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60 輸送手段

Mノベルズ様より、書籍発売中です。


副支部長イーサン「冗談はこの辺にして、本題に移りましょう」

マスター「な、何だよ冗談かよ、ちっとビビっちまったじゃねぇか」

アイリーン「あ~びっくりした」

支部長ローガン「ワシは本気じゃったが・・・」

「「「え?」」」

これでお話は終わりかな? と思っていたのですが、どうやら本番はこれからみたいです。

副支部長イーサン「実は、先日領主館に乗り付けた荷車と、それを引いた大きな三輪車。これがかなり噂になってましてね」

ワタシ「噂ですか?」

副支部長イーサン「ええ。馬を使わなくてもいい輸送手段として、各方面から問い合わせが来ています」

マスター「まあ実際問題、馬を飼うのは結構大変なんだ」

マスター「厩舎が必要だし、世話も大変。さらには毎日の餌代もバカにならねぇ」

副支部長イーサン「そんな馬を使わずに、気軽に荷物を輸送できるとあっては、注目されて当然でしょう」

副支部長イーサン「さすがに大荷物や、長距離の輸送となると話は別ですが、町中だけならアレで充分用が足りるんです」

マスター「オレは実際にあの三輪車に乗って漕いだわけだが、あのギアとか言ったか? 変速できる仕組みで、多少の重いモノでもなんとかなるしな」

マスター「わざわざ馬を使わずに済むとあっちゃあ、みんな飛びつくだろうぜ」

マスター「三輪車だけじゃなく、荷車だってかなりの価値だ」

マスター「金属でできた丈夫な車体、車輪の工夫で振動が少ない、車軸の仕組みですべらかな回転、しかも折りたたんでしまっておける、そんな荷車他にないしな」

副支部長イーサン「ということで、あの銀色の荷車と、人が漕いで走る三輪車、これらを納品していていただけませんでしょうか」

ワタシ「いいですよ? でもどれくらいあればいいんですか?」

副支部長イーサン「逆に、どれくらい用意可能ですか?」

ワタシ「うんと、ちょっと待ってくださいね?」

(えっと~、確かお値段は~)

【アルミ製折り畳みリアカー ノーパンクタイヤ仕様 全長240×全幅116×全高81cm 質量40kg 耐荷重350kg 89,800円】

【オトナの三輪車 マウンテントライク24インチ 7スピードギア リアショッピングバスケット付き シルバー 43,900円】

すかさずそろばん4級の能力を遺憾なく発揮するワタシ。

ワタシ「たぶん、【リアカー】は1日に5台。マスターが乗った大きい【三輪車】は1日に11台は納品できると思います」

副支部長イーサン「それは、今日この後でも?」

今日はすでに【ジョシュア雑貨店納品セット】【ビーフジャーキー】【小袋ジャム】さん、そして【文具セット】を【想像創造】してしまったワタシ。

残り1回しか【想像創造】できないので、【リアカー】と【三輪車】両方同時は無理です。

ワタシ「えっと、今日は無理ですけど、明日以降なら」

副支部長イーサン「わかりました。できる範囲の数で構いませんので、明日からお願いしていいですか?」

副支部長イーサン「実は領主館からも問い合わせがありまして」

副支部長イーサン「町を見回る衛士に使わせたり、少人数の移動や荷物輸送に使ってみたいのだそうです」

副支部長イーサン「なんでも、ご領主さまのお嬢様、ベアトリス様のご意見らしいですよ?」

どうやら、言い出しっぺはビーちゃん様のようです。

(ビーちゃん様、昨日あげた三輪自転車、気に入ってくれたのかな?)

(もうすでに、町中を乗り回してたりするのかな?)

(もしそうなら、ビーちゃん様の護衛のひと、徒歩で追いかけるの大変だろうな~)

そんなことを思っていると、対価のお話になりました。

副支部長イーサン「それで対価のお支払いの方なんですが、ちょっと時間をいただけませんか?」

副支部長イーサン「正直、どれほど価値があるモノなのか、正確にはかれていないのです」

お金は正直、持っていても使うことがないので、もうどうでもいい気がします。

ということなので、ここはひとつ、お願いごとをしておきましょう。

ワタシ「あの、リアカーと三輪車は大きいしがさばるから、納品はハンターギルドの裏庭の広場に置いておくだけでいいですか?」

ワタシ「それと、対価なんですけど、ワタシたちに裏庭の広場を貸してほしいんです」

副支部長イーサン「納品については、裏庭で構いません。むしろそうしていただけると助かります」

マスター「広場は何に使うんだ?」

ワタシ「ワタシたちも、広いところで自転車に乗りたいな~って。ね? ねぇね? おにぃ?」

おにぃ「おお! なんかそれ、楽しそうだな!」

ねぇね「私もビーちゃん様みたいに、三輪車乗ってみたい、かも」

ワタシ「でしょでしょ? きっと楽しいよ?」

ワタシ「ということで、ワタシたちに裏庭の広場を使わせてください」

支部長ローガン「いいともいいとも。荷車と三輪車の正式な対価が決まるまで、裏庭の広場の使用権を仮の対価としようではないか」

ワタシたち「「「ありがとうございます」」」

こうしてワタシたちは、400メートルリレーができそうな学校の校庭ぐらいの広さがある裏庭の広場を借りることができたのでした。

(広々とした場所ゲットです!)

(またいろいろ遊んじゃいましょう!)

ヽ(^◇^)/


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