31 サプライズ
Mノベルズ様より、書籍発売中です。
マスター「それで次なんだが、これが、指名依頼書だ」
「指名依頼書?」
終わったと思ったら、新たな書類をワタシたちに差し出すマスターさん。
今度は、おチビなワタシが背伸びして受け取ります。
マスター「次回以降の納品継続依頼だな。次は5日後でいいんだろ?」
「さすがギルドですね。ちゃんとしてるんですね」
マスター「ハッハッハッ、一応、公的機関だからな」
マスター「それと、次回以降の納品物の買取単価とかも書いてあるから、目を通しておいてくれ」
「え? 納品物の買取単価?」
受け取った指名依頼書を見てみると、買取単価が書いてありました。
【透明袋入り味付き干し肉(極上)1袋30g 買取単価30リル】
【透明小袋入り蜜各種(極上)1袋15g 買取単価15リル】
マスター「悪いが値段はこちらで決めさせてもらった。だが、それほど悪い金額じゃないはずだ」
「買取ってことは、もしかして、お金もらえるんですか?」
マスター「当たり前だろ? 会議の時にも言ったと思うが、ギルドはぼったくりなんかしないんだぜ?」
「で、でも、草むらの土地をもらったから、それが報酬だって」
マスター「それは今日の、初回の納品に対する報酬だ」
マスター「報酬とは言っているが、あそこは無価値な土地で、実質タダなんだ」
マスター「アレだけを対価に、今後ずっとお前たちから干し肉と小袋の蜜を巻き上げたとあっちゃ、ギルドの沽券に関わるって訳だ」
マスター「だから今後の納品時には、ギルドからキチンと金を支払うことになってる」
マスター「指名依頼扱いだから、完了手続きが必要だが、その分ちゃんとギルドへの実績が残るぞ?」
おにぃ「オレたちに、指名依頼?」
ねぇね「え? お金もらえるの?」
「い、いいんですか?」
マスター「あたぼうよ! むしろ、会議の時にちゃんと説明しなくて悪かったな」
ワタシたち3人にとっては、降って湧いたような、ありがたいお話です。
草むらの土地をもらえただけで、お顔がニヨニヨしちゃうほど嬉しかったワタシたち3人。
それなのに、さらに今後、ビーフジャーキーと小袋ジャムを納品するたびにお金がもらえて、しかも指名依頼として実績を残してくれるそうです。
ビーフジャーキー100個で、3,000リル。前世の日本円で大体、360,000~420,000円ぐらいです。
小袋ジャム1000袋で、15,000リル。前世の日本円で大体、1,800,000~2,100,000円ぐらいです。
次回以降も、同じ量を納品した場合、5日ごとに、18,000リル。
前世の日本円で大体、2,160,000~2,520,000円ぐらいもらえることになります。
(ひょぇ~、すごい大金、お金持ちです~。全く実感はないけど・・・)
マスター「これからお前ら『シュッセ』は金持ち確定だな! だが今後も毎日、ギルドの食堂で金を落としてくれよ?」
「「「もちろんです!」」」
こんな感じで、嬉しいビッグサプライズと共に、無事? ハンターギルドへの初納品は終わったのでした。
Mノベルズ様より、書籍発売中です。