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26 依頼完了とハンターの収入

Mノベルズ様より、書籍発売中です。


時刻はお昼過ぎ。

草刈りの依頼をを無事に終えて、ハンターギルドに戻ってきたワタシたち3人。

いつもより少しだけ人が多いギルドのホールに入った途端、朝いなかったいつもの受付のお姉さんが勢いよく私たちを手招きしてきました。


アイリーン「『シュッセ』の3人さ~ん、こっちへいらっしゃ~い」


いつもより少しだけ目つきが鋭い気がする、いつもの受付のお姉さんことアイリーンさんにお呼ばれなのでした。


「「「こんにちは~」」」


アイリーン「はい、こんにちは~。そして、昨日はありがとう!」

アイリーン「あのおすそ分け、凄く美味しかったわぁ~」

アイリーン「あんなに美味しいもの、はじめて口にしたかも」


挨拶早々、昨日のおすそ分けについて、小気味よく語り始めてしまったアイリーンさん。

おすそ分けを気に入っていただけたようで、なによりです。


(きっとアレじゃないかな? 女性は甘いものが好きだから、ジャムの追加おねだりとか?)


そんなことを思ったので、


「甘い蜜、気に入ってもらえました?」


と聞いてみましたが、返ってきた答えは、ワタシの想像とは違うものでした。


アイリーン「ん? ああ、蜜も甘くて美味しかったけど・・・」

アイリーン「違うの、そうじゃないの。お肉よ、あの干し肉、アレはなに?」

アイリーン「凄くパンチの効いた塩っけに、粒の香辛料の辛みが絶妙で、エールとの相性が凄かったわぁ~」


意外や意外、アイリーンさんはビーフジャーキーにご執心のようです。


(アイリーンさん、意外と酒豪なのかな?)


そんなことを思っていると、ワタシたちの会話に別の声が割り込んできました。


マスター「何言ってやがる、あの小分けにされた蜜の、その色とりどりの甘さと言ったら、まさに甘露!」

マスター「アレをぬったら、普通の黒パンが最上のデザートになっちまったぜ!」


どうやら強面のマスターさんは、小袋ジャム派のようです。


(人は見かけによらないな~、まさかあの強面マスターさんが甘党だったなんて)


アイリーン「とにかく、『シュッセ』の3人さん、今からお時間大丈夫かしら?」


おにぃ「えっと、今、依頼が終わったので、その完了手続きが終わったあとなら」


アイリーン「そういうことですね。それではちゃっちゃと完了処理をしちゃいますね」


おにぃ「それじゃあ、これ、完了報告書です」


早速、草刈り依頼の完了処理をしてもらいます。

このタイミングで、現金もある程度持っておいた方がイイと思ったワタシは、


「今回の依頼達成金は、現金でお願いします」


と願いしておきます。

今回の依頼の報酬50リルから、税金と手数料を引かれた40リル、大銅貨4枚をおにぃが受け取ります。


おにぃ「ありがとうございます」


ねぇね「ございます」


これで依頼達成。ワタシたち『シュッセ』が初めて受けた普通の依頼は、移動時間も込みで、正味2~3時間で完了なのでした。

3人で依頼をこなして、40リルが入ってきました。

ひとりあたり約13リル、元の世界の13ドルぐらいだと考えると、1,560~1,820円ぐらいでしょうか。

これで1日やりくりするとなると、前世の感覚だと、ハンターの収入って、わりと厳しいかもしれません。

普通の依頼を受けたことで、ハンターの収入のリアルを知ったワタシたち。


(まあ、バリバリのスラムっ子なワタシ的には、ぜんぜん余裕ですけどね)


そんなことを考えていると、ここからが本番とばかりに、アイリーンさんが詰め寄ってきました。


アイリーン「それじゃあ、『シュッセ』のみなさん、ちょっとお時間くださいね」

アイリーン「ここではアレなので、会議室にご案内します」


どうやらワタシたち、別室にご案内されちゃうみたいです。


Mノベルズ様より、書籍発売中です。

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