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三十五. 音の水氷心

 突如現れた地獄の使いの女性。何故かは分からないがとりあえず敵なのだ。水裟たちは戦闘態勢になり、矢筈、八千代は思いっきり女性に向かって走って行った。

 すると、その女性が口を開けた。舌には少し穴が開いていて、そこから音を出した。

「な……」

「何? この音」

 矢筈と八千代も戸惑った様子だ。

 しばらくすると、矢筈と八千代の真下の地面が揺れ始めた。その後、爆発が起きた。

 瞬間的にそれを感じた矢筈は、八千代を抱えてかわした。

「厄介な技使いますね」

 どうやら爆発メインの技を使うようだ。

「これだけではない」

 そう言うと女性は、後ろに隠していた翼を出し、無数のビームを繰り出した。あまりにも連続でくるものだから全くかわせない。

「これでは近づけません!」

 矢筈が苦しそうになりながら言う。連続でビームが飛んでくるので後ろに下がることしか出来ず、近距離戦メインの矢筈と八千代は全く手が出せない状況だ。

「だったら遠距離攻撃をするまでよ! 矢筈君!」

「はい! 雷剣!」

『電磁砲!』

 雛流のツインガンから一筋のビームが出る。

 だが、それをあっさりと払いのけた女性。

 その後も、八千代と須永でシャイニングブーメランをやってみたが、地面からの爆発で対応されるために弱点である光の攻撃も通用しない。

 何とかして攻撃を与えなければ勝てない。でも、攻撃が当てれない。どうやったら、と考える水裟。

 その時……一人の女子高生が木の棒を持って、地獄の女性に突っ込んで行った。

「もしかして……奏さん!?」

「嘘だろ!?」

 突っ込んで行ったのは舞台で演奏していた奏だった。音の水氷座に着く者の最有力候補の彼女が、いきなり木の棒を持って女性に向かって走って行った。そのまま木の棒で女性を叩きつけた。

「わざわざそっちから来てくれるとはな……」

 女性はそう言って奏を弾き飛ばした。奏は激しく地面に打ち付けられ、壊れた舞台の前で倒れている。

 そこに水裟が駆け寄り、奏を起こした。

「何やってるんだ! あんなことしたら死ぬぞ!」

「だって……許せなかったんだもの……」

「え?」

「音楽は人を楽しませるもの。それを、人を傷つける為に使っているのが許せなかった」

 水裟は疑問に思った。確かに音を出して爆発を出したりしているが、全て同じ音なので音楽を汚すようなものとは思えなかったからだ。無数のビームだって、ただ連続で撃っているだけのものだったから、なおさら疑問だった。

 そのことについて奏に水裟は聞いた。

 すると、誰も気づかないようなことに、彼女は気づいていた。

「さっきまで隠れて戦いを見てたんだけど……音によって爆発する位置が違った。初めは『ド』の音で、あの女の人の目の前で爆発した。2回目は『♭ド』。それは遠くで爆発した。あの無数のビームだって、すべてリズムが一定だったし」

 全く一定には聴こえなかった。そんなのに気づくとは……凄い音楽センスだな……

「それはそうと……あなた水裟ちゃんだよね?」

「ばれてた!」

 そんなのにも気づくとは……凄い音楽センスだな……音楽センスは全く関係ない。

「だったら、私にも戦う力ってもらえる?」

「どんな事あっても驚かないならな」

「水裟ちゃんや生徒会長が戦ってる時点で驚く要素いっぱいあると思うけど?」

「はいはい。でも後で戦わな~いは、なしだからな。矢筈!」

「あいあいさ~!」

 矢筈は一つのリストバンドを投げた。奏はそれをキャッチする。

「はめてください。そしたら、あいつを倒す力が手に入りますよ」

 何だか危ない物を薦めているように聞こえるが、全然危ない物ではないのでご安心を。

 奏は何の躊躇いもなくリストバンドをはめた。そこから大きな弓に変わる。

「覚悟してね~。音楽を汚すようなやつは……絶対許さないから」

「おもしろい……これが音の水氷座に着く者か……」

 奏は地獄の女性に向かって突っ込んだ……


ついに奏が戦うよ!

他も戦うよ!

次話、決着です!

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