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85 【想像創造】レベル10

Mノベルズ様より、書籍発売中です。


ねぇねとおにぃの2人だけで『簡易エリクサー』の内職をはじめたり、ビーちゃん様の魔法の使い方がわかったり、ローラおねえちゃんのお店で【プリン】を美味しくいただいたりと、なにかとあわただしかった日の翌日。

今日はハンターギルドにいろいろなモノを納品をする日です。

いつものように炊き込みご飯でおいしくささっと朝食を済ませたら、ハンターギルドの受付に、ワタシたちの専属、アイリーンさんを訪ねます。


「「「おはようございま~す」」」


アイリーン「『シュッセ』のみんな、おはよう」

アイリーン「今日は朝からハンターギルドへの納品ということでいいのかしら?」


「は~い。それでお願いしま~す」


アイリーン「それじゃ、早速ご案内しますね?」


そうして連れてこられたのは、いつもの2階の会議室ではなく、ハンターギルドの地下のだだっ広い倉庫のような場所でした。


「うわぁ~、ここ広いね~」


ねぇね「そうだね~」


アイリーン「この倉庫は非常時の避難場所にもなっていて、千人以上収容可能な広さなのよ?」


おにぃ「千人? スゲェ~」


「へぇ~」


そんなお話をしていたら、マスターさんと購買部のハンナさんがやってきました。


ハンナ「おはよぅさん」


マスター「よぉ! 待たせたか?」


アイリーン「いいえ大丈夫。私たちも今来たところよ」


(ゴメン待った? ううん、今来たところ~)

(なんだか前世の待ち合わせカップルのセリフみたいだね~)


そんな『オヤクソク』じみたやり取りを、おチビならではの下から目線で仰ぎ見ながら、ワタシは納品内容の確認をしておくことにします。


「えっとね? 今日の納品は、前回納品したモノといっしょでいいの?」


アイリーン「ん? そうね。【干し肉】、【小袋の蜜】、【ホケミ】粉、それからなんだけど、できればもう少し落ち着いたデザインの【筆記用具】をお願いできるかしら」


【想像創造】スキルもレベルアップして、一度に創り出せる量も増えたワタシは、そのあたりも確認しておきます。


「それとね? 納品の数を前より増やせるようになったの」


ハンナ「へぇー、そうなのかい? それならできるだけ多く納品してもらえると、こちらとしてはいろいろとありがたいよ」


「わかりました~」


ということで、早速納品物を一気に【想像創造】しちゃいます。



【本格熟成ビーフジャーキー 30g 120個セット 粒胡椒 和風ダレにんにく風味 99,800円】×9 898,200円(合計1,080個)



【給食用小袋ジャム 業務用セット いちごジャム オレンジマーマレード ブルーベリージャム りんごジャム チョコレートスプレッド ピーナッツクリーム つぶあん はちみつ メープルゼリー レーズンクリーム 15g×1200袋 32,400円】×27 874,800円(合計32,400袋)



【ふんわりパンケーキミックス 170g 小麦粉、砂糖、米でん粉、ホエイパウダー(乳成分を含む)、食塩、ベーキングパウダー等 368円】×2,445個 899,760円



【筆記用具セット 女の子用(たれ耳眠たげワンコのキャラ絵付き)筆箱、A4自由ノート、2B鉛筆1本、シャープペンシル1本、HBシャープペンシル替え芯、消しゴム、カラーマーカー6色、付箋 659円】×1,000 659,000円



【ビーフジャーキー】は、ワタシたちのお食事用に80個確保して、1,000個納品します。

【小袋ジャム】は、ワタシたちのおやつ用に全種類40袋、合計400袋確保して、32,000袋納品します。

【ホケミ】さんは全部納品です。

はじめて創り出す【筆記用具セット】は、とりあえず1,000セット出してみました。


(今回の【筆記用具セット】は、有名なワンちゃんのキャラものになっちゃった!)

(今までの【文房具セット】のクマさんとネコちゃんよりはおとなしめだから、アイリーンさんのご要望にお応えできたよね?)


どうやらおチビちゃん的には、スリーピーなたれ耳ワンちゃんは『落ち着いたデザイン』扱いのようです。


「アイリーンさん、この【筆記用具セット】カワイイでしょ? これならオトナっぽいと思うの」


アイリーン「え? えっと、ま、まあ、大丈夫でしょう。たぶん・・・」


ハンナ「おやおや、いいじゃないかい。可愛らしくて愛嬌があって、私はいいと思うけどね?」


アイリーンさんはちょっと言葉を濁してしまいましたが、購買部のハンナおばさんからは受け入れられたみたいです。

そんな『注文どおりの』納品の後は、報酬の精算です。


マスター「単価は前回と同じ、干し肉は1袋30リル、小袋入りの蜜は1袋15リルでよろしく頼むぜ」


ハンナ「【ホケミ】粉も前回と同じ、1袋10リルでお願いよ」


アイリーン「【筆記用具セット】は前回とは内容が変わってますが、予算的な問題で、お値段は前回と同じ1セット200リルでお願いしたいの」


ということで、【ビーフジャーキー】で30,000リル、【小袋ジャム】で480,000リル、【ホケミ】さん24,450リル、【筆記用具セット】で200,000リル、合計734,450リル。

日本円で大体、88,134,000~102,823,000円、そんな感じでしょう。


(うわぁ~、おおよそ1億円前後? またすごいお金が・・・)


またも大金をゲットしてしまって、ちょっと引き気味のワタシ。

そこに追い打ちをかけるかのように、アイリーンさんが言葉を続けます。


アイリーン「それでなんだけど、以前特別に3台用立ててもらった【カメラ】の代金ですけど――」


「あ~わぁ~、あの【カメラ】は納品じゃないから、お金はいらないで~す!」

「お試しで使ってもらっているだけだから、ただでいいで~す!」 ヾ(〃>_<;〃)ノ


これ以上はノーサンキューとばかりに、ちんまりとした両手をめいっぱいフリフリして、お金の追加は断固拒否なワタシなのでした。

その後、今回の納品の報酬はいつもどおりチームと個人で4等分して預入、個人3人分は投資に回してもらうことにしました。

端数を調整してもらい、チーム『シュッセ』の預入金は305,629リル。

ワタシとねぇねとおにぃ個人3人は、各々305,627リル(全額投資)です。

そんな感じでお金のお話が終わったところで、マスターさんが思い出したかのようにお話をはじめました。


マスター「そういやぁ投資で思い出したんだがよ、『ユービン』の業務を明日から始めることに決まったぞ?」

マスター「まぁ今のところは、ハンターギルドに配達依頼で来たヤツを『ユービン』の受付に誘導するだけなんだがな」


そんなお知らせを聞いたワタシは、前から考えていたプラン、誰が見ても郵便屋さんだと一目でわかるようにするため、【想像創造】でお揃いのアイテムをご用意しちゃいます。



【大人用スポーツヘルメット(軽量ソフトシェルモデル) バイザー付き フリーサイズ(アジャスター機能) 赤 3,890円】×100個 389,000円



前世的に例えると、ちょっとエイリアンっぽいデザインの、軽くて通気性の良い自転車用ヘルメットです。


(この町のひとに、真っ赤な【ヘルメット】をかぶった『赤ヘル』さんは、郵便屋さんだと覚えてもらいたいな~)


そう思いつつ、マスターさんに事情説明です。


マスター「うぉ、何だこりゃ? 赤くてへんてこりんだな」


「マスターさん、これはね? 【ヘルメット】と言ってね、頭を守る帽子なの」

「お仕事で一日中自転車に乗っていると、事故にあうかもしれないでしょ?」

「だからね、郵便配達のひとには、これをかぶってほしいの」


マスター「ほぉ~、頭を守る帽子か~。なるほどなぁ~」

マスター「軽くて邪魔にならねぇだろうし、『ユービン』の全員にかぶらせるか」

マスター「全員同じものをかぶって走り回ってりゃ、町の連中へのいい宣伝になるかもだしな」


「そうなのそうなの! 郵便屋さんは『赤ヘル』さんなの!」

「町のひとたちに、そう覚えてほしいの!」


マスター「赤い【ヘルメット】で『赤ヘル』か? はっはっは、なかなか語呂がいいじゃねぇか」

マスター「『ユービン』と言ったら『赤ヘル』、そんな感じにもっていくんだな?」


「うん!」


マスターさんにも統一アイテムを用意した意図がご理解いただけて、大変満足なワタシなのでした。

こうして地下倉庫での納品が終わったので、続けて【三輪自転車】と【リアカー】の追加納品も済ませてしまいます。

アイリーンさんとマスターさんを引き連れて、場所を裏庭の広場へ変えて、早速【想像創造】です。



【オトナの三輪車 マウンテントライク24インチ 7スピードギア リアショッピングバスケット付き 赤色 43,900円】×20 878,000円


【オトナの三輪車 マウンテントライク24インチ 7スピードギア リアショッピングバスケット付き 青色 43,900円】×20 878,000円


【オトナの三輪車 マウンテントライク24インチ 7スピードギア リアショッピングバスケット付き 黄色 43,900円】×20 878,000円


【アルミ製折り畳みリアカー ノーパンクタイヤ仕様 全長240×全幅116×全高81cm 質量40kg 耐荷重350kg 89,800円】×10 898,000円



今回の納品で、【三輪自転車】は、赤色、青色、黄色の各々合計66台ずつになりました。

【リアカー】は、合計32台になりました。

今日は9回【想像創造】したので、これで本日は打ち止め。

そう思った矢先、いつものステータス画面が目の前に現れました。



 名前:アミ

 種族:人族

 性別:女

 年齢:5歳

 状態:発育不良 痩せすぎ


 魔法:【なし】

 スキル:【想像創造】レベル10(10回/日 または、10倍1回/日)



いつものように、スキルのレベルアップをお知らせしてくれたみたいです。

でも、スキルの欄が、いつもとちょっと違います。


(やった! 【想像創造】がレベル10になって、これで1日10回使えるようになった~!)

(ってあれ? レベル10の後ろに『または、10倍1回/日』って書いてあるよ?)

(これって新機能? もしかして、1日10回【想像創造】するか、1回で10倍のモノを【想像創造】するか、とちらか選べるということなのかな?)

(う~ん。『10倍1回/日』って、とっても気になる~)


とりあえず、今日はあと1回、追加で【想像創造】できるはずです。

明日は【ジョシュア雑貨店】へのいつもの納品があるので、今日のうちにその納品物を【想像創造】しておいて、早速明日、1回で10倍の【想像創造】を試してみたいと思うワタシなのでした。


(ワタシの予想どおりなら、もしかすると、すっごくお高いモノを創り出せちゃうかも!?) o(> <)o


Mノベルズ様より、書籍発売中です。

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