三十七. 八千代VSテスト
八千代はやっぱりバカです。
三十七話どうぞ!
朝、水裟と八千代の2人で学校に登校した。
「しっかし、天国の事ばっかだと学校も久しぶりに感じるね~」
「だな~」
ここ最近、というか春休みから新学期序盤は天国の事ばかりに目がいっていた。しっかり行ってはいるのだが、平和な学校が久しぶりに感じるのだ。
「これからも楽しく学校に行けるもんね!」
「まぁ……そうもいかないかもな。特に八千代は」
「どういうこと!?」
「もうすぐ中間テストだ」
それを聞いた途端に、八千代はその場で倒れた。水裟から見たらもう死んでいた。
凄く笑顔で倒れて(死んで)いて、ダイイングメッセージが書いてある。ちなみに内容は『須永がやった』。勝手に須永のせいにしている。
死んでるな~と思っていたら、すぐに八千代が飛び起きた。
「そうだ! 私には矢筈君という仲間がいるじゃないか!」
「残念だが、あいつは天国で必死に勉強していて、今じゃ結構賢い」
八千代は再び倒れた(死んだ)。
水裟は八千代を引きずりながら3-E教室に向かった。
SHRが始まる。八千代は笑顔で寝ている。……おい! 早く起きろ! 鈴木がチョークを構えているぞ! 席が遠いので心の中で叫んでいた。
……まぁ、結局飛んできたのだが。
SHRが終わった後、雛流のところに行った。
「八千代さんの学習をみるのはいやよ?」
「何故分かった?」
前回(八・九話くらい)の出来事でもううんざりしているのだろう。何ていったって、鎌倉幕府と平安京がごちゃごちゃになっているやつなのだ。一般的には平城京と平安京がややこしくなると思うのだが。
そこで、雛流は人差し指を立て、案を提案した。
「奏さんに頼んだら?」
実は奏はとても賢いのだ。学年順位は3位で、生徒会副会長の翔子なんかはテスト前に奏にべたべたするのだ。というか、吹奏楽部にモテモテだ。
ちなみに2位は水裟、1位は雛流だ。
雛流には男子共が寄ってくる。水裟には八千代が寄ってくる。
「だが、1位は雛流なので、よろしく!」
「え~……」
八千代教育係、朝希雛流。(水裟が勝手に決定)
*
放課後、八千代と雛流、水裟は生徒会室にいた。ちなみに水裟がいる理由は、「八千代さんに勉強教えるから、代わりに生徒会長の仕事やって!」と言われたので、水裟は生徒会の仕事だ。
「じゃあ、八千代さん。試しに聞いてみるけど、鎌倉幕府は何年?」
「794年!」
変わらずバカな八千代。雛流は涙目で水裟を見ている。それから、頭を抱えて「もう無理だ」と言ってきた。雛流にも手が負えないとなると……誰が出来るのだ?
その時、生徒会室のドアが開いた。
「雛流ちゃん? いる?」
入ってきた人の姿を見て、水裟と雛流はキターの顔みたいな表情になっていた。
「いるよ! さぁ! 入って、奏ちゃん!」
「私なんでこんなに歓迎されてるんですか?」
入ってきたのは、この前音の水氷座に着いた奏だった。雛流が歓迎するのも無理はない。
というわけで、用事のついでに八千代の教育係を任せた。
*
「そうそう。それでこれがこうなるよね」
「ふむふむ」
しっかり八千代に教えてる奏を見ると涙が出てきた水裟と雛流。あんな意味の分からないやつに、あそこまで優しく教えてあげるとは……どれだけ心の広い人なんだ! 水裟なら開始1秒で殴っているところだ。
八千代も案外理解しているようだ。
その勉強は夜まで続いた……
*
そして試験当日、『必勝!』と書いてあるはちまきを巻いて、八千代はテストに挑んだ! だが、挑む前にはちまきが没収された!
(……あ! これ昨日奏ちゃんに教えてもらったな~! 確か……ここの重力は物体に……)
それからも、必死で思い出しテストは終った……
*
それから翌日……
「やったよ! やったよ水裟ー!」
「何?」
テスト用紙を持って喜んでいる八千代。点数が良かったのだろうか。
「31点! 人生初の補習ナシだよ!」
「……」
正直、31点で喜ぶ奴は初めて見た。それで喜べるのは八千代くらいだろう。
「おいお~い。水裟ちゃんは何点だったのかな~? まぁ、私には勝てないだろうけど~」
31点でここまで調子に乗るやつを見たのは初めてだ。補習はなくても自慢できる点数とは思えない。
水裟は自分の解答用紙を八千代に見せた。点数は98点。
それを見た八千代はその場で倒れた。水裟から見たら死んでいる。
今回もダイイングメッセージが書かれていた。内容は『矢筈君はどうせ補習だ』だった。
ちなみに他の人は……
雛流 100点
「まぁ当然ですね!」
調子に乗っているが、抵抗できない。
須永 78点
中途半端。
奏 97点
さすが! 雛流よりいい人だし!
矢筈 90点
「八千代さん! 裏切ってすいません!」
こうして、中間テストは終った……
次話、皆で〇〇〇〇に行くぞ~!