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66 朝食改善

Mノベルズ様より、書籍発売中です。


「ねぇね、おにぃ、おっはよぉ~」 \(^▽^)/


ねぇね「・・・ふわぁ~っ。おチビちゃん、おはよ~。今朝はおチビちゃんが一番早起きだね~」 (´0`)。oO


おにぃ「・・・ん~っんっ。おチビ、おはよぉ~。今日は朝から元気だなぁ~」 ヽ(´-`/)°゜゜


教会の偉そうなひとと揉めてハンターギルドを追い出されそうになったり、ハンターギルドの裏庭の広場を借りて、そこでみんなとサイクリングを楽しんだ翌朝。

いつものようにワタシたち3人のねぐら、【軽パコ】のラゲッジスペースでねぇねとおにぃの間に挟まって寝ていたワタシは、普段のモゾモゾほげっ(´д`)とした寝起きとは違い、今朝はフンス(`・ω・´)と鼻息も荒く、そこはかとなくやる気を漂わせた起床です。

それは何故か。実は、あることを画策しているからです。

毎回スキルのレベルアップの時に出てくるワタシのステータス、そこに記された【状態】が【発育不良 痩せすぎ】のまましばらく変化していないことに気づいたワタシは、今朝から本格的にその対策に乗り出そうと思っているのです。


(もっと栄養があるモノをたくさん食べて、あわよくば、背も伸ばしちゃうのでっす!) (。>ω<。)


発育不良が改善されれば、きっと今のおチビな状態からも脱却できるはず。

そう思い至ったワタシは、朝食を豪華にしてみようと、今日は朝から気合が入っているのです。

ということで起床したばかりですが、早速、ワタシたちの朝食を豪華にしてくれるモノを【想像創造】しちゃいましょう!



【炊き込みご飯の素13品セット 2~3合用 地鶏、山菜五目、10種の具彩り五目、生姜あさり、焦がし醤油きのこ、鶏ごぼう、松茸、黒豚、バター鮭、九州かしわめし、駿河湾しらす、江戸前深川、九州あごだし五目 4,075円】



この世界にお米があるのかわかりませんが、ご飯派を自認しているワタシ的には、朝はお米を美味しくいただきたいところ。

ということで、こんなチョイスになっちゃいました。


(炊き込みご飯って、いろいろな味が染みててホント美味しいよね~♪)

(炊き立てアツアツをモグモグかきこむのもいいし、冷めたのをおにぎりにしてもおつだよね~♪)


そんなことを考えながら、創り出したばかりの13種類の炊き込みご飯の素の中から、今朝のワタシの気分に合う一品をピックアップです。


(う~ん。今朝は~、最初だし~、これっ!) (・ω<)☆


具だくさんであまり癖がなく無難なモノを、ということで、ワタシは『10種の具彩り五目』をセレクト。

早速ねぇねの水魔法とおにぃの火魔法を駆使してもらい、いつもの無洗米と一緒に炊き上げてもらいます。


・・・


ねぇね「ふわぁ~、なんだかとっても美味しそうな匂いがする~」 (^∞^)


おにぃ「しょっぱそうな甘そうな、スゲェいい匂い~」 ( ̄∞ ̄)


嗅ぎなれていない外国のひとには、しょうゆの匂いがダメなひともいるらしいと、前世の記憶で知っていたワタシ。

ねぇねとおにぃはどうなのだろうかと少し不安でしたが、どうやら大丈夫そう、むしろ好みのようです。

そうこうしているうちに炊きあがった炊き込みご飯。少し蒸らし時間をおいて、早速実食です。


「ん~! 味が染みてておいし~。朝からおだしがきいてて優しいお味の炊き込みご飯が食べられるなんて、とっても幸せ~♪」 (*^~^*)


ねぇね「すご~い。いろんなのが入ってて、そのお味を全部お米が吸い取ってて、おいし~い」

ねぇね「しょっぱいのに甘くて、不思議なお味だけど、私、これが今までで一番好き~」


おにぃ「うんめぇ~。噛むたびにじゅわっとあふれてきて、すんげぇ~」

おにぃ「スゲェ具だくさんだし、いろんな味がして、しかも肉が入ってるなんて、朝からぜいたくだよな~」


ねぇねとおにぃは、匂いだけじゃなく、しょうゆのお味も大丈夫そう、むしろ大好評です。


(よかった~。美味しいと思うのがワタシだけじゃなくて)

(どうせなら、ねぇねとおにぃにも栄養価の高い朝食を美味しく食べてほしいもんね~)


良かった良かったとひとり一息ついていると、いつもと違う予想外の展開になりました。


おにぃ「あっもうなくなっちゃった。もっと食べたかったな・・・」


ねぇね「私も、もう少し食べたかったかも・・・」


今までなかった、ねぇねとおにぃからの、まさかのおかわり要求です。

おチビなワタシのみならず、ねぇねとおにぃも発育不良で痩せすぎなのは見た目で明らかです。

なのでこの際、2人にもしっかりガッツリ栄養を取ってもらいましょう。


「それじゃあ、もう一回炊き込みご飯を炊こうよ!」

「今度はなににする? あと12種類あるんだよ?」


おにぃ「ホントか? ならやっぱ肉が入ってるヤツだろ!」


ねぇね「いいの? 私はどれでもいいよ? おチビちゃんが用意してくれたんだもの、きっとみんな美味しいんでしょ?」


「それじゃあ~、次は~、お肉が多めの『地鶏』にしよっか!」

「鶏肉が多めでお野菜もいろいろ入ってるみたいだよ?」


「「さんせ~い!」」


「よ~っし、モリモリ食べて、おっきくなるぞ~」 (*゜0゜*)/


「「お~!」」


この調子なら、ワタシたち3人の栄養状態の改善は大丈夫そうです。

ということで、再度ねぇねの水魔法とおにぃの火魔法で無洗米と一緒に炊き上げてもらったのですが・・・


おにぃ「うぅ~。た、食べ過ぎた・・・」


ねぇね「私もお腹いっぱい、かも・・・」


「う、うっぷ・・・」 (;´3`)


ちょっと前まで完全無欠の欠食児だったワタシたち3人は、胃があまり大きくないようで・・・


「さすがに5合は食べきれなかった・・・」

「でも捨てちゃうのはもったいないから、おにぎりにしちゃおうかな?」


おにぃ「おにぎり? なんだそれ?」


「おにぎりはね? ご飯をこうニギニギして、手で持って食べられるようにしたモノなんだ~」


ねぇね「へぇー、どこでも食べやすそうでいいね!」


「あ、そうだ! おにぎりにして、アリスちゃんにおすそ分けしちゃおうか?」


ねぇね「そうだね! こんなにおいしいモノなら、アリスちゃんにも食べてもらいたいかも!」


おにぉ「せっかくのうまいモノだから、もったいないもんな」


今日は【マダムメアリーの薬店】でポーション作りの指名依頼があります。

その時に炊き込みご飯のおにぎりをアリスちゃんやメアリーさんにも食べてもらって、お米のおいしさをどんどん広めちゃいましょう。

ということで、ねぇねの水魔法で再度手を洗い直し、少し冷めた炊き込みご飯をにぎっていきます。


「おにぎりはね? 三角形にするとカッコよくなるんだよ?」


おにぃ「へぇー」


ねぇね「三角形? こうかな?」


そんなこんなでできあがったのは、ちょっと小さめで不格好なおにぎり3個と、さらにもうひと回り小さめでキレイな三角形のおにぎり3個。

そして、ワタシが完成させた作品は、三角形がカッコいいとか上からの発言はどこへやら。

お団子と見まごうぐらい小さく、まん丸のおにぎり3個でした。


(うぐぐっ。おチビなワタシの手では、これが限界・・・)

(ならば【想像創造】でおにぎりがキレイにできる道具を――)


おにぃ「お? おチビのはちっちゃいな! 一口で食べられそうだな」


ねぇね「ふふっ、おチビちゃんが作ったのは小人さん用のおにぎりかな? とってもカワイイね?」


「カワイイ? やったー! ねぇねに褒められた~!」 (o^^o)


でも、ねぇねがカワイイと褒めてくれたので、今日のところはこれで勘弁してあげることにしたワタシなのでした。


Mノベルズ様より、書籍発売中です。

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