成功の犠牲と代償
昔々、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました。
2人は研究者で、二足歩行型のロボットを作っていました。
しかし、研究はなかなか上手くいかず、失敗作はすべて無人島に廃棄していました。
その後、お爺さんとお婆さんは100体目にしてようやく満足の行くロボットを完成させました。
2人がそのロボットを「100-TARO」と名付け、喜んでいた頃、無人島に廃棄していた失敗作のロボットたちは近くの村を襲うようになっていました。
村人たちは、襲ってくるロボットの正体が分からないので、ロボットたちのことを「鬼」、ロボットたちがやって来てそして帰っていく島を「鬼ヶ島」と呼び、恐れていました。
この状況が長引くと、村を襲っているロボットたちが自分たちが作ったものだと気付かれてしまう。そう思ったお爺さんとお婆さんは、100-TAROに失敗作のロボットたちを退治するよう命令しました。
命令を受けた100-TAROは、お爺さんとお婆さんが作った3体のお供ユニットと共に鬼ヶ島と呼ばれる無人島に出撃し、失敗作のロボットたちを全て破壊して回りました。
お爺さんとお婆さんは、鬼たちを退治したことを村人たちから感謝されましたが、今度は100-TAROが反逆を起こすのではないかと不安に思い、2人は話し合いの末、彼の電源を落としました。
それ以来、100-TAROは電源を入れられることは無く、倉庫の中でひっそりと永遠のときを過ごすのでした。