表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/110

13 ねぇねの魔法

Mノベルズ様より、書籍発売中です。


ワタシたち3人は、今、ハンターギルドの裏庭の広場、その一番奥の草むらにある新居の軽パコに戻ってきました。

朝から【ジョシュア雑貨店】の常設依頼を確認し、納品して完了手続きも終えて初の依頼達成、お金もゲットできました。

そんな感じで一仕事終えたワタシたち3人ですが、時間はまだまだ午前中。

完全に手持ち無沙汰になってしまいました。


(これから毎日、こんな感じのスケジュールになるはずだから、なにかやることを考えておきたいよね~)


ということで、ワタシが前世を思い出してから、最もあこがれているアレ、そう、魔法を使ってみたいと思います。


「ねぇね、おにぃ、ワタシ、魔法を使ってみたいんだけど」


おにぃ「魔法?」


ねぇね「おチビちゃんはどんな魔法属性なの?」


「魔法属性?」


おにぃ「ステータスに表示されるだろ?」


ということで、再度ワタシのステータスをチェックです。



 名前:アミ

 種族:人族

 性別:女

 年齢:5歳

 状態:栄養失調


 魔法:【なし】

 スキル:【想像創造】レベル2(2回/日)



「うんとね~、魔法:【なし】って書いてある」


ねぇね「え? なし?」


おにぃ「あ~、残念だけど、そりゃダメだ」


ねぇね「なしだとね、魔法は使えないの」


「やっぱり・・・」


薄々、というか、ちゃんと分かっていましたとも。

魔法:【なし】って書いてあって、なんらかの魔法が使えたら、逆に驚きです。

ということで、素直に認めてさっさと気分を切り替えます。


「それじゃあ、ふたりの魔法を見せてほしいな?」


ねぇね「いいわよ。私の魔法属性は水なんだ」


そう言ってねぇねが手をかざすと、水がじょろじょろと出てきました。


ねぇね「なんだか今日は調子がイイみたい」

ねぇね「いつも、ちょっとお水を出すだけでクタクタだったけど、今日はへっちゃら!」


(何気に凄いですよね、ホント魔法って不思議~)

(それにしても、今日は調子がイイですか~)

(もしかして、最近ちゃんとお食事をしているからかな?)


そんな感想を抱きつつ、ねぇねにいろいろ質問してみます。


「お水を球体にして浮かせたりはできる?」


ねぇね「え? 球体? 浮かせるの?」


「そうそう。できる?」


ねぇね「水魔法って、お水を出すだけだと思ってたけど・・・」

ねぇね「ちょっと試してみる・・・」


・・・


ねぇね「あ、できた!」


ワタシの目の前にはフヨフヨと浮かぶ、ソフトボールぐらいの大きさの水球。

水魔法はお水をいろいろコントロールできるみたいです。


「それじゃあ、あそこにおいてあるお鍋あるでしょ? あのお鍋をこのお水で覆ってしまうことはできる?」


ねぇね「覆うの? このお水の量だと、お鍋全体は入らないよ?」


「こう、お鍋を薄いお水の膜で覆っちゃうみたいな? そんな感じなんだけど、できないかな?」


ねぇね「薄い膜? ちょっと試してみる・・・」


・・・


ねぇね「あ、できた!」


「凄いね! それじゃあ、その薄い膜で、お鍋の表面から汚れを浮かせるみたいなことはどうかな?」


ねぇね「お鍋の表面の汚れを・・・」


・・・


ねぇね「で、できちゃった」


「わぁ~上手上手!」

「それじゃあ、最後。そのお水を汚れも一緒にお鍋から離れさせることはできる?」


ねぇね「お鍋から・・・」


・・・


ねぇね「やった! できた!」


「凄い凄い! ねぇね、魔法上手だね!」


ワタシの目の前には、どす黒く不透明になった水球が浮いています。

そしてお鍋の方はというと、ピッカピカとまではいきませんが、目立った汚れは見当たりません。


(元がボロボロのお鍋ですから新品同様とまではいかないでしょうけど、それでも凄いですね~)


「これなら、ねぇねの水魔法で、お洗濯とか、いろいろできちゃいそうだね!」


ねぇね「え? お洗濯? そ、そうか、水魔法でそういうこともできるんだ・・・」


「もっといろいろ考えたり訓練したりすれば、凄いことができるようになるかもしれないね?」


ねぇね「水魔法でこんなことできるなんて思ってなかった!」

ねぇね「楽し~い!」

ねぇね「私、いろいろ試してみる!」


ニコニコ笑顔で自主練を始めたねぇね。

ワタシとおにぃは、その場をそっと離れ、草むらから出て広場へ移動するのでした。


Mノベルズ様より、書籍発売中です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ