75 美味しくなったお菓子屋さん
Mノベルズ様より、書籍発売中です。
おめかしして、ジョシュアさん&ジェーンさんといっしょに記念撮影をした翌日。
今日は朝から朝食もとらずに、町にお出かけしているワタシたち3人です。
その目的はズバリ、ローラおねえちゃんのお店の様子を覗きに行くという大義名分のもと、たまには甘いモノで朝食をいただいてしまおうというワタシの大いなる野望を実現するためだったりします。
(今朝はふんわりふっくら甘~いパンケーキで、優雅に朝食をいただいちゃうので~す!) y(^ー^)y
ちなみにワタシたち3人のお洋服は昨日と同じで、ねぇねがセーラー服、おにぃが学ラン、そしてワタシが幼女フォーマルです。
その理由は、昨日ハンターギルドをお暇するタイミングで、
アイリーン「それにしても、3人ともよく似合っているわ~」
アイリーン「目の保養になるから、これからもずっとカワイイ衣装を着ていてね?」
ねぇね「これカワイイですか? おチビちゃんが用意してくれたこのお洋服、私も気に入ってるのでうれしいです!」
こんな感じのやり取りがあったからです。
ねぇねが嬉しそうにはしゃいでいたのですよ? ねぇね大好きなワタシとしては、もちろんその望みは叶えるべきでしょう。
ということで、今日もおめかししたワタシたちは、お揃いの柄のバッグにいろいろ詰め込んで、いざ、ローラおねえちゃんのお店を目指したのです。
そして3人仲良く手をつないで、町中を歩くこと15分ほど、やってきました【ガレットのお店 ローラ】。
材料の質の問題で、以前はボソボソしてちょっと苦みがあるガレットを作っていた、ローラおねえちゃんのお店です。
「おはよ~ございま~す!」
「「ごめんくださ~い」」
ローラ「ごめんなさーい。まだ開店前の準備中・・・って、あっ! おチビちゃんたちじゃない!」
ローラ「先日はありがとう! あの【ホケミ】粉、とっても助かってるわ!」
ローラ「アレのおかけで、やっと思い通りのお菓子を作れるようになったの!」
ローラ「仕入れられる量も申し分ないし、嬉しい限りだわ~」
ローラ「それでこんなに朝早くどうしたの? もしかして、ウチのお菓子を食べに来てくれた?」
「そうで~す。ワタシたちの朝食を作ってくださいな?」
ローラ「え? 朝食? あの、これでも一応、ウチのお店、お菓子屋さんなんですけど・・・」
「えっとね? 【ホケミ】さんを使えば、いろいろな食べ物を作れるの。厚くふっくらと焼き上げれば、お食事にもなんだよ?」
ローラ「【ホケミ】粉でいろいろ作れるのは分かるわよ? 今もちょうどクッキーを作ってるところだしね」
「え! クッキー作ってるの!? あの、ワタシたちもお手伝いしていいですか?」
ローラ「もちろんいいわよ! おチビちゃんのことだから、また何か良い提案とかしてくれるんでしょ?」
「そうで~す!」
ということで、ローラおねえちゃんのお店に到着早々、ちゃっかりお店の厨房に潜入成功です。
ローラ「これがしばらく寝かせておいたクッキー用の生地よ。今から小さく切り分けして、オーブンで焼き上げるところなの」
「それじゃ、これを使って生地を型抜きしてもいい?」
そう言って、今日1回目の【想像創造】したモノは、
【クッキー型カッター 20種類セット クマ ゾウ ライオン カバ パンダ ウシ 柴犬 ウサギ ネコ ネズミ 花型10種 3,250円】
抜き型と押し型が一体になった、クッキーの型カッター20種類セットです。
これはただ単に生地を切り取るだけではなく、同時に立体模様も描いちゃう優れモノ。
愛らしい動物の型と、10種類のお花の型が入っていて、いろいろな年齢層にも対応できそうです。
「これでクッキーの生地を型抜きするとね、キレイでかわいく、しかも毎回同じ形にすることができるんだよ?」
ローラ「へぇー、なんだか面白そうね? それじゃ、みんなも手伝ってくれる?」
「「「は~い」」」
ということで、ねぇねの魔法のお水で手をしっかり洗った後、4人でぺったんぺったんクッキーの型抜きです。
ローラおねえちゃんはプロのお菓子屋さんなだけはあって、さすがの手際でポンポンといろんな型を使って仕上げていきます。
ねぇねはウサギの型が気に入ったのか、ずっとウサギの型抜きをしています。
おにぃもずっと柴犬の型を使っています。
ワタシはネコとネズミを交互に持ち替え、ぺったんぺったんです。
ちなみにおチビなワタシはそもそも作業台の上に手が届かないので、靴を脱いで椅子の上に乗せてもらっての作業です。
型抜きが終わったら、できあがった生地をオーブンに入れて、後は焼き上がるのを待つだけ。
その間にワタシの当初の目的、甘くておいしい朝食をローラおねえちゃんに作ってもらうことにしましょう。
「ローラおねえちゃん、あのね? ワタシたちの朝食を作ってくださいな?」
ローラ「ん? そう言えば、最初にそんなこと言ってたよね? それって、ウチはどうすればいいの?」
「あのね? ガレットみたいに薄くするんじゃなくってね? 生地を厚くふわもこに焼いてほしいの」
「試しにワタシが焼いてみてもいい?」
ローラ「え? おチビちゃんが焼くの? 大丈夫?」
「平気だよ? ワタシ、お料理できるんだよ?」
ローラ「そうなの? ちょっと不安だけど、それじゃ、このガレット用の生地を使ってね?」
ということで、実際にパンケーキを焼いてみることにします。
でも、普通に焼いても面白くないので、可愛くアレンジしちゃいます。
まず大きく丸く本体を焼いて、その上に小さな丸を2つくっつけます。
そして裏返してしばらく焼いたら、目と鼻をつけて、さらにひっくり返して、ちょっと焼いたら完成。
マルマルぷっくり、クマさんパンケーキの出来上がりです。
「こんな感じで、ふっくらクマさんパンケーキの焼き上がり~!」
ローラ「おチビちゃん上手ね~」
おにぃ「いい匂いだな~」
ねぇね「これクマさんなの? カワイイね? でも食べるのがかわいそうかも」
「ねぇねとおにぃも焼かせてもらう? ローラおねえちゃん、いい?」
ローラ「もちろんいいわよ」
ねぇね「やったー!」
おにぃ「ありがとう」
そんな感じでねぇねはウサギさんのパンケーキ、おにぃはワンちゃんのパンケーキ、ついでにローラおねえちゃんもネコさんのパンケーキを焼き上げました。
ということで、後は実食あるのみなのですが、せっかくなのでお茶も用意しちゃいます。
「ローラおねえちゃん、お茶を作るから、お鍋を貸してね?」
ローラ「それなら、はい、これ使ってね。コップも用意しておくね」
「ありがとう。ねぇね、おにぃ、いつものヨモギとドクダミとタンポポモドキのお茶を作ろっか?」
ねぇね「は~い」
おにぃ「りょ~かい」
お鍋にねぇねが魔法のお水を入れて、そこにバッグに忍ばせておいた乾燥させたヨモギを入れます。
そしてそのお鍋をおにぃが火魔法で煮立たせて、しばらく放置でヨモギ茶の完成です。
つづいて同じ要領で、ドクダミ茶を作り、最後は炒ったタンポポモドキ(ブタナ)の根の茶です。
これはいつもワタシたち3人が好んで飲んでいる野草のお茶。
ノンカフェインで健康にも良い、無料のハーブティーです。
ワタシはヨモギ茶をストレートで、甘党のねぇねはドクダミ茶にたっぷりはちみつを垂らして、そしておにぃはストレートのタンポポモドキ茶が好みです。
(ビタミンとかミネラルとかいろいろとれるし、野草のお茶はスラムっ児の救世主だよね~)
(なんてったって、原っぱに行けば、ただでとり放題だもんね~)
そんなことを思っていると、ローラおねえちゃんがワタシに話しかけてきました。
ローラ「ねぇ、おチビちゃん。それ、なんだか凄く個性的な香りのお茶だけど、何のお茶なの?」
「えっとね、ワタシのがヨモギ茶で、ねぇねのがドクダミ茶で、そしておにぃのがタンポポモドキの根のお茶なの」
ローラ「え? 全部野草? むしろ雑草に近いよね? 美味しいの?」
「後味がスッキリしていて、栄養もあるし、おいしいよ? ローラおねえちゃんも飲んでみる?」
ローラ「うん、興味あるわ。よければ一口ずつもらえる?」
「は~い」
「「どうぞ」」
ローラ「へぇー、3つとも独特な風味だね。でも意外と後味がいいね。その辺の野草とは思えないかも」
「そうなの。それにね、原っぱで採ってきて乾燥させてるだけだから、ただなんだよ?」
ローラ「ハハッ、それは重要だよね。でも、ウチは採取している時間も乾燥させる余裕もないしな~」
(およ? 新たなるお仕事の予感!)
(野草の採取と加工なんて、まさにハンターっぽいお仕事だよね?)
ということで、早速ローラおねえちゃんにプレゼンをはじめるワタシです。
「それならハンターギルドに依頼を出してみたら?」
「採取だけじゃなくて乾燥までしたモノを納品してもらえば、すぐにお茶として使えるよ?」
ローラ「そうね、それもアリかな? あとは値段次第だけど・・・」
そんな会話を交えていると、オーブンのクッキーもいい匂いに焼き上がり、後は食べるだけになりました。
だけど残念ながら、ローラおねえちゃんのお店には、快適なイートインスペースがありません。
(ガレットを手渡しで販売しているお店だから仕方ないんだけど・・・)
(でも、お店の奥のスペースが全く活用されてないんだよね~)
ということで、お店の奥のデッドスペースを見つめながら、再度ローラおねえちゃんに提案です。
「ローラおねえちゃん、あのね? お店の奥の使ってない場所に、食べる所を作ってもいい?」
ローラ「ん? 食べる所? 空き箱とかでテーブルを作るの? 別にかまわないわよ」
ローラおねえちゃんからの了承も得られたので、早速本日2回目の【想像創造】です。
【2人用応接セット 1人掛けソファー(スカイブルー)×2 木製スクエアテーブル 36,000円】×4 144,000円
ちょっとしたソファーとテーブルのセットをお店の半分ぐらいの面積が埋まる程度に【想像創造】しちゃいました。
これまで全く活用されていなかったお店の奥のデッドスペースが、快適なイートインスペースに早変わりです。
普通の椅子だと面白みがないと思ったので、ゆったりふんわりのソファーをチョイス。
前世の記憶的には、談話喫茶的な感じです。
けれども明るい色調にすることで、お菓子屋さんらしく、ポップでハイカラ、前世的に言えば、『ナウい』感じにしてみました。
(パンケーキと同じで、椅子もふんわりふわふわの方が気持ちいいよね!)
(決して、おチビなワタシでも座れるように座面が低いソファーにした訳じゃないよ? ホントだよ?)
ローラ「え? なにこれ? 空き箱どころか、凄く高級そうな接客セットじゃない?」
「お茶といっしょにお菓子をここで食べてもらうのもいいでしょ? ローラおねえちゃん、よかったら使ってくださいな?」
ローラ「お金に余裕がなくてできなかったけど、こういうお店、ウチの夢だったの。ありがとう!」
ローラ「でもいいの? これって凄く高いんじゃない? 今のウチじゃ、何もお返しできないよ?」
「いいのいいの。クッキーの型抜きも、よかったらもらってね?」
「お礼ならね? パンケーキとかクッキーとか、お菓子がもらえればうれしいな?」
ローラ「そんなのでいいの? もちろんよ! 今後おチビちゃんたちは全て無料にするから、いつでも食べに来てね?」
ねぇね「今後全て?」
おにぃ「いつでも無料?」
ローラ「前回の【ホケミ】粉、そして今回のクッキーの型抜き、野草のお茶、そして最後はこんなに豪勢な接客セットよ?」
ローラ「ウチの商品なんかで返せるとは思えないけど、お菓子なら好きなだけ食べてってね?」
「いいの? やったー!」 \(^o^)/
こうして、町の中に無料でおやつを食べられる『たまり場』をゲットしたワタシたち3人なのでした。
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