78 カフェの報告と三輪自転車とリアカーの追加納品
Mノベルズ様より、書籍発売中です。
アイリーン「ハンターギルドからは以上ですけど・・・みんな大丈夫?」
おにぃ「え?」
ねぇね「へ?」
「ほぇ?」 (@_@)
会議室に入るや否や、のっけから驚きの報告を食らってしまったワタシたち3人。
想像もつかない大きな桁のお金がもらえると言われて、軽くパニック、そして放心状態に移行です。
もらえる金額を想像しようとしても、まるで頭の周りにトリさんがピヨピヨグルグルしているみたいで、頭がクラクラしちゃいます。
そんなこんなでちょっと時間をあけて、なんとか気を取り戻したワタシたち3人。
どうにか意識を復活させたおにぃがアイリーンさんにローラおねえちゃんのお店での報告をはじめました。
おにぃ「えっとすいません。前に【ホケミ】って粉の時にここに来たローラさんって覚えてますか?」
アイリーン「ええ、おチビちゃんが営業をかけて連れて来たガレット店の女性ですよね?」
おにぃ「そうです。今朝、そのローラさんのお店に行ってきたんですけど、そこでおチビがいろいろモノを出しまして・・・」
「えっとね? クッキーをかわいく作る型抜きと、ローラおねえちゃんのお店にイートインスペースをご用意したんだ~」
アイリーン「イートインスペース?」
「お店の奥をオシャレで『ナウい』カフェにしてみたの」
アイリーン「『ナウい』? カフェ?」
おにぃ「え~っと、とりあえず、これを見てください。言葉だと伝わらないかもと思って、現場を『シャッシン』してきました」
アイリーン「あら『シャッシン』してくれたの? それはありがたいわ~」
アイリーン「おチビちゃんのお話だけでは、何のことやらさっぱりだもの」
アイリーン「以前の【マダムメアリーの薬店】の時は、理解するだけでテンテコマイだったしね?」
おにぃ「そ、そう言ってもらえると、『シャッシン』してきたかいがあります」 (//∀//)
そう言って、ちょっと照れ気味にアイリーンさんに写真を手渡すおにぃ。
写真を受け取ったアイリーンさんは、早速検分をはじめました。
アイリーン「・・・ふむふむ。この器具を使って、動物とお花の柄のクッキーができるのね」
アイリーン「・・・へぇー、明るい色彩のステキな応接セットね」
アイリーン「・・・ほぅほぅ。そこに座って飲食するのね」
アイリーン「なるほど。これが『ナウい』カフェということなのね? 大体分かりました」
アイリーン「今回は特に大ごとになりそうにないわね」
写真を見たアイリーンさんに一通りご納得いただけたところで、ワタシは今回も営業活動をしてきたことをアピールすることにします。
「アイリーンさん、あのね? 今回もワタシ、営業活動してきたの」
「ワタシたちがいつも飲んでる野草のお茶をローラおねえちゃんにも飲んでもらったの」
「そしたらね、ローラおねえちゃんに気に入ってもらえたの」
「だからね、今度ハンターギルドに野草のお茶の採取依頼が来るかもしれないよ?」
アイリーン「あら、今度は採取依頼の営業をしてくれたの? おチビちゃん、偉いわね~」
「ワタシえらい? えへへぇ~」 (〃^∀^〃)
褒められて嬉しくなったワタシは、ポシェットから大きな葉っぱに包まれた、いろいろなお花の形をしたクッキーを取り出します。
「それとね、ローラおねえちゃんがおみやげに【ホケミ】さんで作ったクッキーをたくさんくれたの」
「だから、はいどうぞ? アイリーンさんも食べてみてくださいな?」
営業活動を褒めてくれたアイリーンさんにも、クッキーのおすそ分けです。
アイリーン「あら、今日はおみやげも持ってきてくれたの?」
アイリーン「へぇー、可愛らしい形のクッキーなのね? なんだか食べるのがもったいない気がするわ」
アイリーン「でも甘い香りがして美味しそうだから、遠慮なくいただくわね」
サクッ、サクサクッ
アイリーン「あら美味しっ」
アイリーン「さっくり軽い食感で、そして程よい甘さで、ついつい手が伸びてしまうわね」
アイリーン「これが【ホケミ】で出来ているのね? これは予想以上にいいモノだわ~」
「でしょでしょ? 【ホケミ】さんはパンケーキにもなるし、万能なの」
アイリーン「パンケーキ?」
おにぃ「あっえっと、それはこの『シャッシン』でおチビたちが食べているヤツです」
「パンケーキはふっくらふんわり、甘くておいしいお食事なんだ~」
アイリーン「へぇー、それは今ココにないの?」
おにぃ「すいません。さすがにそれは・・・」
「パンケーキは焼きたてのアツアツがおいしいから、アイリーンさんもローラおねえちゃんのお店で食べてみてね?」
アイリーン「そうね、そうよね? 今度行ってみるわ」
「場所はね? 前にアイリーンさんが教えてくれた、意地悪なお菓子屋さんの大通りを挟んだお向かいさんだよ?」
アイリーン「あ~、あの【セオドア菓子店】のとこね? りょーかい」
「【三輪自転車】で行けば、すぐだよ?」
アイリーン「ん~【三輪自転車】か~。町中で走るには、もう少し練習してからじゃないと、私ちょっと怖いのよね~」
そんなこんなで報告会はなにごともなく無事終了。
そしてその後は、【三輪自転車】と【リアカー】の追加納品のために、ハンターギルドの裏庭の広場に移動です。
今回の納品も、ワタシたちの専属であるアイリーンさんが立ち会ってくれることになりました。
(【三輪自転車】はビーちゃん様が最初に注目してくれたんだもん)
(ビーちゃん様のためにも、早く【三輪自転車】を普及させて、町中に便利さをアピールしちゃうぞ~)
(そして間接的だけど、ビーちゃん様の悪口を言ったひとたちを見返してやるんだ~)
(よ~っし、一気に【想像創造】開始~!)
【オトナの三輪車 マウンテントライク24インチ 7スピードギア リアショッピングバスケット付き 赤色 43,900円】×15 658,500円
【オトナの三輪車 マウンテントライク24インチ 7スピードギア リアショッピングバスケット付き 青色 43,900円】×15 658,500円
【オトナの三輪車 マウンテントライク24インチ 7スピードギア リアショッピングバスケット付き 黄色 43,900円】×15 658,500円
連続3回の【想像創造】で、色違いの【三輪自転車】を各々15台ずつ、一気に創り出しちゃいました。
続いて本日6回目の【想像創造】で、【リアカー】も納品です。
【アルミ製折り畳みリアカー ノーパンクタイヤ仕様 全長240×全幅116×全高81cm 質量40kg 耐荷重350kg 89,800円】×7 628,600円
今日の追加納品で、【三輪自転車】は、赤色、青色、黄色の各々合計28台ずつになりました。
【リアカー】は、合計14台になりました。
ここで今更ながら、ふと疑問に思ったことをアイリーンさんに聞いてみます。
「ねぇアイリーンさん、【三輪自転車】と【リアカー】は、全部で何台必要なの?」
アイリーン「うん? そうね~、とりあえず3色100台ずつかしら」
「赤色、青色、黄色、みんな100台ずつで、合計で【三輪自転車】300台ってこと?」
アイリーン「ええ。それだけあれば、十分足りるでしょう」
納品完了までは、まだまだ先は長そうです。
ついでに以前お話しておいたことも確認してみます。
「あのね? 【三輪自転車】の練習とか、交通ルールのお話は大丈夫?」
アイリーン「ルールは基本的に馬車と同じ扱いということになったから、特に問題ないと思うわ」
アイリーン「問題があるとすれば、練習の方でしょうね」
アイリーン「ただ乗れるようになっただけで、いきなり町中を走るのは、ちょっと不安ですもの」
アイリーン「私自身、今のまま【三輪自転車】で町中に出るとなると、ちょっと怖いというか、心もとないもの」
そんなお話を聞いたワタシは、ピカッとひらめいちゃいました。
「それなら教習コースを作っちゃおうよ!」
「この裏庭の広場に本格的な教習コースを作って、そこでいっぱい走って【三輪自転車】に慣れればいいんだよ~」
アイリーン「教習コース?」
アイリーン「よく分からないけど、実際に町を走る前に、ちゃんとした場所でしっかり練習できるのなら、それはありがたいわね」
ということで、【三輪自転車】の町中への普及のため、早速行動開始です!
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