十五. 手紙
王からの電話により、4人はすぐさま天国へ向かった。
「王!緊急事態って何のことですか!?」
天国に着いた矢筈は王に緊急事態の事について聞いた。
「これの事じゃよ……」
そう言って出て来たのは1通の手紙だった。なにやら真っ黒で怪しすぎる封筒で、中には白い紙が入っていた。
「これは……地獄からのじゃ」
「地獄!?」
地獄といえば、水氷輪を狙っている攻撃の国だ。
「なぁ、矢筈。内容を読んでくれよ」
水裟が言う。
言われた通りに矢筈は読み出した。
『天国の諸君。こんにちは。前回は予想もしていない出来事で失敗したが、準備が整う1ヵ月後に水氷輪を奪うべく、天国に攻撃を開始する。これはそれを報告するために書いたものだ。いわゆる宣戦布告というやつだ。そのために心して準備するがいい。楽しみにしているぞ』
上の内容がそのものだ。そもそも地獄は、攻撃や防御などを重視した国であり、回復能力がとても劣っている。そのために、水氷輪を狙っているのだ。
「それでじゃ。姫、矢筈、雛流、……えっと……」
「こちらは八千代さんです」
「では八千代。お主らに頼みがある」
「頼みですか……」
「そうじゃ。1ヶ月。つまり、地獄が攻めてくるまでに天国護廷7を完成させてくれ!」
地獄に勝つには天国護廷7を完成させるしかないと、王は考えたのだろう。
皆、しっかりとうなずいた。
そして、立ってる時間さえも無駄に感じた3人(八千代を除いた)は、すぐさま地上に戻り、スカウトを始めた。
まずは矢筈が整理する。
「残っているのは、『笑』『暗』『体』『音』の4つですね」
「まずは笑がいいんじゃねぇか?いちいち説明しなくていい」
「そうね」
笑は八千代の時に聞いてるため、説明の手間が省ける。
「そうそう、天国って何?」
八千代が言う。
(((こいつがいたんだったーー!!)))
全員が心の中で思う。
結局説明係りは水裟になり、矢筈と雛流がスカウトに回った。
こちらは、スカウトの風景です。
「では、生徒会長の雛流さん。生徒のことなら大体知ってるんですね」
「ええ。大体はね」
こういうときに熱心な生徒会長は役立つものだ。
「笑はたしか、ムードメーカーで面白い人よね?」
「ええ、そうです」
「だったら、須永竜輝君がいいかもね」
「須永さん……」
「なるほど……よく分かりません!」
「神様!何でこいつをバカにしたんだ!」
「あ!そうそう水裟。これがこの話の最後の会話だよ」
「嘘だろ!」
次話も頑張ります。
明日は休みだ!(振り替え休日)