十九. 決着
決着です。
シャイニングブーメランは、ドラゴンに向かって一直線に飛んでいく。
ドラゴンも抵抗しようとするが、苦手な光になかなか抵抗できない。
シャイニングブーメランは、ズバッとドラゴンを切り裂いた。
ドラゴンは、大きな叫び声をあげながら倒れた。
「やった……」
『やったーーー!!』
全員が大喜び!
「ったく……」
須永がやれやれといった表情でいる。
「こんなことがあるから……最近の子供はふぐもさばけないんだよ」
そう言った後、皆(八千代除いた)がクスッと笑った。
「いつの子供もふぐさばけないよ……」
面白いことをやっと言った……………………ということにしていただきたい。
こうして、ドラゴンを倒し、八千代のおかげで須永竜輝もスカウトできた。
*
翌日・学校にて……
理科の授業中、水裟は考え事をしていた。
それは、地獄からの攻撃についてだ。
須永をスカウト出来たはいいが、まだ3人足りていない。『暗』『体』『音』の3つ。この状態では地獄には勝てない。そのうえ、もうすぐ卒業式という時期。いいイベントになるものがない。3年生になってからでは、もちろん遅いし……
「おい!和月!」
でも意地でも集めないと……
「ここの問題解け!」
地獄には勝てないし……
「早く答えないと塩酸ぶっかけるぞ!」
「クエン酸です!」
危ない危ない。戦いの前に死ぬところだった。
残り2週間……どうやってスカウトするか……
そして、どうやって過ごすかが重要となってくる……
ちなみに、どうでもいいかもしれないが、理科の先生は田中先生だ。
水裟は生徒会室に行った。
「こんにちは!雛流君!」
「…………こんにちは、水裟君」
水裟は生徒会室にいる雛流の元へと行った。
「何の用?」
「あと3つの水氷心の事についてだ」
生徒会長なら、秘密の行事とかあるに違いない!
……というわけで、水裟は雛流のところにいるのだ。
「悪いけど……これから、卒業式準備なの」
「役立たず!」
水裟は生徒会室を飛び出していった。
「……何なのよ、もう」
雛流はあきれていた。
その後も水裟は色々やってみたが、全然いい情報はなかった。
「姫、何だか疲れた様子ですね」
隣には矢筈がいる。
「矢筈はそろうと思う?3つの水氷心」
「残念ながら無理ですよね……」
矢筈はそう答えた。
とても残念そうだった。
「そっか……」
「でも、戦わなきゃいけないんです。どんな状況でも、私が姫をお守りしますよ!」
矢筈は笑顔で言った。
その姿はなんだかたくましかった。
「そうだな……ありがとう矢筈!」
水裟の心も晴れた。
そうして、時は流れ、影月学園高等学校の卒業式が終わり、地獄との戦いが始まる……
次話、地獄との戦い開始です!