一. 水氷心を持つ者
新たな逃げ道……ははは!!
自身初の女主人公です!
ど~~ぞ~~~
私の名前は、和月水裟。普通の女子高生。普通に勉強して、普通に部活やって、普通に生活している。更に特徴を言うならば、茶色の髪の毛で、ポニーテールで、勾玉のピン止めしてて、鞄の持ち方は、肩にかけてる。リュック背負いなんていう、ヤンキーな持ち方じゃないんだ。
ともかく、普通の女子高生なのだ。
しかし、今日だけは普通じゃなかった。
何故なら……
「姫!! お迎えに参りました!!」
「……は?」
「は?じゃありませんよ~。さぁ、天国に帰りましょう!」
「あの……人違いですよ。それに、私死んでません」
「へ? でも、その腕輪……」
「これ、ミサンガです。水と氷をイメージして作ったんですけど……」
「そんな説明は、どうでも良いのです。さぁ! 姫!」
「あの~……帰ってください」
「ぐは~~~~ん」
しばらく沈黙が続く…………
「……なるほど……つまり先日、天国の姫が家出して、この町を探してたと」
「うんうん」
「それで、私を姫と錯覚した」
「うんうん。納得いったようですね! 姫!!」
「いってねーー!!」
必殺ちゃぶ台返し発動!!
「だから……私は姫じゃねぇって言ってるでしょーーがーー!! 普通の女子高生!!」
「しかし……やはりその腕輪……」
「これは、ミサンガ!!」
「水氷輪に……そっくりなんです」
「水氷輪?」
「説明しましょう。水氷輪とは、姫が身に……」
こいつに言わせると面倒くさくなるので、夜桜が説明いたします。
水氷輪とは、いつも姫が身につけている腕輪。
この腕輪には、特殊な能力があるらしい。
それは、この男も知らないという。
「……というわけです」
「へぇ~~~……って、何聞き入っちゃってるんだろ、私!」
「噂では、医療や回復などに使われるとか」
プルルルル……
「お~い、電話なってるよ」
「おっと、失礼」
男は、受話器らしき物を取り出し、話しかけていた。
「何!? 姫が見つかった!?」
「だから言ったじゃん。私じゃないって」
「分かった……すぐ帰る。……失礼しましたっ!!!」
そう言って、男は帰っていった。
水裟は、ほっぺをつねってみた。
(……痛い……いや、もしかしたらリアルな夢かもしれない! 凄いな~今の技術は……)
しぶしぶベッドに寝転んだ。
~その頃天国~
「姫!! しっかりしてください!! 姫!!」
天国では、事件が起こっていた。
姫が重病にかかっていたのだ。
「……やはり、地上の空気がまずかったのだな……全く、体が弱いのに……」
王も頭を抱えている。
「そうだ、王!! 水氷輪を使えば……」
「あれは、特殊な者にしか使えん」
「その特殊の条件は……」
「和の水氷心を持つ女だ。地上の日本にしかない心だ」
「……探してきます。和の水氷心を持つ女性を」
「頼んだぞ……矢筈……」
~地上・日本~
矢筈とは、まぎれもない、さっきの男だった。
(あの、ミサンガとやらを持っていた女子だ……あの者は持っている!!和の水氷心)
~水裟の家~
「……で、今回は何の用?」
「頼む……天国に来てくれ……」
「だから私は……」
「姫が死にそうなんです!!!」
「!?」
「お願いです……その髪、その勾玉のピン止め、その……青と水色の物を身につけている……持っているんだ!! 和の水氷心を!!」
「……大事な人なの?」
「はい……とっても」
しかたない表情を浮かべて、水裟は言った。
「分かった……行くよ天国に」
「本当ですか!?」
「ただし! 1回だけね」
「ありがとうございます……」
二人は、天国へと向かった。
~天国~
「つれてきました。王様」
「その者……姫と瓜二つじゃないか……」
本当にそっくりだった。目、髪、身長、ピン止め、何もかもが。
「お主……これをはめておくれ……」
王が水氷輪を渡した。
「これをはめて、手を姫の方にかざしてくれ」
水裟は姫に手をかざした。
すると、姫が青と水色のベールで包まれた。
顔色がだんだん良くなっていく。
しばらくベールに包まれると、姫が目を開けた。
「姫……」
「やったーー!!」
「目を覚ましたぞーー!!」
周りは、大喜びだ。
矢筈が水裟の方に来て言った。
「……本当にありがとう…………えっと……」
「和月水裟……」
「ありがとう、水裟……申し遅れたが私は、風丸矢筈だ」
「つーわけで、帰るからね」
「ああ……ありがとう……」
水氷輪を外し、送ってもらおうとしたその時!!
「待たれい!!」
王が呼び止めた。
「何ですか?」
「その水氷輪……お前に渡そう。」
「は!?」
「貴様は、次期天国の姫に任命する!!」
水裟は、ほっぺをつねってみた。
(痛い……リアルだな~~……)
というのも通用せず……
果たして、水裟は天国の姫となっちゃうのか……
よければ次話も読んでください。
1/8 追記
何やらバグか何かが発生し、うまく改稿が出来ていません。
読みにくいかもしれませんがよろしくお願いします。