二十二. 暗闇を打ち砕け!
修学旅行から帰ってきたので、更新しました。
本格的に地獄戦が開始します。
水裟は、和の水氷輪の型になった。
八千代もビー短を構え、須永もブーメランを持った。
それに対して、雷紋、明莉は剣を、冬菜は双剣を装備している。
「始めよっか。天国」
そう言って、雷紋は大きく剣を上げた。
「黒暗定紋風雷斬!」
黒色の斬撃が飛んでくる。
水裟は、水氷扇を口にあて、前に出した。
「氷の舞!」
冷たい風が斬撃を凍らせていく。
水裟は、黒暗定紋風雷斬の対策が出来ている。
「須永君!」
「OK!」
「光剣!」
すぐさま、天国が反撃を開始する。
八千代のビー短が光だし、それを須永のブーメランに注入する。光が注入されたブーメランを須永が勢いよく投げる。そのブーメランを八千代が力強く叩いた。
『シャイニングブーメラン!』
光に包まれたブーメランが、地獄の者たちに向かって飛んでいく。
光は地獄の唯一といってもいい弱点で、当たったら大ダメージは間違いない。
そのうえ、地獄の者たちは、シャイニングブーメランの眩しさに目が眩んでいる。
地獄側で大きな爆発が起こり、砂煙があがる。
「やったか!?」
砂煙がおさまると、苦しそうに倒れている姿があった。
「これは大ダメージなんじゃないのか?」
「多分ね。やるじゃん、須永、八千代」
「たまには役にたつでしょ~?」
「本当のたまにな」
その場で八千代がしょんぼりする。
そんな中、水裟だけが異変に気づいた。
「2人とも!伏せろ!」
『へ?』
「……遅い」
後ろには、暗の黒暗心を持つ冬菜が双剣を構えていた。
「黒暗定紋二刀流斬」
冬菜の双剣が、黒く大きな双剣に変わった。それで水裟たちを思いっきり斬りつけた。双剣の技も凄い威力だ。
水裟たちは、血を流し、その場に倒れた。
「何で……あいつは光の技が効かなかった……?」
水裟が地獄に聞く。確かに、地獄の生き物は光に弱いはず。シャイニングブーメランほどの光にはどう考えても耐えられないはずなのだが……
その質問に冬菜が答えた。
「……暗闇の方が強い」
「は?」
水裟には全く意味が分からなかった。
「悪いな、天国。ちゃんと俺が説明するよ」
雷紋が立ち、言った。
「確かに地獄の者は光に弱い。実際、俺も明莉も光は苦手だ。そして冬菜も。だが冬菜は暗の黒暗心。目にとてつもない暗闇を持っている。つまり、お前らの……シャイニングブーメランだったか?が、冬菜の暗闇を打ち砕けなかったんだな」
「つまり、あれ以上の光を出さなきゃいけないと……」
「そういう事だ」
それでも、勝ち目はある。2人には効くのだ。そして、どうやって冬菜を倒していくかが鍵になる。難しい戦いになりそうだ……
*
矢筈は、4人に囲まれながら、戦うことになった。その遠くから、雛流がツインガンで援助する。
力の黒暗心を持つ、風定が矢筈に話しかける。
「まさか矢筈、1人で俺たちに近距離戦で勝つつもりか?」
「そうですね。難しいと思いますけど」
「難しいんじゃねぇ……無理なんだよ!」
風定は剣を高く上げ、黒色の気を剣にまとわせた。
「黒暗定紋風雷斬!」
黒い斬撃が、矢筈に向かって飛んでくる。
それを矢筈は、綺麗にかわした。
だが、そのほかの3人、小匙、菅鬼、由良も剣を構えている。
『黒暗定紋風雷斬!』
全員が一斉に斬撃を発射する。矢筈にかわす余地はない。
「電磁砲!」
そんな斬撃を、雛流の電磁砲が打ち砕いた。
矢筈は事前に、雛流のツインガンに雷を注入させていたのだ。
「ありがとうございます!」
「1人で無理しちゃダメだよ~」
雛流はニッと笑いながら言った。
「あの女厄介だな……」
風定はそう考えた。何しろ、常に出せるというわけではないが、電磁砲はあの黒暗定紋風雷斬の斬撃を打ち砕いてしまったからだ。結構威力はあるのだろう。
「おい!小匙、由良!あの女の相手をしろ!」
『了解!』
そう風定が言うと、小匙と由良は雛流の元へと行った。
近距離戦が出来ない雛流にとっては、かなりやりづらい状況となってしまった。
「雛流さ……」
「よそ見してると危ないぜ!矢筈!」
後ろには、黒暗定紋風雷斬を構えた風定がいた。
「しまっ……」
矢筈のところで、大きな爆発が起こる。
砂煙がおさまると、血を流した矢筈が倒れていた。
「矢筈く……」
「よそ見してたら危ないのはあんたも一緒だよ!」
雛流の後ろでも、由良が黒暗定紋風雷斬を構えていた。
その斬撃を雛流にぶつける。
雛流も、血を流してその場に倒れた……
次話は矢筈たちのほうをがんばりたいと思います。
P.S.
前回の予告と変わってしまって申し訳ございません。
水裟たちの戦いだけでは、少ないと思ったので……