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25 作業効率アップ!

Mノベルズ様より、書籍発売中です。


早速その場に屈んで、草を毟ってみます。


「ん~、ん~、ん~、ダメだ~、ぜんぜん抜けないよ~」


中々どうして、思っていたより根が深く、おチビなワタシの力では、ビクともしません。


(鎌とか、そういう道具で刈らないとダメかな~)


そんなことを思ったときでした。


(あれ? そういえば、火であぶっちゃえば、除草できるんじゃないかな?)

(威力を抑えた火炎放射器みたいなやつで除草している映像を前世の記憶で見たことあるかも・・・)


ということで、早速ねぇねとおにぃに相談です。


「ねぇね、おにぃ、ちょっとお願いがあるの」


おにぃ「ん? もう疲れたのか?」


ねぇね「おチビちゃんは休憩してていいよ?」


「そうじゃなくてね、おにぃの魔法で、雑草を燃やせないかな~って思ったの」


おにぃ「火魔法か! それは便利そうだな!」


ねぇね「え~、危ないよ~、火事になっちゃうかもしれないよ~」


「それでね、ねぇねの水魔法で、燃え広がらないようにできないかな~って思ったの」


ねぇね「水魔法で? でも火が消えちゃうよ?」


「あのね、ねぇねは水魔法で薄い膜を作れるでしょ?


ねぇね「うん。お鍋を覆うやつでしょ?」


「そうそれ。それで、草刈りしたいところだけを囲んでしまうの」

「それで、その囲んである中だけ、おにぃが火魔法を使えばいいんじゃないかな?」


おにぃ「お~、それなら、火が燃え広がらないかもな」


ねぇね「でも私、こんなに広い範囲をお水の膜で囲えないよ?」


「それはね、一気にやるんじゃなくて、何回かに分ければいいんじゃない?」

「狭い範囲をお水で囲って、その中を燃やして、それを何回か繰り返すの」


ねぇね「狭い範囲なら、私の魔法でも、お水の膜で囲えるかも」


「とりあえず、どれくらい囲めるか、やってみようよ」


ねぇね「わかった。やってみるね」


とうことで、ねぇねが水魔法を使います。

薄い水の膜が、徐々に広がっていき、2メートル四方ぐらいの水の膜が出来上がりました。


ねぇね「・・・これが、限界かも・・・」


「凄い凄い! これだけ広ければ、十分だよ!」


ねぇね「そ、そう? それならよかった」


「それじゃあ、次はおにぃの番ね。」


おにぃ「おう! 任せとけ!」


「でも、火の威力は抑えてね。一気に燃やすんじゃなくて、ちょっとずつ炙ってく感じでね?」


おにぃ「炙ってく? こんな感じか?」


おにぃの指先から、太さ3センチほどの炎が、長さ1メートルほどで放射されていきます。


「そんな感じそんな感じ! それで、お水で囲ってある中の雑草をどんどん炙ってね」


おにぃ「わかった」


・・・


こんな感じの作業を繰り返すこと二十数回。


おにぃ「終わった~」


ねぇね「やった~」


「お疲れさま~」


無事に裏庭全体を除草することができました。


「ねぇね、最後に、裏庭全体に軽くお水を撒けるかな」


ねぇね「万が一、火が残ってたら危ないからね?」


「そうそう」


念には念を、ということで、しっかり散水仕上げなのです。



「早く終わって良かったね」


おにぃ「そうだな。それに、ちょっと楽しかったな」


ねぇね「そうそう、魔法の練習にもなったし、イイ依頼だったかも」


そんな会話をしていると、


メアリー「もしかして、もう終わったのかい?」


依頼主のメアリーさんが声をかけてきました。


おにぃ「はい。終わりました」


ねぇね「ました」


メアリー「それはまた随分と早かったね~」

メアリー「おや? 焦げ臭いけど、もしかして、火を使ったのかい?」


おにぃ「水魔法で燃え広がらないようにしながら、火魔法で雑草を燃やしました」


ねぇね「あ、最後にちゃんと水を撒きましたので、火事の心配は大丈夫だと思います」


メアリー「それは大したもんだね~。良く魔力切れを起こさなかったね」


ねぇね「魔法は得意なんです」


メアリー「へぇー、小さいのに大したもんだね~」

メアリー「燃やしてくれたおかげで、ゴミも出ずに済んだし、ありがとうね」

メアリー「それじゃあ、完了報告書を用意するね」


ということで、完璧な仕上がりを見せたワタシたち3人の初作業依頼。

依頼主さんにもご満足いただけたようで、なによりです。


Mノベルズ様より、書籍発売中です。

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