三. 純白の背中
テスト終ってからはこの小説の更新は初めてです。
なんか色々設定いれすぎて、自分で混乱しかけています。
という訳で、3話どうぞ。
水裟は何も知らずに寝ようとした。
その時、すごい勢いで部屋の窓が割れた。
「何!?」
水裟は勢いよく起き上がった。
「ふい~~あいつが持ってんのか、水氷輪?」
「そのようだな、和の水氷心が感じられる」
入ってきたのは、2人の男だった。
でも、背中に暗黒の翼を持っている。
「悪いことはいわねぇ。水氷輪を渡せ、女」
「あんたたちは……?」
「名乗る必要ねぇだろ。さっさと水氷輪渡せ」
(何でこの人たち水氷輪の存在知ってるの!?いったいこの人たちは……)
「ほら、早く渡せ」
「そんなのでき……」
その時、水裟の前がぼやけた……が、一瞬で戻った。
ただの立ち眩みだったようだ。
それと……何でだろう。何故か息切れがする。
「できないようなら、力ずくで奪うぞ」
地獄の者は暗黒の翼を広げ、水裟に襲い掛かってきた。
暗黒の刃がそこまできていた。
あ~あ……こんな形で死ぬとは……もう少し普通に逝きたかったな~。んでもって、最後くらい普通の高校生活が送りたかった……ある意味、それが夢だったしな~……
「姫!!」
すでに死を考えたいた水裟の前には、純白の翼を持ったたくましい背中があった。
「ご無事ですか!?」
「矢筈……」
暗黒の刃と純白の刃がキリキリと音をたてる。
「矢筈~……てめぇ……」
「襲うのがちょっと遅かったようだね」
「……王もいるようだな」
「恩人をみすみすと見殺しにするわけにはいかん」
地獄の者が一歩後ろに退いた。
「だがな……きっと守れねぇぜ、お前らじゃ」
「絶対に守る……」
「戦闘の地獄、医療の天国で有名じゃねぇか」
「くっ……」
水裟が不思議そうに王に聞いた。
「王……あれってどういう意味ですか?」
「天国は元々、医療や回復が盛んな国なんじゃ。それの最高傑作が水氷輪。一方地獄は攻撃に使う武器や、防御の盾などが盛んな国。だからこういった戦闘は……圧倒的に地獄側が有利となる。」
「じゃあ……矢筈が勝つ確率って……」
「ほぼ0じゃ」
「そんな……」
「地獄にはまだ恐ろしい物がある。天国に最高傑作があれば、地獄にもある。おそらくこれは……歴史にずっと残る大技。『地獄刀奥義 黒暗定紋風雷斬』という技。これをくらった物が生き残れる確率も、ほぼ0」
「もし……矢筈がそれをくらったら……」
「命は保障はできないな」
「それじゃあ今すぐやめた方が……」
「あいつの背中を……素直に見てくれんか?」
「え……?」
「あいつが守ると決めたら守り通す。そういう男なんじゃ。お前さんを守るためにあいつは、戦場に立っている」
「矢筈……」
次話は、矢筈VS地獄の者です。