十六. 球技大会
少し遅れてすいませんでした。
矢筈と雛流は、笑の水氷心を持つものを探し、2-B教室に来ていた。
雛流いわく、須永竜輝という奴がおもしろいという。
「あ!あれが須永君」
「あれがですか……」
雛流が指さした先には、笑顔で皆と話している男子の姿があった。
その男子が須永竜輝だという。
「雛流さん。授業の様子とかも見ないと分からないですが……2-Bクラスの人っていないですよね?」
水裟、矢筈、八千代は2-Dクラス。雛流は2-Aクラスだ。
「そこには問題はないと思うわ。今度の球技大会とかいいんじゃないかしら?」
「球技大会ですか」
1年に1度行われる球技大会。
そこで、ユーモアさを拝見しようという。
「球技大会は……1週間後ですか」
「ええ。かなり時間の無駄になってしまうわね……」
「では、他の水氷心を持つものを探しましょう」
「うん」
「分かったか!八千代!」
「大体!」
屋上では水裟と八千代が話し合っている。
やっとこさ八千代は理解してきたようだ。
「まぁ、いいだろう。何とか理解したみたいだし、あの2人に協力するか」
「おー!」
矢筈と雛流は、その他も色々とスカウトを試みたが……
「なかなかいいところにいけないですね……」
「球技大会を待たなきゃいけないのかしら……」
なかなかうまくいってないようだ。
1ヶ月という期間はかなり短いように思える。
1週間後の球技大会まで待つとなると、残りは3週間。あきらかに間に合わない。
「少しでも仲間は多い方がいいです。今は須永竜輝君に専念しましょう」
「そうね」
そうして4人は、もったいないが普通に1週間を過ごした。
そして球技大会の日……
「さぁ!始まりました球技大会!司会の朝希雛流です!」
生徒会長としての雛流が、しっかりとした司会をしている。
競技はドッヂボールだ。
最初は2-A対2-Bだ。
雛流がいきなり須永竜輝と対決する。
「よし!やるぞ!」
『おーー!!』
2-Bは一致団結している。しかし緊張気味だ。
そこに須永が入ってくる。
「あ!そうそう。勝ったら生徒会長がキスしてくれるって」
『何だとーー!!』
野郎共のテンションが一気に上がった。
ある意味ムードメーカーなのか……
(絶対しないけど……)
心の中でそう思う雛流であった。
結局Aクラスが圧勝した。
野郎共のテンションが一気に下がった。
そこでまた須永が入ってくる。
「ま!いいじゃない負けても。生徒会長が慰めてくれるって」
『何だとーー!!』
「嘘だけど」
『須永ーーーーーーー!』
思ったよりバカの集まりのようだ。2-Bは。
しかし、須永はかなりムードを盛り上げている。
おもしろさはまだ見えないが、ムードメーカーというのに関してはぴったりだろう。
次は2-C対2-Dの対決だ。
Cクラスはかなり運動神経のいい連中が集まったクラス。
水裟たちのDクラスが勝てるはずもなく……
「決勝はAクラス対Cクラスです!」
あっけなく負けた……
だが、水裟たちにしては好都合だ。
ターゲットの須永竜輝との対決になるからだ。
そして、決勝と3位決定戦が始まる……
テストがもうすぐ始まるので、更新が遅くなります。
ご了承ください。