三十三. 新学期
遅れて申し訳ございませんでした。
桜が満開の春……今年も新学期を迎えた。
……え? その前に入学式はどうしたって? はははっ、去年の卒業式と一緒の理由さ。
……え? 新入生で新キャラ作らないのだって? はははっ、後輩作ったら、色々やりにくいだろう?
そんなこんなで、今は始業式だ。この後は運命のクラス発表。
「では、3年生は下駄箱付近に記載していますので、そこでクラスをチェックし、各教室に向かうように」
司会の教頭が言った。頭が輝いている。
そんなこんなで3年生は下駄箱付近に集まった。やったー! と叫ぶ奴がいたり、仲良しの子と離れて悲しんでいたり、色々な表情を浮かべた生徒がたくさんいる。
水裟も、やっと1番前まで来れて、自分のクラスを確認する。どうせ1番最後なので、後ろのほうしか見ない。
「私は……E組か……」
水裟は、3-Eだった。かなり前には、雛流の名前もあった。それに八千代、矢筈、須永も一緒のクラスで、都合のいいクラスになった。
……え? いくらなんでも都合良すぎるだろだって? はははっ、『★この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件などには、いっさい関係ありません』……だから別にいいんだ。
新しい教室に入り、担任の先生が挨拶をする。
担任は鈴木先生。ミスター・チョークと呼ばれている男だ。何か序盤に出てたチョークを投げる教師。あいつだ。ちなみにチョークを投げる速さは時速160kmだそうだ。ピッチャーになれば良かったのに……
水裟は1番後ろの窓側なので、いつも新学期には外を見ている。これは小学校の時からだ。しっかり咲いてしっかり散ってゆく桜を見るのが大好……
「和月! 話を聞け!」
でこが痛い。チョークが直撃した。……ダジャレのつもりはない。……しかも赤色なので余計に目立つ。
まぁ、この桜は、私たちの始まりを告げているのか……終わりを告げているのか……それは私たち次第だ。水氷心を持つ者を探し出し、万全の状態で地獄に挑む。そのための努力は……これからの生活にかかってくる。
そんな考えに気づいたのか、雛流、矢筈、八千代、須永がこっちを見て笑っている。どうやら皆は、この桜を始まりだと感じて……
「朝希! 風丸! 如月! 須永! 前を向け!」
片手で4本のチョークを投げた。あれはあれでテクニックが必要だ。全員に命中し、まじめな雛流はその場でぐったりとした。八千代は受け慣れているのか、全然平気な表情だ。
しかし……とことん空気読めない教師だな。和の水氷輪初まって以来、初めていい事言いそうだったのに……
こうして大波乱のチョーク戦争は終了し、水裟たちは雛流に呼び出されて生徒会室に向かった。
*
『日向祭り?』
全員が声を揃えて聞く。
日向祭りとは、日向市で行われる祭りで、毎年4月にあるのだ。水裟も毎年八千代と一緒に行っているが、八千代がたこ焼きしか食べないためあまりいい思い出がない。
「そこでやる吹奏楽部の舞台で音の水氷心を集めようというわけですか」
「そういうわけ! 副会長の翔子から全楽器の楽譜もらったから大体分かるわよ。ちなみにこれを要求したら凄く変な目で見られたわ」
((((雛流……そこまでしてくれたのか……自分の身を捨てて……))))
同情したのか、皆が雛流の頭の上にポンと手を乗せる。
そういうわけで、明日の土曜日に日向祭りに行くことにした。
いつも和の水氷輪を読んでいただきありがとうございます。
ここで少し報告があります。
僕は一応学生でして、もうすぐ期末テストがあります。
なので、テストが終わるまで執筆をお休みします。
テスト終了後にはいっぱい書きますので。
ご理解をお願いします。