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六十二. 二学期~最初の関門~

 ――秋。

 その季節にはいろいろある。読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋、花粉症の秋、枯れる秋、だるい二学期の秋、暑いと寒いの狭間で結構うっとうしい秋……


「って、姫はどれだけ秋に好感がないんですか」

 水裟がいろいろな秋について考えていると、一緒に登校中の矢筈が話しかけてきた。

 そう、水裟は秋が大嫌いである。鼻がむずむずするし、目がかゆいし、初めは暑いのに後は寒いし――とにかく、嫌いなのだ。

 また、二学期の始業式である今日は特にだ。今まで夏休みで緩んできたことを、再び引き締めなければならない。

 そして、初めの引き締めの大イベントといえば……

「続きは後ほど!」

「情景描写と会話でCMしないでください」

 とにかく、その行事の話があるであろう、学校に向かった。


 ◇     ◆     ◇


 久しぶりの教室にみんな楽しそうだった。「久しぶりだね~」とか「元気にしてたか~」とか「須永君はもう出血大丈夫なの?」とか色々聞こえてくる。

 ちなみに須永の夏休みは病院で幕を閉じた。興奮しすぎて一ヶ月入院とは哀れである。

 すると、すっかりモブキャラのミスター・チョークこと鈴木先生が入ってくる。相変わらずチョークケースが眩しい。

 教卓に名簿を置き、話し始める。

「え~、大きな連絡が二つある。まず、転校生……というか、しばらく用事で休んでいた生徒が帰ってきた。入りなさい、愛沢さん」

 その名前を聞いたとき、一斉に天国を知っている人間(須永省き)同士でアイコンタクトが行われた。この名前は明らかに――

「再び登校することになりました、愛沢冬菜です。よろしくお願いします」

 やはりそうだ。夏休みに天国護廷7の暗の水氷座についた少女、冬菜。まさかこんなタイミングで入ってくるとは思ってもいなかった。

 しかし、それよりも気になることが一つあった。

「な……なぁ冬菜。お前、帰ってきたって――」

「HR中だ! 和月!」

「ぐはっ!」

 時速150kmのチョークが水裟に直撃した。そうだ、こいつはこういう教師だった……と、水裟は思い出した。

 幸い、冬菜は水裟の後ろの席となり、手紙を送ってもらった。


『元々、ここの生徒だった時に地獄からスカウトされたんです。地獄では一切の外出を禁じられているので、休んでいる、という形にしてもらっていたんです』


 その手紙に少々驚いたが、再び登校できるようになって良かったな、とも思う。

 そんなところで安心していると、ミスター・チョークが淡々と二つ目の事を話し始めた。


「それで、今日の本題に入る。もう一週間後には体育祭だ」

 そう、夏休みの緩みを引き締める大イベントとは体育祭である。

 熱き友情でみんなで優勝を目指す、青春の醍醐味。

 しかし、水裟にとっては面倒くさいイベントである。熱き友情? こんなクソ暑いのを余計に熱くしてどうする? とか、インドア派の水裟は思う。

 それとは対象的に燃えるやつもいる。

「俺の時代がようやく来たぜぇえええええええええええええええええええ!」

 そう言って大牙が立ち上がる。

 こういうスポーツ好きは最高の見せ場である。まぁ、こいつに至っては単純に走りたいという考えられない思考からなのだろうが。

 またそれとは違って、萌えるやつもいる。

「冬菜ちゃん……可愛いな~」

 須永がじーっと見てくる。とりあえず冬菜に注意人物として教えた。


 そして、地獄の練習の日々が襲い掛かる――

八「ちくしょー! 最近全然出番がない!」

水「ああ、そう」

八「どうしたら出番が増えるんだー!」

水「誰もが忘れているであろう、必殺技を完成させるとか」

八「!?」

水「……忘れてたのか」


次回もよろしくお願いします!


追記

過去の和の水氷輪を読み返しておりますと、何やらバグか何かが発生し、うまく行が開けれていません。

ぎゅうぎゅうで読みにくいかもしれませんがよろしくお願いします。m(__)m

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