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2 お金をゲットしよう!

Mノベルズ様より、書籍発売中です。


翌朝、昨夜の夕食と同様に無洗米を炊き上げて、お腹いっぱい朝食を食べたワタシたち欠食児3人。

朝食後の少しまったりとした時間に、ワタシはねぇねとおにぃにお金稼ぎについて相談してみることにしました。


「ねぇねとおにぃ、お金って、どうすれば稼げるの?」


ねぇね「ん? お金? それは価値があるモノをお店で買い取ってもらうしかないかな?」


「どこかで雇ってもらえないの?」


おにぃ「オレたちスラムの人間は、マトモに働かせてもらえないからな~」


スラム出身者への差別、スラムあるあるが早速炸裂しているようです。


(う~ん、働かせてもらえないから、価値あるモノをお店で買い取ってもらうしかない、なるほど・・・)


「買い取ってもらえそうなモノって、どんなものがあるの?」


ねぇね「そうね~、薬草とか、木の実とか、果物とかかな?」


おにぃ「ウサギとか野ネズミも肉屋に売れるぞ」


(採取系の成果物ですね~)

(ワタシに想像できるモノで、そっち系といったらなんだろう・・・)


フムフムと、しばらく考え込むワタシ。


異世界転移・転生系のお話で、お金稼ぎの定番といえば、

 お塩

 香辛料

 甘味

といったところが頭に浮かびました。


(お塩も香辛料も、いきなりお店に持って行っても、出所がアレだよね~)

(となると、自然に存在している甘味が一番無難かな~)

(蜜系? アレなら想像できるかも・・・)


ということで早速念じてみます。


(【想像創造】)


すると目の前には、



【はちみつ ブレンディッド 1200g 4,800円】



透明なビンに詰まった【はちみつ】が現れたのでした。


ねぇね「なに? この透明な、これはガラス?」


おにぃ「中に入っているのは、蜜か?」


「そうで~す。はちみつで~す。ビン入りのはちみつなので~す」


おにぃ「ビン入り? うへぇ~、すげぇ~」


ねぇね「はちみつ? あの甘味の?」


「そうで~す。これを売って、お金を稼ぎましょう!」


ねぇね「これを売るの? このまま?」


おにぃ「それは止めておいた方がいいかもな」


「え~、なんで~?」


おにぃ「こんな立派なビン、見たことないからだよ」


ねぇね「そうね。このビンはたぶん危険だと思う」

ねぇね「私達が持っていったら、お店の人から疑われちゃうかも」


おにぃ「スラムの子供が盗品を持ち込んだってね」


またもやスラム出身という障害が立ちはだかった模様です。


「う~ん、それじゃ、別の入れ物に移し替えて、小分けにして売ればどう?」


ねぇね「それなら、大丈夫かな?」


おにぃ「お店を間違えなければ、ね?」


「お店を間違える?」


ねぇね「私達に優しくしてくれるお店と、そうじゃないお店があるの」


おにぃ「まあ、どの店も、オレたちが入れるのは裏口だけだけどな」


そんなやり取りの後、ボロボロのおちょこのような容器に、はちみつの一部を移し替えます。


(1200gのビンの空き具合から、100gぐらい移したのかな?)


そしてそれをおにぃが持って、3人で目的のお店にお出かけです。

スラムを出て、10分ぐらい歩いた場所にあるそのお店は、正面から見ると雑貨屋さんのようでした。


「ココのお店は優しいの?」


ねぇね「そうなの。たまに余り物をくれるお店なの」


早速裏口に回り、営業スタートです。


ゴンゴンゴン


おにぃ「すいませぇ~ん。買取お願いしま~す」

ねぇね「すいませぇ~ん」


しばらくすると、ふくよかな女性が裏口から出てきました。


女性「はいよ。あら、あんたたちかい。今日は何を持ってきたんだい?」


おにぃ「今日は、これです」


ねぇね「甘い蜜を持ってきました」


女性「あら! 蜜だって? それは凄いじゃないの」

女性「ちょっと見せてもらっていいかい?」


おにぃ「もちろんです」


ねぇね「お願いします」


女性「ほぉ、マジりっけがないねぇ~」

女性「ちょっとなめてみてもいいかい?」


おにぃ「どうぞ」


女性「それじゃ・・・」

女性「うん、味も見た目も雑味がなくて、いい蜜だね」

女性「これは買取でいいのかい?」


おにぃ「はい。買取でお願いします」


ねぇね「あっ、器は返してほしいです」


女性「はいよ。それじゃ、別の器へと移し替えながら、重さを量っちゃうね」


おにぃ「はい」


そして、一旦お店に戻っていった女性。

その間に、ねぇねとおにぃにいろいろ聞いてみます。


「ねぇね、あの女の人は優しいの?」


ねぇね「そうなの。普通なら、私達のお話なんて聞いてくれない人ばっかりだもの」


おにぃ「そうだな。買取だって、他の店だと、こんな風にちゃんと量ってくれないよな」


そんな会話をしていると、女性が戻ってきました。


女性「大体98gってところだったよ、1gあたり2リルで、合計196リルでどうだい?」


ねぇね「そんなに?」


おにぃ「そ、それでお願いしまっす!」


どうやら高値が付いたようで、ねぇねは驚き、おにぃは感動している様子です。


(へぇー、通貨の単位は【リル】っていうんだ、覚えておこ~)


そうこうしているうちに、持ってきたボロボロのおちょこをねぇねが受取りました。

そしておにぃが、ちっちゃな銀貨っぽいモノ1枚、ちょっと大きな銅貨っぽいモノ9枚、そして、小さな銅貨っぽいモノ6枚を、1枚1枚数えるようにして手で受け取りました。


(貨幣価値が分からないからアレだけど、とにかく、現金ゲットだぜぇ!) (o^v^o)b


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