63 ふれあいサイクリング
Mノベルズ様より、書籍発売中です。
その後アイリーンさんに、クマさんとネコちゃんの【文房具セット】のお値段を決めてもらったり、【ジョシュア雑貨店】の納品完了報告を処理してもらったり、【マダムメアリーの薬店】からの指名依頼の受理手続きをしてもらったりして、ようやく解放されたワタシたち3人。
まだ午前中なのに、今日はもう、かなりクタクタです。
時刻はお昼ちょっと前ぐらい。
いつもよりちょっとだけ早いですが、私たちのお家、ねぐらの軽パコのリアハッチを開け放ち、日課のお昼寝に突入しちゃうワタシなのでした。
・・・
ぱよぉ~ん
ぴよぉ~ん
ぷよぉ~ん
ぺよぉ~ん
ぽよぉ~ん
アリス「きゃっは~! 飛んでるみた~い! た~のし~い!」
どうやらワタシのお昼寝タイム中に来客があったようです。
そう、ワタシたちのはじめてのおともだち、お隣のアリスちゃん登場です。
只今トランポリンの中央付近で、こちらに向かって満面の笑顔をふりまいています。
今日も何かを吹っ切るような、見た目とのギャップが凄い、憂さ晴らし真っ最中のアリスちゃん。
そのアリスちゃんのはっちゃけた歓声を目覚まし代わりに、お昼寝から起きたワタシなのでした。
お昼寝をしてワタシの充電は満タン。
元気もりもり、お遊びする気満々です。
(今日の午後はみんなとアレで遊ぶんだ~)
o(> <)o
午前中にハンターギルドの裏庭の広場を借りることができたワタシたち。
そこを有効活用して、楽しく遊んじゃいましょう。
ワタシ「みんな~、今から広場に行って遊~びましょ~?」
おにぃ「お? 早速借りた広場で遊ぶのか?」
ねぇね「楽しみだね~」
今日は午前中に【ジョシュア雑貨店納品セット】【ビーフジャーキー】【小袋ジャム】、そして【文具セット】を【想像創造】しているワタシ。
なのであと1回、【想像創造】できます。
ということで、早速みんなで広場に移動して、例のモノを創り出しちゃいましょう。
【折りたたみ式三輪自転車 前輪20インチ・後輪18インチ 大容量前後カゴ付 3段ギア 耐荷重200kg シルバー 49,800円】×3 149,400円
おにぉ「お! ちょっとちっちゃい三輪車だ!」
ねぇね「ビーちゃん様のと同じだね!」
アリス「3台あるよ?」
これはビーちゃん様にあげたのと同じモノ。
子供でもギリギリ乗れる大きさの三輪自転車です。
数は3台。ねぇねとおにぃ、そしてアリスちゃんにもご用意です。
ちなみにワタシ用の三輪車は用意しません。
ワタシはみんなの後ろ、三輪車の大きなカゴに乗せてもらう気満々なのです。
そんな他力本願真っただ中なワタシの目の前に、またもや急にワタシのステータス画面が出てきました。
名前:アミ
種族:人族
性別:女
年齢:5歳
状態:発育不良 痩せすぎ
魔法:【なし】
スキル:【想像創造】レベル6(6回/日)
今回も、スキルのレベルアップをお知らせしてくれたみたいです。
(やった! 【想像創造】がレベル6になって、1日6回使えるようになってる!)
今日はもう5回【想像創造】したので、あと1回、なにかを創り出せることになります。
(状態は前と変わらず【発育不良 痩せすぎ】のままか~)
(もっと栄養のあるモノをたくさん食べないとダメなんだろうね~)
(お夕飯はギルドの食堂でちゃんとしてるから、あとは朝食をどうにかするしかないのかな~)
そんなことを考えつつ、もう1回増えた【想像創造】で、さらにほしいモノを創り出しちゃいます。
【軽量折りたたみ自転車 20インチ リアサスペンション 6段変速ギア 前カゴ リアロックキー シルバー 20,520円】×3 61,560円
これは二輪の普通の自転車。
誰でもすぐに乗れるとは言えないけれど、乗れるようになると三輪車以上に軽快に走れる二輪の自転車です。
おにぃ「お? なんだ? また車輪のついたヤツが出てきたぞ?」
ねぇね「今度は車輪が2つだよ?」
アリス「これ、乗れるの? 倒れちゃいそうだよ?」
ワタシ「これは二輪の自転車で~す。乗れるようになるまでちょっと大変だけど、慣れると三輪車よりずっと早く走れま~す!」
おにぃ「そうなのか? だったら、オレ、こっちにする!」
アリス「私も私も!」
男の子のおにぃは、予想通り二輪の自転車に興味を示しました。
そしてここでも、アリスちゃんが意外なほどのアグレッシブさを披露して、二輪自転車に挑戦です。
ワタシ「たぶん乗れるようになるまで、何度か転ぶと思うけど、けがをしないようにね?」
ねぇね「え? それ転ぶの? だったら私は三輪車にする」
ねぇねは安全第一みたいです。
ということで、みんな自分の乗りたい自転車に分かれて早速試乗です。
おにぃとアリスちゃんは、まずは共同戦線を張るみたいで、最初はアリスちゃんが二輪の自転車にまたがって、おにぃがそれを後ろから支えて、アリスちゃんを補助しています。
アリス「ま、まだ手を離さないでね~」
おにぃ「大丈夫大丈夫~」
そんなふたりの自転車練習風景を横目に、ワタシはねぇねの漕ぐ三輪車の後ろの大きな荷台に乗っかり、立ち上がって後ろからねぇねの背中にしがみついています。
おチビなワタシは、ねぇねとおにぃとのスキンシップが大好き。
普段から、特に朗らかで優しいねぇねには、なにかにつけて隙あらば抱き着いています。
今も三輪車から振り落とされないようにするというオフィシャルな口実があるので、大好きなねぇねにぎゅっと抱き着きます。
「ねぇね、三輪自転車どう? 楽しい?」
ねぇね「うん。とっても! 広場で三輪自転車、スイスイ楽ちんで面白いね~」
ねぇね「でもおチビちゃん気を付けてね~? 揺れるからカゴから落ちないように、ちゃんと私につかまってるんだよ~?」
「うん! 大丈夫~!」
ねぇねに言われるまでもなく、身を寄せほほ寄せ、必要以上に全身でねぇねにひっつくワタシなのでした。
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