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34 調査報告会(別視点)

Mノベルズ様より、書籍発売中です。


マスター(メイソン)「オレの想像以上だったぜ」


ここはハンターギルドの3階にある支部長室。

日没直後のこの部屋に、ハンターギルドの主だった幹部が勢ぞろいして、今話題の子供3人組のチームについて、報告会が開かれているところです。


副支部長イーサン「想像以上とは?」


マスター(メイソン)「奴らの住処に行ってきたんだが、そこでいろいろ知ることができた」

マスター(メイソン)「まず、奴らが住んでる例の土地だが、外からは一見、唯の草むらなんだが、少し中に入ると、すっかり除草されていて、既に庭として綺麗に整備されていた」

マスター(メイソン)「どうやら坊主と嬢ちゃんが魔法で処理したらしい」


副支部長イーサン「ほう? 魔法でですか」


マスター(メイソン)「嬢ちゃんが水魔法で燃え広がらないようにしながら、坊主が火魔法で雑草を燃やしたようだ」


購買部ハンナ「なかなか面白い魔法の使い方をするじゃないか」


アイリーン「噂では聞いていましたが、本当に登録したてのハンターとは思えない魔法の能力ですね」


マスター(メイソン)「ああ、坊主と嬢ちゃんのふたりもかなりヤバいな」

マスター(メイソン)「そして本題のおチビの能力だが、小物だけじゃなく、かなりの大物まで創り出しているみたいだ」


副支部長イーサン「大物ですか?」


マスター(メイソン)「ああ。驚くほど軽く引ける金属製の派手な荷車や、草むらの奥には鉄とガラスでできた車輪付きの小屋、さらには、直径5メートルぐらいでオレが使ってもびくともしない丈夫でデカいカゴの遊具まであったな」


副支部長イーサン「直径5メートルのカゴの遊具ですか、どういうものなのかよく分かりませんが、たしかに大きなものですね」


マスター(メイソン)「でも何といっても一番の驚きは、おチビが創り出しているモノ、それらすべてがとんでもなく出来がいいということだ」


アイリーン「たしかに! あの干し肉は絶品だったわ!」


マスター(メイソン)「いやいや、そんな次元じゃねぇんだ」

マスター(メイソン)「例えば今日オレが引いた荷車だが、奴ら3人乗せても軽々引けて、尚且つ、オレが全力疾走で引っ張っても、全然壊れるそぶりもなかったんだぜ?」


購買部ハンナ「あんたの馬鹿力で? 普通の荷車なら、ただじゃすまない状態になっちまってるだろうに」


マスター(メイソン)「車体は見慣れねぇ金属でできていて丈夫、車軸に何らかの工夫があってすべらか、車輪は黒い変なモノに覆われていてそれが衝撃を緩和している、そして最後には折りたたんで小さくできるときたもんだ」


副支部長イーサン「ほう? それはまた魅力的な荷車ですね」


マスター(メイソン)「だろ? 今後是非ともハンターギルドに納入してもらいたいもんだぜ」


副支部長イーサン「なるほど。今後の検討課題ですね」


マスター(メイソン)「ほかにも、鉄とガラスでできた車輪付きの奴らの小屋、あのガラスの大きさと透明感は驚きだったし、とにかくおチビの創り出すものは、突飛で無上だ」


購買部ハンナ「それで、あのおチビちゃんは、いつでも何でも創り出せるのかい?」


マスター(メイソン)「無制限に何でも、という訳にはいかないみたいで何らかの制限があるみたいだが、身体的にも精神的にも、そして金銭的にも負担なく、モノを創り出せるみたいだ」


副支部長イーサン「ふむ。負担なくモノを創り出せる能力ですか。使い方によっては、化けますね」


マスター(メイソン)「オレもそう判断した。坊主と嬢ちゃんの魔法、そしておチビの創造能力、これは金の卵だぜ」


副支部長イーサン「報酬の上乗せを決定した我々の判断は、どうやら正しかったみたいですね」


支部長ローガン「異常なほどの魔法の能力を有する、赤髪の子犬と水色の野ウサギ」

支部長ローガン「そして、底が知れない創造能力を有する、灰色のおチビなチンチラといったところかの」


購買部ハンナ「今じゃギルド職員の憩いというか、マスコット的な存在になっちまってるよ」


アイリーン「いつも彼らがやってくる夕方前になると、ギルドフロアが急に静かになりますからね」


購買部ハンナ「みんな彼らのことが気になって、聞き耳を立てているんだろうさ」


支部長ローガン「今の彼らには選択肢が少ない故、盲目的にハンターギルドで活動してくれておるが、今後もそうとは言い切れぬ」

支部長ローガン「彼らにハンターギルドが嫌われぬよう、努々粗雑な扱いはせぬようにな」


副支部長イーサン「心得ております」

副支部長イーサン「ハンターギルド全体に周知徹底させましょう」


Mノベルズ様より、書籍発売中です。

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