逃げられないように放置。そういったことが推測できる。
水裟はその体勢のまま、何も発することなく、時が過ぎていくのを待った――。
次回は決着になります。
よろしくお願いします。
そして今日から不定期更新ガンガン系に変更します。
色Iもご存じの方はお分かりかもしれませんが、あの更新スピードをこちらでもやりたいと思います。
遅くても2日1回更新! ……くらいの気持ちでやっていきます。
それよりも遅くなることはあると思いますが、ご了承ください。
今後もよろしくお願いします。