四十八. プール
旅行に行ってたため、更新が遅れました。
すいません。
影月高等学校も夏休みを迎え、部活で頑張る人や生徒会の仕事などで残る生徒はちょくちょくいた。だが初日は日曜日で、どこも休みが多かった。そこで八千代は天国の関係者みんなとプールに行くことを提案した。ほとんどはもちろん快くOKを出したのだが、1人だけOKを出していない人がいた。
八千代はその人と一緒にプールに行くために電話で交渉していた。
「ね~、お願いだよ~。一緒に行こうよ~」
「無理! プールだけは無理! というか海も無理!」
「もしかして奏ちゃんカナヅチ?」
「…………」
電話相手は音の水氷座につく奏。吹奏楽部の部長でフルートを担当している。その奏がプールは絶対行かないと言い切っているのだ。先程の会話からして奏は泳げないのだろう。
「そんな事言わずに行こうよ~。須永君も楽しみにしてるんだよ?」
「いや、あの人は女子の水着姿が見たいだけでしょ(特に八千代ちゃんの)」
すると電話の奥から「ちょっと私に代わって!」という声が聞こえた。瞬間的に水裟ちゃんだろうなと奏は思った。しかし、電話に出たのは雛流だった。
「そういえば、天下の部長様が泳げないんだって?」
「だからなにさ。そんな事言ったって、悔しくなって行ったりしないよ?」
「これは翔子にバカにされるね」
「行きます」
簡単に生徒を操ってしまう生徒会長。さすがの一言しかない。
簡単に釣られてしまった奏はベッドの上で四つん這いになってショックを受けていた。
*
そして当日。1人ずば抜けてテンションの高い須永をシラッとした目でみんな見ていた。八千代にいたってはゴーグルをしてバスに乗っていた。大牙は普通の格好……と見せかけて普通の半ズボンだと思っていたのが海パンだった。奏はすでにがっちり浮き輪を装備している。普通の格好は水裟と雛流と矢筈のみ。もうただのバカの集まりだ。
入場券を買い、男女に分かれて更衣室へと入っていった。須永は「向こう側は楽園だろうな」といいながら男子更衣室に入っていった。
プールに出てもトラブルは続く。まずは大牙がいきなりプールに飛び込んで、監視員のお兄さんに怒られた。その後、須永が八千代の水着姿を見て大量出血(鼻血)。八千代はゴーグルしすぎて目が痛いとしばらくプールに入らず。奏は水に足をつけただけでビクビクと恐れている。
(((こいつらは一体何しに来たんだ?)))
そう思う四十八話のツッコミ担当の3人だった。
しばらくすると、やっとみんなが落ち着いてきた(須永は今も出血中)。ここからがツッコミ担当の出番である。翔子にバカにされないよう、奏に泳ぎを教えるのだ。何でも出来る生徒会長雛流、運動神経のいい水裟、色々出来そうな矢筈。これだけのメンバーがいれば大丈夫だろうと思ったとき……
「おいおい。何のための体の水氷心だと思ってるんだ? ここは俺に任せな!」
色々と危なっかしい大牙が出てきた。
ということで、大牙のレッスンがスタートしたのだが……
「よーし! バタフライやってみろ!」
「レベル高っ!」
レベルがいきなり高すぎるので大牙はそこら辺で泳いでてもらうことに。
次は須永。だが……
「えへへへへ……奏ちゃんもなかなか……」
変態まるだし&奏の身が危険&プールが赤色になるので須永は病院に連れて行くことに(精神科)。
次は八千代。
「ではまず顔を水に……ってギャァァァアアア! 目が! 目がァァァァアアアアア!」
目が痛いので八千代は病院に連れて行くことに(眼科)。
で、結局水裟。
「泳ぐ前に顔は水につけれる?」
「出来るよ。もぐることは出来ないけど」
「じゃあ、ここを掴んでバタ足から始めよう」
「は~い」
水裟のレッスンは順調に進んでいるようだ。雛流と矢筈はカキ氷を食べながらその様子を見ていた。
最終的にはバタ足だが25mは泳げるようになり、満足して帰ることが出来た。
*
そして帰り道、帰る方向が一緒の雛流は奏と今日のプールについて話していた。
「どうだった? 楽しかった?」
「楽しいわけないじゃん。でも……」
「でも?」
「水裟ちゃんって、すごく接しやすい人だね」
「周りが変人ばかりだから、向こうも奏さんみたいな真人間は楽だと思うよ」
「そうかな」
ちょっと奏は嬉しそうだった。
こうして奏は泳げるようになって、翔子にバカにされずにすんだ。
ちなみに須永は……
「診断結果は、驚くほどバカです。頭が逝ってます」
「ここの精神科酷い!」
~八千代のプロフィール!~
身長:154cm
体重:これを書こうとした作者死ね!
髪型:ピン止めつけたショートヘア。色は紫。
3サイズ:これを書こうとしたvaz死ね!
雛「色々と罵声があるわね」
八「仕方ないじゃん」
次話、暗を探せ!です!