24 意外な場所
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掲示板から草刈りの依頼書をはがし、いつもの受付に行きましたが、いつものお姉さん、アイリーンさんは不在でした。
受付嬢「アイリーンは、朝からギルドの幹部会議に出ていて不在なの」
受付嬢「なんだかやけにやる気満々だったし、病気とかじゃないから、安心してね?」
ということらしいです。
アイリーンさんに特に用事があったわけでもないので、そのまま受付処理をお願いし、作業場所などを教えてもらいます。
「そうなんですね。教えてくれてありがとうございます」
おにぃ「あの、この依頼を受けたいのですが、受付をお願いしていいですか?」
受付嬢「はい。承りますね」
「よろしくお願いします」
ねぇね「します」
そしてやってきました草刈り作業の依頼主のお店【マダムメアリーの薬店】です。
木造の古びたその建物は、全体を深緑の塗料で塗られていて、趣のある可愛らしい雰囲気。
まるで、絵本に出てくる魔女のお家みたいです。
場所はハンターギルドを出て、歩いて2~3分と、わりとご近所さんのようです。
(位置的には、ハンターギルドの裏庭の先って感じなのかな?)
依頼主のメアリーさんは、顔に笑い皺を深く刻んだ、見た目50代後半のちょっと痩せ気味の初老の女性で、ニコニコ笑顔の糸目でワタシたち3人を出迎えてくれました。
おにぃ「こんにちは~、ハンターギルドの依頼で来ました~」
「「こんにちは~」」
メアリー「おやおや、もしかして草刈りの依頼かい?」
おにぃ「そうです」
そう言って、ギルド証をメアリーさんに見せるおにぃ。
ワタシとねぇねも右へ倣えです。
メアリー「そうかいそうかい。それじゃあ、早速裏庭に案内しようかね」
ということで案内された裏庭には、ワタシの腰ぐらいの、背の低い雑草が生い茂っています。
そしてさらにその奥には、なんだか見覚えがある、2メートル近い背丈の雑草が見えます。
(あれ? あの背の高い雑草って、私たちのお家、軽パコがあるところじゃない?)
そう思ったのはワタシだけではなかったようで、
おにぃ「なあ、あの奥ってさ、オレたちのケッパコがある草むらじゃないか?」
ねぇね「え? 私たちのお家があるところ?」
そんなお話をしていると、
メアリー「あの背の高い草むらの手前までがウチの裏庭だから、そこまでの草刈りをお願いね?」
おにぃ「背の低い雑草を刈ればいいんですね?」
メアリー「そういうことさね」
メアリー「あと、刈り取った雑草は、一ケ所にまとめといておくれ?」
「わかりました」
メアリー「おや、おチビちゃんもやるのかい? 無理しない程度にがんばってね?」
「はい。がんばります」
ということで、早速ミッション開始なのでした。
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