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青の音  作者: 新浜李恋
1/3

<1> 前奏曲

大好きな楽器が、腕の中で輝いている。


その輝きは、私たちの夢の色、ずっと目指してきた色。


今まで、つらいこともたくさんあった。

いや、つらいことの方が多かった。


それでも、今日までがむしゃらに走ってきたことに悔いはない。


やるべきことは、全てやった。あとは、この想いを、音にのせて響かせるだけだ。


あのときと同じ、あのステージで。



銀色の扉がガチャッと開き、歩きだす。

一歩、また一歩と、あの場所へと近づいていく。


あの日と同じ景色が、目に飛び込んできた。

熱いライトを浴びて、堂々と胸を張る。


あぁ、好きだなあ。

この瞬間のために、全てを懸けてきた。


周りを見ると、共に走ってきた仲間の、いつもとはちょっと違う顔。

でも、練習のときと同じ並びと、同じ顔ぶれに、こんなにも安心するのは、なぜなんだろう。


1年前の私たちは、こんなことになるなんて、想像もしていなかった。


今までたくさん泣いて、たくさん笑って、たくさん喧嘩した。


だからこそ、いや、私たちだけにしか、出せない音がある。私たちだけにしか、生み出せない音楽がある。


先生が、いつも通りの笑みを浮かべ、指揮棒を掲げた。

あの指揮棒が振られた瞬間から、私たちの勝負の10分間が始まる。


たったの10分間で、全てが決まり、そして同時に、全てが終わりを告げる。

むなしく、やるせないほどに儚い。

そして、美しく、愛おしい。


指揮棒と同時に、全員が息を吸う。

全員の呼吸が、ひとつになる。


1年前の私たちは想像もしていなかった未来。


私たちは今、そこにいる。

こんにちは!

新浜李恋です。

この度は、「青の音」を見つけていただき、ありがとうございます!

次話から、本格的にストーリーがスタートします。

これからも、どうぞよろしくお願いいたします!

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