困った弟ね…… by 美代
なんか思ったより早く出来たので投稿します。
何かあれば報告お願いします。
徹夜は、辛かった……
〜秀明視点〜
「37,4度……」
まずいな……。
今日、俺が朝ご飯の当番なのに……。
頭も痛いし、寒気も酷い。
視界が歪んでいる。
あー、何か幻覚らしきものがあああああああ……。
駄目だ駄目だ、俺。
ちゃんとあいつらの飯を作らないと……。
俺は頭を押さえながら、台所へと向かった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
〜智花視点〜
「おはよー……、お兄ちゃん」
お兄ちゃんを手伝いをするため、早起きした私。
今日こそ、玉子焼きを上手に作りたい。
エプロンを着込み、私は台所に向かう。
そこにはお兄ちゃんがいた。
空っぽの鍋を大根でかき混ぜながら、「明後日の朝ご飯はスタミナ丼にしよう」と呟いていた。
「お兄ちゃん!? どうしたの!?」
ついにおかしくなっちゃった!!
私は異常行動するお兄ちゃんの腕を掴み揺らした。
「お兄ちゃん!? しっかりして!!」
「うぉー、俺はしっかりしてるぞー」
その言葉ほど信用ならない言葉はないと思う!!
「いや、お兄ちゃん絶対に熱あるでしょ!!」
「知らん知らん。俺は元気だ!! ほら、お前は食器でもそっちに運んでくれ」
そう言い、私に下着を渡した。
「って、それ私の下着!!」
「あ、あれ?」
兄、秀明はついに犯罪者になりました。
「お兄ちゃんのバカ!!」
私はそう叫び、お兄ちゃん、いや、犯罪者の下から去った。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
〜秀明視点〜
「あれ……? 俺は今まで何を……」
「どないした? 秀明くん? さっき智花ちゃんが泣きながら出ていったけど」
「いや、特に何も……」
生返事なような気がするが、まあ、どうでもいい。
「ならいいけど……。今日は仕事早く行かないとだから簡単な奴でお願い」
「ああ、分かった」
俺は包丁を手に取り、朝飯を作り始めた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
〜美代視点〜
やっぱり、おかしい。
秀明くんはいつも美味しい料理を作ってくれるけど、今日は違った。
得体の知れない、そう「フルーツ&ベジタブルポンチ」と同等以上の料理が出てきた。
智花ちゃんも、秀明くんを心配そうに見つめている。
すると、秀明くんは、
「I want to feel OPPAI……」
…………通報しよ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
〜智花視点〜
お兄ちゃんの様子、やっぱりおかしいと思う。
「俺は変態レンジャー、腹黒ピンク!!」とか言ってたし……。
絶対、風邪ひいてるよ……。
「俺、また罪深い名言を思いついたぜ……」
最早、変態の戯言だと思う今日この頃。
「黒い白馬にまたがって、前へ前へとバックした」
ついには狂ってしまった……。
もう、どうしようもない……。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
〜秀明視点〜
なんか色々と社会的にマズいことを言ってた気がする。
みんなが食べ終わって、皿を片づけようとした時。
「お兄ちゃん、熱計ろうか」
おもむろに懐から体温計を取り出す智花。
「そうだね、なんか熱っぽいし」
後ろから羽交い締めにしてきた美代ねぇ。
あー、胸が当たって何だか気持ちいい……。
着ていた服を無理やり脱がされ脇に体温計を突っ込む智花。
あー、妹に服を脱がされた……。
姉に後ろから抱きしめられ、妹に犯されそうになる俺。
これなんてエロゲ?
ピピッ。
「…………37,9度」
智花がそう言った。
あ、しまった……。
すると、美代ねぇが俺の肩に手を置く。
「ちょっと部屋に行こうか」
美代ねぇに無理やり部屋に連れて行かれそうになったので、俺はよけた。
「「「あ」」」
俺たちが同時に発言した。
どうやら俺はバランスを崩したみたいだ。
そのまま眠るように意識が無くなった。
あーあ、熱あることバレちゃった……。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
〜美代視点〜
「んん……?」
秀明くんはうめきながら体を起こした。
「起きた?」
「ああ……。そうだ、学校……」
ベッドから抜け出そうとした秀明くんを制止する。
「だーめ、ちゃんと寝ないと」
「でも……」
困惑した表情を浮かべる秀明くん。
「熱があるんだからしっかり寝る」
「うぅ……」
渋々布団に潜り込んだ。
「お粥持ってくるから、ちょっと待ってて」
あたしはそう言い残し、部屋を出た。
三十分後。
「できたよー」
「…………これ、マジで食べ物?」
「ひどっ!! 秀明くんのために作ったのに……」
「ああっ、悪い悪い!!」
「じゃあ、食べてみて」
「あ、ああ……」
それでもなかなか食べようとしない秀明くん。
「じゃあ、あたしが食べさせてあげるから」
「え」
ちょっと恥ずかしそうに目をそらされた。
「ほら、あーん」
「…………」
秀明くんが口を開ける。
「どう? おいしいかな?」
「……………………」
あ、あれ? 返事がない。
…………味見してみよ。
パクリ。
「…………」
ゴメン、秀明くん。
お気持ち、お察しします。
あたしたち姉弟は意識を失った。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
〜秀明視点〜
気付くと、美代ねぇが俺の体を拭いていた。
どうやら寝汗が酷かったようだ。
何かとんでもない料理を永遠に食わされる夢を見た。
夢で良かった……。
あれ、夢じゃなかったような……?
まあ、いいか。
「なあ、美代ねぇ。大学行かなくていいのか? バイトも入ってるだろ?」
俺は汗を吹いてくれている美代ねぇに話しかけた。
「ん、今日は休んだ」
「単位とか大丈夫なのか?」
「まあ、大丈夫。友達に代理任せてるから」
「そうか」
会話はそこで終了。
なんだろう、この微妙に気まずい雰囲気は……?
すると、空気を察したのか、美代ねぇが口を開いた。
「熱あるならちゃんと言ってよ」
「ゴメン」
「素直でよろしい」
「……でも、心配かけたくなかったし……」
「隠し事をされる方が心配するよ」
「うっ」
確かに、そうかもしれない。
「ねえ、何のためにあたしたちがいると思う?」
「?」
「支え合うためにいるんだよ。だって家族でしょ?」
「…………そうだな」
「でしょ?」
俺は思わず笑顔になった。
美代ねぇもつられて笑った。
何だか今日は幸せだな。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
〜智花視点〜
「お兄ちゃん、大丈夫かな?」
帰り道、自然と足が速く動いた。
「あのー」
若い女の人の声がした。
「はい、何でしょう?」
とても小さな女の子だった。
外人とのハーフなのか、日本人の顔立ちに金髪碧眼の要素を加えたみたいだ。
「ここの近くに引っ越してきたんですけど、道に迷ってしまって……」
困惑気味に辺りを見渡し、照れくさそうに笑った。
「あ、だったら案内しますよ」
「本当ですか、ありがとうございます!!」
その少女はペコリと一礼した。
まるで、日本人みたいに。
「どの辺りに引っ越したんですか?」
「えーと、近くに駄菓子屋さんがあって……、猫がたくさんいました」
「あ、私知ってます。その近くに住んでます」
「奇遇ですね」
そんなやりとりをしながら、私たちは家に着いた。
そのハーフの子は、すぐ隣の家に入っていった。
「まさかお隣さんだったとは……」
「アンネもびっくりです」
名前はアンネリーゼ・長塚。
アンネ、と自分のことを呼んでるらしい。
「また今度、挨拶しに伺うので、その時にまた」
「はい、分かりました」
そう言い、アンネリーゼさんは帰って行った。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
〜秀明視点〜
美代ねぇの看護のおかげで大分元気になった。
美代ねぇは疲れたのか、腕枕をして眠っている。
さっき智花の声がしたからもう帰ってきたのだろう。
俺は、夕ご飯を作るため、キッチンに向かった。
夕ご飯の時、智花が心配そうに見つめてきたので、頭を撫でて、「もう大丈夫だよ」と言ったら、「よかった……」と安堵の表情を浮かべてくれた。
これからは、心配かけないようにしないとな…………。
三人で夕ご飯を食べながら、ふとそんなことを思った。
キャラ追加
アンネリーゼ・長塚
小学6年生 一人称「アンネ」
次はもう少し遅くなるかも知れません。




